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アリス=デューク
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結婚して初めて、彼は非常に妹を可愛がっていることを知った。
彼は妹や妹の子の誕生日やクリスマスに熱心にプレゼントを贈っていた。でも私達にもプレゼントは一応してくれていたし、家同士の政略結婚で夫婦となった私達だけれど、夫婦仲はそんなに悪くはなかったから、不満を感じることは多々あれど、大きく揉めることはしないで6年の月日を共に過ごした。
それはある日、ゼノの妹フルーラと姪っ子のアナが我が家に訪れた時のことだった。
娘のフランとアナが何かを言い合う声が聞こえて、その直後フランが泣きながら私達のいる部屋にやってきた。
「お母様…」
泣きじゃくりながら、ちぎれたクマのぬいぐるみを出してきたフランを見て、私は尋ねた。
「どうしたのフラン?このぬいぐるみはあなたのお気に入りだったじゃない」
今は亡き私の父がフランが生まれた時にお祝いの一つとして贈ってくれたぬいぐるみだ。フランの大のお気に入りで5年間ずっと大事にしていたのだ。
「あのね、アナが…」
説明しようとしたフランを遮って8歳になるアナは淡々と説明し出した。
「ちょっと貸してって私がフランに言ったのよ。そしたらこの子、手渡す直前で引っ張ったのよ。だから首が取れてしまって」
「そうなのフラン?」
私が優しく尋ねると、フランは泣きながらアナを睨みつけて言った。
「違うわ、アナが勝手にクマさんを取って乱暴に振り回したから返してって言ったのよ!そしたらアナが思いっきりクマさんの頭と足引っ張ったの」
流石にこれは、と思いフルーラをちらっと見ると全く意に介した様子もなく優雅にお茶をすすっている。
あまり気の利かない義妹だと思っていたが、流石にこれは叱るべきだと思ったその時、夫のゼノが立ち上がった。そしてフランの頬を打った。
私もフランもあまりのことに絶句する。
「フラン、なんでぬいぐるみの一つや二つアナに貸してやれないんだ。アナがかわいそうだろう」
「でも、これはお祖父様からもらった大切な…」
「それなら、アナの目につかないところにおいておけ。わざとらしく見せびらかして、挙句貸してもやらないとは…我が子ながら情けない」
その瞬間、私は自分の血が沸騰するのが分かった。
「フラン、ぬいぐるみは後で私のもとに持っておいで。母様が今より素敵にしてあげるわ」
優しく言いおいてから残りの3人のもとへ向かった。
「さて、私は誰から叱るべきかしら」
意味が分からない、と言った表情で見てくる3人を睨め付けたあと、ふっと私は微笑んだ。
「ねぇ、アナ。あのぬいぐるみ、フランの宝物なのだけれど。」
「だからあれはフランが…」
「フランはね、普段触らないのよ。ぬいぐるみも少し高い位置に飾ってあったでしょ?宝物で汚したくないからってフランがあそこに置いて欲しいって言ったのよ。フランには手が届かないのだけれど」
「…」
「そもそも。あなたフランにちゃんと謝ったの?」
「それはあの子が私の言うことを聞かないから」
「あの部屋の主はあなたなのかしら。フランの部屋だったと思うのだけれど」
「…ごめんなさい」
私に諭されて、ようやくアナはフランに謝った。まったく…
「ねえ、フルーラ。あなたも母親なら自分の娘の過ちくらいしっかり叱りなさいな。常識がないとは思っていたけど、ここまでだと周りからも笑われるわよ。」
「そんな、お義姉さま、ひどいわ」
泣きそうになりながら言うフルーラに私は冷静に言いはなった。
「ひどいのはあなたの娘よ。このままじゃあなたそっくりの自分のことしか見えてない愚かな女になるわよ。」
そこまで言ったところで、ゼノが憤怒の表情で私に怒鳴った。
「アリス!黙って聞いていれば偉そうにフルーラや、アナを侮辱しやがって。そんなことだと二人とも、もうお前やフランに会いたがらないぞ!」
少しは懲りたか、と言う顔で私を見てくるゼノに心底げんなりしながら私は告げた。
「会いたがらないも何も、私は、来るなと言ってるつもりなのだけれど。大体あなたは娘が宝物無理やり壊されて泣いてるのに、何トンチンカンなこと言ってるのよ。」
絶句するゼノに私は言い募った。
「ああ。妹と姪っ子の方がかわいいならどうぞ出て行ってくださって結構よ。ここは私の実家の屋敷だし。よく考えればあなたといても私もフランも、フルーラやアナのために我慢ばかりさせられて良いこともないしね。」
「え、それは」
「それに政略結婚の要だった父達の事業も2年前に終わってるから、今さらこの結婚に意味もないでしょうしね。」
「だが…」
「いいじゃない、別に。別れてもあなたも私も金銭的に不自由な環境じゃないし、あなたも住むところはなくなるけど実家に帰るなり、大好きな妹のもとに行くなりしたら」
「え、それは」
フルーラの嫁ぎ先のダノン子爵はいたってまともで、よく私は妻や娘がお世話になってる旨の丁寧なお礼の手紙を貰っていた。だからこそ今日まで少々の愚行は許していたのだ。だが、いい加減なゼノとは折り合いが悪く、ゼノが避けていた。
そしでゼノの両親もまた厳格で、ゼノともフルーラとも折り合いが悪く、かえって私の方を大事にしてくれていたくらいだった。
「いや、だが…」
「絶対だめ!それならお兄様は実家に帰って!」
難色を示しかけたゼノに被せるようにフルーラが反対した。それを見てゼノがなんとも言えない表情をする。
「かわいそうね。大事な妹はあなたが思うほど、お兄ちゃんのことが大切ではないみたいよ。」
おかしそうに言うと、兄妹の顔色がさっと朱色に染まる。
「さあ、私の中では決着がついたし、もうそろそろみんな出てってくれるかしら」
「フラン、父さまと一緒がいいよな」
焦ったゼノはおもねるようにフランに尋ねた。
「いつも、おばさまやアナを優先して、私達のことを見てくれなかった。私は父様なんか大っ嫌い。母様と二人きりの方がずっと楽しい」
涙声で答えたフランに胸が締め付けられる。もっと早くこの決断をしていれば良かった。そう思いながら、私は冷たい声でゼノに告げた。
「わざわざ聞かなくても分かるでしょうに。ね、あなた達なんかいらないのよ。」
完
彼は妹や妹の子の誕生日やクリスマスに熱心にプレゼントを贈っていた。でも私達にもプレゼントは一応してくれていたし、家同士の政略結婚で夫婦となった私達だけれど、夫婦仲はそんなに悪くはなかったから、不満を感じることは多々あれど、大きく揉めることはしないで6年の月日を共に過ごした。
それはある日、ゼノの妹フルーラと姪っ子のアナが我が家に訪れた時のことだった。
娘のフランとアナが何かを言い合う声が聞こえて、その直後フランが泣きながら私達のいる部屋にやってきた。
「お母様…」
泣きじゃくりながら、ちぎれたクマのぬいぐるみを出してきたフランを見て、私は尋ねた。
「どうしたのフラン?このぬいぐるみはあなたのお気に入りだったじゃない」
今は亡き私の父がフランが生まれた時にお祝いの一つとして贈ってくれたぬいぐるみだ。フランの大のお気に入りで5年間ずっと大事にしていたのだ。
「あのね、アナが…」
説明しようとしたフランを遮って8歳になるアナは淡々と説明し出した。
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「そうなのフラン?」
私が優しく尋ねると、フランは泣きながらアナを睨みつけて言った。
「違うわ、アナが勝手にクマさんを取って乱暴に振り回したから返してって言ったのよ!そしたらアナが思いっきりクマさんの頭と足引っ張ったの」
流石にこれは、と思いフルーラをちらっと見ると全く意に介した様子もなく優雅にお茶をすすっている。
あまり気の利かない義妹だと思っていたが、流石にこれは叱るべきだと思ったその時、夫のゼノが立ち上がった。そしてフランの頬を打った。
私もフランもあまりのことに絶句する。
「フラン、なんでぬいぐるみの一つや二つアナに貸してやれないんだ。アナがかわいそうだろう」
「でも、これはお祖父様からもらった大切な…」
「それなら、アナの目につかないところにおいておけ。わざとらしく見せびらかして、挙句貸してもやらないとは…我が子ながら情けない」
その瞬間、私は自分の血が沸騰するのが分かった。
「フラン、ぬいぐるみは後で私のもとに持っておいで。母様が今より素敵にしてあげるわ」
優しく言いおいてから残りの3人のもとへ向かった。
「さて、私は誰から叱るべきかしら」
意味が分からない、と言った表情で見てくる3人を睨め付けたあと、ふっと私は微笑んだ。
「ねぇ、アナ。あのぬいぐるみ、フランの宝物なのだけれど。」
「だからあれはフランが…」
「フランはね、普段触らないのよ。ぬいぐるみも少し高い位置に飾ってあったでしょ?宝物で汚したくないからってフランがあそこに置いて欲しいって言ったのよ。フランには手が届かないのだけれど」
「…」
「そもそも。あなたフランにちゃんと謝ったの?」
「それはあの子が私の言うことを聞かないから」
「あの部屋の主はあなたなのかしら。フランの部屋だったと思うのだけれど」
「…ごめんなさい」
私に諭されて、ようやくアナはフランに謝った。まったく…
「ねえ、フルーラ。あなたも母親なら自分の娘の過ちくらいしっかり叱りなさいな。常識がないとは思っていたけど、ここまでだと周りからも笑われるわよ。」
「そんな、お義姉さま、ひどいわ」
泣きそうになりながら言うフルーラに私は冷静に言いはなった。
「ひどいのはあなたの娘よ。このままじゃあなたそっくりの自分のことしか見えてない愚かな女になるわよ。」
そこまで言ったところで、ゼノが憤怒の表情で私に怒鳴った。
「アリス!黙って聞いていれば偉そうにフルーラや、アナを侮辱しやがって。そんなことだと二人とも、もうお前やフランに会いたがらないぞ!」
少しは懲りたか、と言う顔で私を見てくるゼノに心底げんなりしながら私は告げた。
「会いたがらないも何も、私は、来るなと言ってるつもりなのだけれど。大体あなたは娘が宝物無理やり壊されて泣いてるのに、何トンチンカンなこと言ってるのよ。」
絶句するゼノに私は言い募った。
「ああ。妹と姪っ子の方がかわいいならどうぞ出て行ってくださって結構よ。ここは私の実家の屋敷だし。よく考えればあなたといても私もフランも、フルーラやアナのために我慢ばかりさせられて良いこともないしね。」
「え、それは」
「それに政略結婚の要だった父達の事業も2年前に終わってるから、今さらこの結婚に意味もないでしょうしね。」
「だが…」
「いいじゃない、別に。別れてもあなたも私も金銭的に不自由な環境じゃないし、あなたも住むところはなくなるけど実家に帰るなり、大好きな妹のもとに行くなりしたら」
「え、それは」
フルーラの嫁ぎ先のダノン子爵はいたってまともで、よく私は妻や娘がお世話になってる旨の丁寧なお礼の手紙を貰っていた。だからこそ今日まで少々の愚行は許していたのだ。だが、いい加減なゼノとは折り合いが悪く、ゼノが避けていた。
そしでゼノの両親もまた厳格で、ゼノともフルーラとも折り合いが悪く、かえって私の方を大事にしてくれていたくらいだった。
「いや、だが…」
「絶対だめ!それならお兄様は実家に帰って!」
難色を示しかけたゼノに被せるようにフルーラが反対した。それを見てゼノがなんとも言えない表情をする。
「かわいそうね。大事な妹はあなたが思うほど、お兄ちゃんのことが大切ではないみたいよ。」
おかしそうに言うと、兄妹の顔色がさっと朱色に染まる。
「さあ、私の中では決着がついたし、もうそろそろみんな出てってくれるかしら」
「フラン、父さまと一緒がいいよな」
焦ったゼノはおもねるようにフランに尋ねた。
「いつも、おばさまやアナを優先して、私達のことを見てくれなかった。私は父様なんか大っ嫌い。母様と二人きりの方がずっと楽しい」
涙声で答えたフランに胸が締め付けられる。もっと早くこの決断をしていれば良かった。そう思いながら、私は冷たい声でゼノに告げた。
「わざわざ聞かなくても分かるでしょうに。ね、あなた達なんかいらないのよ。」
完
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