悪役令嬢に転生したら、勇者に師匠扱いされました(;゜∇゜)

第９章、 涙色の戦場

赤き戦慄の暗殺者( ゲームイベント)

セントレガルの神殿の中。
勇者一行は、法王の 野望を阻止するために 悪事の証拠を探すことにした。
その途中で、聖女と英雄との 戦いがあった。

｢ みんなの......幸せそうな笑顔が見たかっただけなのに......｣

聖女の 最後の言葉はやるせない思いがした。
しかし、止まるわけにはいかない。
こんなことが二度と起きないためにも、立ち止まるわけにはいかない。
アンジェリカは涙をふいて、その場を後にした。


法王の 悪事の証拠を見つけ、 彼にその証拠を突きつけることにする。
しかし、法王の 部屋は赤く染まっていた。 何度も切りつけられ原形をとどめていない体。 彼は何者かに殺されていた。
現場に止まり愉快そうに 笑っていた犯人は......。

｢アウェイクさん！？｣

アルファイン 王国の第２王子だった。
アンジェリカはアウェイクに 詰め寄る。

｢ どうして、こんなことをするんですか！？｣
｢ 必要なことだからだ｣
｢ アルファイン王国の 不利益になるものを排除するのがアウェイク兄様の 役割なんだ｣

アンジェリカの質問に、 アルバートが補足して説明した。

｢ 私たちも先ほど敵対する二人を 始末したばかりだ。兄様を 咎めることはできない｣
｢ でもこんなに 切り刻む必要がありますか！？ あまりにも酷すぎます......｣
｢ 感情的になっていたのは事実だ｣

アウェイクは そう言って、 アルバートに剣を向けた。

｢兄様、 何を......？｣
｢ 私にとって、サブリナのいない世界などどうだっていい｣

アウェイクは 殺気を 放ち、 あっという間に アルバートを 地に沈めた。
憎しみの瞳。
アウェイクは 大切なサブリナを失ったことで自暴自棄になっている。
それにしても、彼の実力は何なのだろうか。
勇者を超える一撃。
アウェイクは、 この時最強の力を手にしていたーー。