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チャプター【003】
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砂山に刺さった剣を見下ろしながら、つるぎはだれもが知っている物語を思い出していた。
森の中にあるに大きな岩に剣が突き刺さっており、真の勇者でなければその剣を引き抜くことができないというありきたりな物語だ。
つるぎは、その物語のゲームソフトを持っていて、ゲームをしながら、「自分がこんな勇者になれたら」となんど思ったかしれない。
つるぎはふと、その剣を抜いてみようという気になった。
なぜそんなことを思ったのかは自分でもわからない。
バカバカしいにもほどがある。
そんな思いがなかったわけでもない。
けれど、「強くなりたい」そう思った矢先だったからなのか、やるだけやってみようという思いのほうが強かった。
つるぎはカバンを置くと、剣の柄を両手で掴んだ。
そして深く息を吸い、ゆっくりと吐いた。
(これを抜くことができたら、ボクは勇者だ!)
そう心で叫び、両手に力をこめて思い切り剣を引いた。
「はれ!……」
思わず、そんな間の抜けた声が洩れてしまうほど、剣はなんの抵抗もなくするりと砂山から抜けてしまった。
おまけに、勢い余って尻餅をついてしまう始末だった。
ただの玩具の剣が砂山に刺さっていたにすぎないのだから、それは当然の結果であった。
(なにをボクは、その気になってるんだ!)
いまさらながらに、自分の馬鹿さかげんに腹が立って、つるぎは剣を放り投げた。
虚しさが急激にこみ上げてくる。
(勇者か……)
思わずため息がこぼれて、がっくりと肩を落した。
つるぎは立ち上がり、尻の砂を払って砂場を出た。
と――
そのときだった。
「オイ!」
どこからか、そんな声が聴こえた。
つるぎはびくりとして、辺りを見回した。
けれど、園内には人の姿はない。
耳を澄ませてみるが、人の声も聴こえない。
聴こえるのは、風にそよぐ木々の葉音ばかりだった。
(空耳か……)
そう納得して、つるぎは歩き出そうとした。
すると、また、
「こら、無視するな!」
その声がはっきりと聴こえてきた。
つるぎはとっさに身構えて、周囲に視線を走らせた。
だが、やはり人の姿などどこにもない。
そこでつるぎは、ハッと思い当たった。
きっと、鬼塚たちだ。
あの4人がもどってきて、どこかに隠れて様子を窺っているんだ。
また新たなゲームを始めようと、もどってきたに違いない。
つるぎは陰鬱(いんうつ)な気分になりながら、木の陰や公園を囲う植え込みなどに眼を凝らした。
しかし、どんなに眼を凝らしてみても、人が隠れているような気配はない。
どういうことなのだろう。
鬼塚たちがもどってきたのではないのか。
いや、よく考えてみれば、いまの声は彼らのものではない。
「おれの声が聴こえているのだろう?」
またもその声が聴こえてきた。
「だ、だれ!」
つるぎは恐る恐る声を出し、周囲へ視線を走らせた。
「どこを見ている。おれはここだ。おまえのうしろ」
その声に応えるように、つるぎはうしろをふり返った。
だが、そこにはだれもいない。
「いないじゃないか。どこに隠れてるのさ?」
「おまえのその眼は節穴か? おれは眼の前にいるだろうが」
「え? え? えッ?……」
そのときになって、つるぎはふと気づいた。
姿なきその声は、聴こえてきたのではない。
つるぎの頭の中に直接的に響いてきたのだ。
〈まだわからないのか。おまえ、おれを放り投げただろうが〉
頭の中の声が言う。
「放り投げたって、え? ま、まさか、そそ、そんな……」
あまりの驚きに、つるぎはまたも尻餅をつく羽目になった。
そう、頭の中に響いてくる声の主は、どうやら、つるぎが砂山から引き抜いたあの玩具の剣ようだった。
「う、嘘でしょ?」
つるぎは思わず言った。
〈なにが嘘だ。おれを放り投げておいて、その言い草はないだろうが。こっちはいい気分で眠りに就いていたというのに、その眠りを妨げやがって〉
つるぎの頭の中で響いてきた声の主、玩具の剣が言い返した。
「お、お、玩具の剣が、しゃべってる……」
〈おれはしゃべってなどおらん。おまえの頭の中に思念を送ってるだけだ。それを、なぜそんなに驚いている〉
「いや、ありえない、ありえない。こんなこと、ありえるわけがない。これはきっと夢だ。ボクはいま、夢を見ているんだ……」
つるぎはめちゃくちゃパニクった。
〈なにを動転しているのだ。可笑しなやつよ〉
「剣が、しゃ、しゃべ、しゃべる、なんて、あって、たた、たまる、も、もんか……」
〈だから、違うと言っているだろうが。いいかげんに殴るぞ。しかし――おまえ、剣法師ではないのか〉
「け、剣法師?」
つるぎは思わず訊き返した。
〈どうやら、違うらしいな。だったら話は別だ。まあ、とにかく落ち着け。おまえに危害を加えるつもりはない〉
と言われ、ましてや言葉を話すとはいえ、どこからどう見ても玩具の剣ということもあって、つるぎはすぐに落ち着きを取りもどした。
〈やっと落ち着いたみたいだな。ならば、おれをもとの場所にもどしてくれないか。それにしても、剣法師でもないおまえが、どうしておれを引き抜くことができたのだ。それどころかおまえは、おれの思念を受け入れた。だとすると、おまえは……。うむう〉
「なにがなんだか、ボクにはよくわからないんだけど、君っていったいなんなの? 玩具の剣に人の魂が入りこんじゃったとか?」
〈なに? 玩具の剣に人の魂が入りこんだやと? このガキァ、おちょくっとんのか! なめとったら、その両の目ン玉引っこ抜いて、ケツの穴に突っこんだるぞ、こら!〉
とつぜん、きっつい関西弁が、つるぎの頭の中で反響した。
玩具の剣が、両の目玉を引っこ抜いてケツの穴に突っこむことなどできはしないだろうが、つるぎはえらくビビった。
「いや、その、ボクは別に、そんなつもりじゃ……」
〈せやったら、どないつもりなんや! はっきり言うてみんかい!」
「あ、あの……、怒らせたなら謝るよ。ボクはほんとになにもわからなくて、それで、君を見たままで判断してしまったんだ」
〈なんやと! おれのどこが玩具の剣に見えるっちゅうんじゃい。ホンマ、どついたろか! どっからどう見たっておれは――」
玩具の剣が言い終える前に、つるぎはカバンの中からスマートフォンを取り出した。
〈なな、なんや、その奇怪なもんは!〉
「スマホだよ」
〈スマホ? なんやそれ。まさか、そんなもんでおれを攻撃するつもりか? 赤い光線が、ピーゆうて発射するんとちゃうやろな!〉
それを無視して、つるぎはカメラ機能をセットすると、玩具の剣の真上にかざした。
〈そんなもん、おれには効かへんぞ! でも、痛いんか? もし痛いんやったら堪忍やで〉
「痛いわけがないでしょ。じゃ、撮るよ」
〈とるだと? おれの命をとるつもりか! えー根性しとるやないけぇ! って、オイ! あ、やめろ。やめてください! やめてくれー!〉
カシャッ!
玩具の剣が止めるのもかまわず、つるぎはシャッターを押した。
〈ううッ、やられた。こんなやつに、このおれが……。うッ、ぐくッ、身体が、身体が溶ける……。ああ……〉
玩具の剣の声は、悶絶するかのようだった。
「はいはい、そんなボケはいらないから」
そくざにつるぎはツッコミを入れた。
〈あ、そう。以外に醒めとるんやな〉
「そんなことより、ほら、これが君の姿。どう見ても玩具の剣でしょ?」
撮った写真を、つるぎは玩具の剣へと向けた。
〈なな、ななな! それがおれだと? そんな馬鹿な。これはどう見ても、玩具の剣ではないか〉
「だから、そう言ったじゃない」
〈嘘だ。こんなものはでたらめだ。このおれが、玩具の剣に成り下がっているなど、ありえぬ……〉
玩具の剣の言葉はいつの間にか、もとにもどっていた。
森の中にあるに大きな岩に剣が突き刺さっており、真の勇者でなければその剣を引き抜くことができないというありきたりな物語だ。
つるぎは、その物語のゲームソフトを持っていて、ゲームをしながら、「自分がこんな勇者になれたら」となんど思ったかしれない。
つるぎはふと、その剣を抜いてみようという気になった。
なぜそんなことを思ったのかは自分でもわからない。
バカバカしいにもほどがある。
そんな思いがなかったわけでもない。
けれど、「強くなりたい」そう思った矢先だったからなのか、やるだけやってみようという思いのほうが強かった。
つるぎはカバンを置くと、剣の柄を両手で掴んだ。
そして深く息を吸い、ゆっくりと吐いた。
(これを抜くことができたら、ボクは勇者だ!)
そう心で叫び、両手に力をこめて思い切り剣を引いた。
「はれ!……」
思わず、そんな間の抜けた声が洩れてしまうほど、剣はなんの抵抗もなくするりと砂山から抜けてしまった。
おまけに、勢い余って尻餅をついてしまう始末だった。
ただの玩具の剣が砂山に刺さっていたにすぎないのだから、それは当然の結果であった。
(なにをボクは、その気になってるんだ!)
いまさらながらに、自分の馬鹿さかげんに腹が立って、つるぎは剣を放り投げた。
虚しさが急激にこみ上げてくる。
(勇者か……)
思わずため息がこぼれて、がっくりと肩を落した。
つるぎは立ち上がり、尻の砂を払って砂場を出た。
と――
そのときだった。
「オイ!」
どこからか、そんな声が聴こえた。
つるぎはびくりとして、辺りを見回した。
けれど、園内には人の姿はない。
耳を澄ませてみるが、人の声も聴こえない。
聴こえるのは、風にそよぐ木々の葉音ばかりだった。
(空耳か……)
そう納得して、つるぎは歩き出そうとした。
すると、また、
「こら、無視するな!」
その声がはっきりと聴こえてきた。
つるぎはとっさに身構えて、周囲に視線を走らせた。
だが、やはり人の姿などどこにもない。
そこでつるぎは、ハッと思い当たった。
きっと、鬼塚たちだ。
あの4人がもどってきて、どこかに隠れて様子を窺っているんだ。
また新たなゲームを始めようと、もどってきたに違いない。
つるぎは陰鬱(いんうつ)な気分になりながら、木の陰や公園を囲う植え込みなどに眼を凝らした。
しかし、どんなに眼を凝らしてみても、人が隠れているような気配はない。
どういうことなのだろう。
鬼塚たちがもどってきたのではないのか。
いや、よく考えてみれば、いまの声は彼らのものではない。
「おれの声が聴こえているのだろう?」
またもその声が聴こえてきた。
「だ、だれ!」
つるぎは恐る恐る声を出し、周囲へ視線を走らせた。
「どこを見ている。おれはここだ。おまえのうしろ」
その声に応えるように、つるぎはうしろをふり返った。
だが、そこにはだれもいない。
「いないじゃないか。どこに隠れてるのさ?」
「おまえのその眼は節穴か? おれは眼の前にいるだろうが」
「え? え? えッ?……」
そのときになって、つるぎはふと気づいた。
姿なきその声は、聴こえてきたのではない。
つるぎの頭の中に直接的に響いてきたのだ。
〈まだわからないのか。おまえ、おれを放り投げただろうが〉
頭の中の声が言う。
「放り投げたって、え? ま、まさか、そそ、そんな……」
あまりの驚きに、つるぎはまたも尻餅をつく羽目になった。
そう、頭の中に響いてくる声の主は、どうやら、つるぎが砂山から引き抜いたあの玩具の剣ようだった。
「う、嘘でしょ?」
つるぎは思わず言った。
〈なにが嘘だ。おれを放り投げておいて、その言い草はないだろうが。こっちはいい気分で眠りに就いていたというのに、その眠りを妨げやがって〉
つるぎの頭の中で響いてきた声の主、玩具の剣が言い返した。
「お、お、玩具の剣が、しゃべってる……」
〈おれはしゃべってなどおらん。おまえの頭の中に思念を送ってるだけだ。それを、なぜそんなに驚いている〉
「いや、ありえない、ありえない。こんなこと、ありえるわけがない。これはきっと夢だ。ボクはいま、夢を見ているんだ……」
つるぎはめちゃくちゃパニクった。
〈なにを動転しているのだ。可笑しなやつよ〉
「剣が、しゃ、しゃべ、しゃべる、なんて、あって、たた、たまる、も、もんか……」
〈だから、違うと言っているだろうが。いいかげんに殴るぞ。しかし――おまえ、剣法師ではないのか〉
「け、剣法師?」
つるぎは思わず訊き返した。
〈どうやら、違うらしいな。だったら話は別だ。まあ、とにかく落ち着け。おまえに危害を加えるつもりはない〉
と言われ、ましてや言葉を話すとはいえ、どこからどう見ても玩具の剣ということもあって、つるぎはすぐに落ち着きを取りもどした。
〈やっと落ち着いたみたいだな。ならば、おれをもとの場所にもどしてくれないか。それにしても、剣法師でもないおまえが、どうしておれを引き抜くことができたのだ。それどころかおまえは、おれの思念を受け入れた。だとすると、おまえは……。うむう〉
「なにがなんだか、ボクにはよくわからないんだけど、君っていったいなんなの? 玩具の剣に人の魂が入りこんじゃったとか?」
〈なに? 玩具の剣に人の魂が入りこんだやと? このガキァ、おちょくっとんのか! なめとったら、その両の目ン玉引っこ抜いて、ケツの穴に突っこんだるぞ、こら!〉
とつぜん、きっつい関西弁が、つるぎの頭の中で反響した。
玩具の剣が、両の目玉を引っこ抜いてケツの穴に突っこむことなどできはしないだろうが、つるぎはえらくビビった。
「いや、その、ボクは別に、そんなつもりじゃ……」
〈せやったら、どないつもりなんや! はっきり言うてみんかい!」
「あ、あの……、怒らせたなら謝るよ。ボクはほんとになにもわからなくて、それで、君を見たままで判断してしまったんだ」
〈なんやと! おれのどこが玩具の剣に見えるっちゅうんじゃい。ホンマ、どついたろか! どっからどう見たっておれは――」
玩具の剣が言い終える前に、つるぎはカバンの中からスマートフォンを取り出した。
〈なな、なんや、その奇怪なもんは!〉
「スマホだよ」
〈スマホ? なんやそれ。まさか、そんなもんでおれを攻撃するつもりか? 赤い光線が、ピーゆうて発射するんとちゃうやろな!〉
それを無視して、つるぎはカメラ機能をセットすると、玩具の剣の真上にかざした。
〈そんなもん、おれには効かへんぞ! でも、痛いんか? もし痛いんやったら堪忍やで〉
「痛いわけがないでしょ。じゃ、撮るよ」
〈とるだと? おれの命をとるつもりか! えー根性しとるやないけぇ! って、オイ! あ、やめろ。やめてください! やめてくれー!〉
カシャッ!
玩具の剣が止めるのもかまわず、つるぎはシャッターを押した。
〈ううッ、やられた。こんなやつに、このおれが……。うッ、ぐくッ、身体が、身体が溶ける……。ああ……〉
玩具の剣の声は、悶絶するかのようだった。
「はいはい、そんなボケはいらないから」
そくざにつるぎはツッコミを入れた。
〈あ、そう。以外に醒めとるんやな〉
「そんなことより、ほら、これが君の姿。どう見ても玩具の剣でしょ?」
撮った写真を、つるぎは玩具の剣へと向けた。
〈なな、ななな! それがおれだと? そんな馬鹿な。これはどう見ても、玩具の剣ではないか〉
「だから、そう言ったじゃない」
〈嘘だ。こんなものはでたらめだ。このおれが、玩具の剣に成り下がっているなど、ありえぬ……〉
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