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全ての始まり-その3-
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新しいマナー講師が決まるまで、ラウラは自由にして良しとのお達しが出てしまったことにより、ラウラは父の言う通り、自由にしていた屋敷中を……。
そうして過ごしていたため、ラウラはあれほど近づくなと言われていた、女主人が使うべき部屋にホイホイ近づき。
ついに、恐れていた事態が発生してしまった。
「……」
「初めまして、ラウラ·アルドリッジです。よろしくお願いします。おば様」
そう、アルドリッジ男爵夫人こと我らがマミー、カロリーナ·アルドリッジとのエンカウントである。
(遅かったか……おい、テオ!!この時間は是が非でも母さんをここに連れてくるなとあれほど……)
(ごめん、姉さん……!!母さんがどうしても、庭で日向ぼっこしたいって言って聞かなくて……)
(腕を失ってでも止めろよ!!バカチン!!)
※以上の会話は全てテレパシーでの会話です。この2人は特殊な訓練を受けています。
「……おば……様……」
あぁー、ラウラのおば様発言で母さんの額に青筋が何本も~!!
「……カトレア」
母は自らの侍女であり、侍女長を務めるカトレア·ターレットを静かに呼び出した。
(怒ってる……やっぱり怒ってるよぉ……泣)
(仕方ない事だよなぁ、父さんが自分の子だっつって連れてきて事後報告だったんだもん……)
(しかもその子のマナー講師に、次女を任命した事も事後報告だった訳だからね……そりゃあ……怒るわ……)
(相変わらず怖ぇ~……:(´◦ω◦`):)
(さすが、元社交界の華であり、現社交界の華(フラン姉様)の母!!並のお怒りじゃねえ……てか美人が怒ってるのって普通の女の100倍怖ぇんだよ!!早く謝れラウラ!!)
そんな私達の願い虚しく、ラウラは謝るどころか大声上げて泣き出してしまったのだ。
そうすると、飛んでくるのはラウラ親衛隊隊長クリスタベラさん。
確実に面倒事が起きる、しかもとびっきり大きな面倒事が……
(テオ、私ら確か面倒事を全力回避が信条だったよな?)
(姉さん、わかってるよ)
私達は、誰にも気づかれないようにそっと、尚且つ捕まらないように慎重に、脱兎のごとく駆け出した。
後ろからは、母さんの"あらあら"という声と、カトレアの"リタ様!!テオ様!!廊下を走らない!!"という怒号が聞こえてきた気がしたけど、無視した。
「だあ……やっと逃げ切った……」
「どうするよ、どんどん面倒事振り撒いてんじゃん……」
「半分はクリスタベラだけどな、でもまあ母さんがあそこまで怒ってんだから、面倒事が」
「これで終わりな訳ないか……あ~、めんどくせぇー……」
そう、面倒事はこれで終わりな訳がなかった。
ラウラが我が家に引き取られてから7年が経ち、ようやくラウラも12歳、やっと大人しくなり、テオが16歳と言う年齢で私の所属する王立魔道騎士団に仲間入りを果たした頃、面倒事は忘れた頃にやってきた。
「リタ兄様、テオ兄様!!大変です!!」
「リタ……兄様?」
ラウラは私の疑問を華麗にスルーし、続けてこう言い放った。
「"私、転生者でこの国の聖女になるべき人間なんです!!"」
「なんだって???」
そうして過ごしていたため、ラウラはあれほど近づくなと言われていた、女主人が使うべき部屋にホイホイ近づき。
ついに、恐れていた事態が発生してしまった。
「……」
「初めまして、ラウラ·アルドリッジです。よろしくお願いします。おば様」
そう、アルドリッジ男爵夫人こと我らがマミー、カロリーナ·アルドリッジとのエンカウントである。
(遅かったか……おい、テオ!!この時間は是が非でも母さんをここに連れてくるなとあれほど……)
(ごめん、姉さん……!!母さんがどうしても、庭で日向ぼっこしたいって言って聞かなくて……)
(腕を失ってでも止めろよ!!バカチン!!)
※以上の会話は全てテレパシーでの会話です。この2人は特殊な訓練を受けています。
「……おば……様……」
あぁー、ラウラのおば様発言で母さんの額に青筋が何本も~!!
「……カトレア」
母は自らの侍女であり、侍女長を務めるカトレア·ターレットを静かに呼び出した。
(怒ってる……やっぱり怒ってるよぉ……泣)
(仕方ない事だよなぁ、父さんが自分の子だっつって連れてきて事後報告だったんだもん……)
(しかもその子のマナー講師に、次女を任命した事も事後報告だった訳だからね……そりゃあ……怒るわ……)
(相変わらず怖ぇ~……:(´◦ω◦`):)
(さすが、元社交界の華であり、現社交界の華(フラン姉様)の母!!並のお怒りじゃねえ……てか美人が怒ってるのって普通の女の100倍怖ぇんだよ!!早く謝れラウラ!!)
そんな私達の願い虚しく、ラウラは謝るどころか大声上げて泣き出してしまったのだ。
そうすると、飛んでくるのはラウラ親衛隊隊長クリスタベラさん。
確実に面倒事が起きる、しかもとびっきり大きな面倒事が……
(テオ、私ら確か面倒事を全力回避が信条だったよな?)
(姉さん、わかってるよ)
私達は、誰にも気づかれないようにそっと、尚且つ捕まらないように慎重に、脱兎のごとく駆け出した。
後ろからは、母さんの"あらあら"という声と、カトレアの"リタ様!!テオ様!!廊下を走らない!!"という怒号が聞こえてきた気がしたけど、無視した。
「だあ……やっと逃げ切った……」
「どうするよ、どんどん面倒事振り撒いてんじゃん……」
「半分はクリスタベラだけどな、でもまあ母さんがあそこまで怒ってんだから、面倒事が」
「これで終わりな訳ないか……あ~、めんどくせぇー……」
そう、面倒事はこれで終わりな訳がなかった。
ラウラが我が家に引き取られてから7年が経ち、ようやくラウラも12歳、やっと大人しくなり、テオが16歳と言う年齢で私の所属する王立魔道騎士団に仲間入りを果たした頃、面倒事は忘れた頃にやってきた。
「リタ兄様、テオ兄様!!大変です!!」
「リタ……兄様?」
ラウラは私の疑問を華麗にスルーし、続けてこう言い放った。
「"私、転生者でこの国の聖女になるべき人間なんです!!"」
「なんだって???」
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