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第1章
勇者達の召喚
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「おい、拓也遅いぞ! お前がみんなでカラオケしようって言ったんだぞ。なのに何が『先に行っててくれ。後から行く』だ。五人じゃなきゃ割引効かないってのに。
おかげで、カラオケの店の前のコンビニで30分も待ち惚けだぞ? 二月なのに!」
そう言われて俺……五十嵐拓也はカラオケ店の前のコンビニにいる幼馴染の田島薫の元へ駆け寄った。
「悪い、薫。佳奈が居残りしたんだ。でもなんで外で待ってるんだ? 中に入っていればいいじゃないか」
「馬鹿、30分もコンビニで潰せるか。店が迷惑するだろうが。それにこのコンビニ、休憩スペースがないんだよ」
確かに、店内を見てみると、雑誌コーナーで立ち読みをしているちょっと暗めの男子高校生。飲み物や弁当のコーナー、文房具コーナーとその死角に入っていて見えないがおそらくお菓子やアイスのコーナーだろう。レジには女性と男性の店員。おでんと肉まん、横にATMなどと座るスペースがないタイプだった。
「そうだったのか。みんな悪かったよ。佳奈も謝っといたほうがいいぞ」
「皆さん遅れてゴメンなーサイ。拓也助かりマシタ! おかげでハヤク終わりマシタ、アリガトウ!」
今謝ったのは佳奈・シトローヌといって最近留学してきた女の子だ。プラチナブロンドのハーフで運動神経はいいが勉強の成績はダメダメだ。こいつ、どうやって留学してきたんだ?
「簡単な問題だったからな。美海も吹雪さんも遅れてごめんな」
「いいよ、拓也くん。佳奈ちゃんの居残り見てたんでしょ? しかたがないよ」
先に話かけてきたのが俺のもう1人の幼馴染の一条美海だ。佳奈の逆で運動神経は悪いが頭の良い優等生タイプだ。そして絵に描いたような巨乳である。
「そうよ、佳奈さんの面倒を見てたんだから仕方ないわよ。連絡をするのが遅れた私達も悪くない訳ではないもの」
次に喋ったのが吹雪沙羅さん。俺達の高校の生徒会長で、背が高く長い黒髪で片目を隠しているのがセクシーだと人気のある人だ。
どうやって仲良くなったかと聞かれると、屋上で一人でいたところを俺が見つけて話し合うようになって気が付いたらこうなっていたとしか言えない。
「美海、吹雪さん、ありがとう。そういえば薫、お前の彼女は?」
「あぁ、春香か。急に親に帰ってきて欲しいって言われたらしくってな、先に帰った」
本当は薫の彼女さんの春香さんも一緒にカラオケに行く筈だったのが帰ってしまったらしい。
「なら仕方ないな。俺たちだけでカラオケに……!」
行こうと言おうとした瞬間、アスファルトである筈の地面が輝き出した。
俺だけにそう見えているのかと周りを見ると薫達も驚いている。どうやら俺だけがそう見えるのではないらしいーーー
次の瞬間、コンビニの前の人集りだけではなくコンビニの中にも誰もいなくなっていた。
****
???
『ごめんね、◼︎◼︎◼︎……お前なら一人前の魔法使いになれる。そのためにはこの村から出て王都に行かなくては行けないのよ』
分かっているよ姉さん。そんなものはただの口実、本当はただの口減らしだ。でも姉さんだけはそんなことされない。だって、もう直ぐ婚約するんだから……
『本当だ、◼︎◼︎◼︎……お前にはまだ幼いにも関わらずそれだけの魔力がある。だからこんな家に居てはいけないんだ! ちゃんとしたお師匠様に使えて、ちゃんとした魔力の使い方を教わらなくてはいけない。だからごめんよ父さんだって辛い。しかし、お前のためだ。我慢しようと思ってる』
分かっているよ父さん。でも、父さんも口減らしの対象にはならないからそんなこと言えるんだ。
父さんはこの家を支えなくてはならない。それに、この地方では父親がいない娘は良いところには嫁げないから父さんは安心している。
でも、そんなことはどうでもいい。それよりも俺が悲しいのは父さんが我慢してるのは俺のことよりも空腹だって知ってるからだ……
『ほら、◼︎◼︎◼︎水と上着だよ。ごめんね、この家に金も食べ物もないからこんなものしか用意出来なくてごめんね。これからお前は長い旅に出なきゃ行けないってのに母親である私の力不足で……こんなのしか……』
分かっているよ母さん。泣かないで、分かっているんだ。母さんは俺を口減らしの対象にするぐらいならいっそ自分がなるってお父さんや姉さんに泣いて説得しようとしていたのも……
腹が空いて寝れなかったから聞いてたんだ。ごめんね。
それにこの家だけが貧乏だからこうなるんじゃない。この地方全体で飢餓状態らしい。今はこんなの珍しくない。
だから今は森や山には子供やお年寄りの死骸が多いって狩人さんが言っていた。おかげで野獣や獣が寄ってくるから仕事には困らないとも……
『じゃあね、気をつけて行くんだよ……』
そう家族に言われて俺は家を出たーーー
おかげで、カラオケの店の前のコンビニで30分も待ち惚けだぞ? 二月なのに!」
そう言われて俺……五十嵐拓也はカラオケ店の前のコンビニにいる幼馴染の田島薫の元へ駆け寄った。
「悪い、薫。佳奈が居残りしたんだ。でもなんで外で待ってるんだ? 中に入っていればいいじゃないか」
「馬鹿、30分もコンビニで潰せるか。店が迷惑するだろうが。それにこのコンビニ、休憩スペースがないんだよ」
確かに、店内を見てみると、雑誌コーナーで立ち読みをしているちょっと暗めの男子高校生。飲み物や弁当のコーナー、文房具コーナーとその死角に入っていて見えないがおそらくお菓子やアイスのコーナーだろう。レジには女性と男性の店員。おでんと肉まん、横にATMなどと座るスペースがないタイプだった。
「そうだったのか。みんな悪かったよ。佳奈も謝っといたほうがいいぞ」
「皆さん遅れてゴメンなーサイ。拓也助かりマシタ! おかげでハヤク終わりマシタ、アリガトウ!」
今謝ったのは佳奈・シトローヌといって最近留学してきた女の子だ。プラチナブロンドのハーフで運動神経はいいが勉強の成績はダメダメだ。こいつ、どうやって留学してきたんだ?
「簡単な問題だったからな。美海も吹雪さんも遅れてごめんな」
「いいよ、拓也くん。佳奈ちゃんの居残り見てたんでしょ? しかたがないよ」
先に話かけてきたのが俺のもう1人の幼馴染の一条美海だ。佳奈の逆で運動神経は悪いが頭の良い優等生タイプだ。そして絵に描いたような巨乳である。
「そうよ、佳奈さんの面倒を見てたんだから仕方ないわよ。連絡をするのが遅れた私達も悪くない訳ではないもの」
次に喋ったのが吹雪沙羅さん。俺達の高校の生徒会長で、背が高く長い黒髪で片目を隠しているのがセクシーだと人気のある人だ。
どうやって仲良くなったかと聞かれると、屋上で一人でいたところを俺が見つけて話し合うようになって気が付いたらこうなっていたとしか言えない。
「美海、吹雪さん、ありがとう。そういえば薫、お前の彼女は?」
「あぁ、春香か。急に親に帰ってきて欲しいって言われたらしくってな、先に帰った」
本当は薫の彼女さんの春香さんも一緒にカラオケに行く筈だったのが帰ってしまったらしい。
「なら仕方ないな。俺たちだけでカラオケに……!」
行こうと言おうとした瞬間、アスファルトである筈の地面が輝き出した。
俺だけにそう見えているのかと周りを見ると薫達も驚いている。どうやら俺だけがそう見えるのではないらしいーーー
次の瞬間、コンビニの前の人集りだけではなくコンビニの中にも誰もいなくなっていた。
****
???
『ごめんね、◼︎◼︎◼︎……お前なら一人前の魔法使いになれる。そのためにはこの村から出て王都に行かなくては行けないのよ』
分かっているよ姉さん。そんなものはただの口実、本当はただの口減らしだ。でも姉さんだけはそんなことされない。だって、もう直ぐ婚約するんだから……
『本当だ、◼︎◼︎◼︎……お前にはまだ幼いにも関わらずそれだけの魔力がある。だからこんな家に居てはいけないんだ! ちゃんとしたお師匠様に使えて、ちゃんとした魔力の使い方を教わらなくてはいけない。だからごめんよ父さんだって辛い。しかし、お前のためだ。我慢しようと思ってる』
分かっているよ父さん。でも、父さんも口減らしの対象にはならないからそんなこと言えるんだ。
父さんはこの家を支えなくてはならない。それに、この地方では父親がいない娘は良いところには嫁げないから父さんは安心している。
でも、そんなことはどうでもいい。それよりも俺が悲しいのは父さんが我慢してるのは俺のことよりも空腹だって知ってるからだ……
『ほら、◼︎◼︎◼︎水と上着だよ。ごめんね、この家に金も食べ物もないからこんなものしか用意出来なくてごめんね。これからお前は長い旅に出なきゃ行けないってのに母親である私の力不足で……こんなのしか……』
分かっているよ母さん。泣かないで、分かっているんだ。母さんは俺を口減らしの対象にするぐらいならいっそ自分がなるってお父さんや姉さんに泣いて説得しようとしていたのも……
腹が空いて寝れなかったから聞いてたんだ。ごめんね。
それにこの家だけが貧乏だからこうなるんじゃない。この地方全体で飢餓状態らしい。今はこんなの珍しくない。
だから今は森や山には子供やお年寄りの死骸が多いって狩人さんが言っていた。おかげで野獣や獣が寄ってくるから仕事には困らないとも……
『じゃあね、気をつけて行くんだよ……』
そう家族に言われて俺は家を出たーーー
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