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第8章、 女神降臨
女神様の歴史講座( アンジェリカ)
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私、 アンジェリカ=フェリーチェは 唖然としていました。
「 どうして、私を置いて行くんですかぁ!?」
女神様が子供のように 泣いています。
[ 女神の加護]が なければ女神様の声は聞こえないはずでしたけど、 何故か私には 彼女の言葉が理解できます。
妖精神の 影響でしょうか。
それとも、 エリスちゃんが何かしでかしたのでしょうか。
...... 考えても仕方がありませんね。
とりあえず、女神様に 泣き止んでもらいましょう。
「 おいて言ったわけじゃないと思いますよ」
「 この状態は置き去り以外のなんでもないじゃないですか!」
「 女神様はきっと、[ コールゴッド]の 効果じゃないと呼び出せないんですよ」
魔力の動きからして、 私の予想は間違っていないと思います。
「 エリスさんは、改めて[コールゴッド]を発動してないじゃないですか!?」
女神様の疑問も一理 ありますね。
エリスちゃんは今すぐ女神様を 召喚する気はないのでしょう。
彼女は意地悪でそんなことをすることはありません。 きっと、何らかの理由があるはずです。
法王様に拝謁した後で、女神様を 呼び出す つもりなのかもしれませんね。
何にしても、 女神様がこの場にいる限り、 私が面倒を見なければならないようです。
「...... とりあえず、アンダー村に行きますか」
道中、 下級モンスターのゴブリンに襲撃されましたが、 フローラ、 パルパナ、ルーシャの 護衛3人が 撃退してくれました。
「 恐ろしい化け物が現れましたよ!?」
ゴブリンごときで 怯える女神様ってどうなんですか。
無事にアンダー村に着いたので、 私にしがみつくのはやめてください。
「 女神様、子供達の前でもそんな情けない姿を見せるんですか?」
「こ、 これはスキンシップです。 子供たちの前では私の神々しい姿を......」
「 どうやら、すでに手遅れのようですね」
子供達は待ちきれなかったのか、 私たちの周りに集まってきました。
「 このお姉ちゃん、泣いてる」
「 大人なのに変なの」
女神様はうつむいて落ち込んでいます。
私は 苦笑しながら 子供達に声をかけました。
「 わざわざ 村の出入り口で待ってくれてたんだね」
「「「うん。 早くお菓子食べたい」」」
にっこり。
子供達は全員で仲良く声を揃えました。
いつも子供たちにお菓子を配ってるんですよね。
「 勉強が 終わってからね」
「「「 はーい!」」」
私達は村長の家に移動します。 小さな村に学校はありません。 村の子供達全員が集まれる場所は他にないみたいなんです。
「 村長さん、おじゃまします」
「 アンジェリカさん、いつもありがとうね」
私と村長さんは軽く挨拶を済ませて、 広間で早速勉強会を始めます。
みんな、ある程度の読み書きはできるようになりました。 簡単な計算も できます。
今日は歴史の勉強でもしましょうか。
私が 本に書いてあることを 聞かせるのもいいですけど、 国語の復習も兼ねて朗読してもらいましょう。
神々が地上で暮らしていた 神話文明時代のことです。
神々の奇跡により 働かなくても 建物が建てられ、 食べ物が生み出されました。
誰もが平等で、 遊んで暮らせる生活。 娯楽だけで、苦労も労働もない 素晴らしい世界でした。
人々の欲望はとどまるところを知りません。
「 もっと便利で、もっと快楽のある 世の中にしてほしい」
自堕落な社会。
神々はやっと、 与えるだけでは人々にならないことに気づきました。 神々は この世を去ってしまいます。
...... 略奪の暗黒時代のことは 省きましょうか。
人々は反省し、 労働に励むことにしました。
人々は 神々に 戻ってくるようにお願いします。 けれど、 神々 は戻ってきませんでした。 神々に頼りきりになれば、再び人々が堕落してしまうからです。
神々が 地上の人々に手を貸すのは、 どうしようもない世界の危機の時だけです。
「...... でも、感謝祭の時だけは神様たちも地上に降り立ち、祭りを楽しんでいるかもしれませんね」
「 はい、よく読めました。 勉強はこの辺にして、おやつにしましょうか」
「「「わーい!」」」
勉強会は終了です。
私は子供たちにおやつのクッキーを配りました。
私は目線を女神様に向けました。
本来は地上に現れないはずの女神様が私の目の前にいます。
魔王の驚異は去ったはずなのに、世界の危機なのでしょうか。
それとも、 何もなくても女神様を呼び出せるエリスちゃんが規格外なのでしょうか。
...... 考えるだけ怖くなるだけですね。
女神様は私に期待の 眼差しを向けてきました。
「 セシルちゃんも、よかったらどうぞ」
女神様の名前はセシリアです。 私は彼女の正体がばれないように愛称で呼ぶことにしました。
「 ありがとうございます」
にっこり。
私がセシルちゃんにクッキーを渡そうとしたちょうどその時。 光に包まれて彼女の姿は消えてしまいました。 おそらくエリスちゃんに召喚されたのでしょう。
セシルちゃんの 涙目の姿が目に浮かぶようでした。
「 どうして、私を置いて行くんですかぁ!?」
女神様が子供のように 泣いています。
[ 女神の加護]が なければ女神様の声は聞こえないはずでしたけど、 何故か私には 彼女の言葉が理解できます。
妖精神の 影響でしょうか。
それとも、 エリスちゃんが何かしでかしたのでしょうか。
...... 考えても仕方がありませんね。
とりあえず、女神様に 泣き止んでもらいましょう。
「 おいて言ったわけじゃないと思いますよ」
「 この状態は置き去り以外のなんでもないじゃないですか!」
「 女神様はきっと、[ コールゴッド]の 効果じゃないと呼び出せないんですよ」
魔力の動きからして、 私の予想は間違っていないと思います。
「 エリスさんは、改めて[コールゴッド]を発動してないじゃないですか!?」
女神様の疑問も一理 ありますね。
エリスちゃんは今すぐ女神様を 召喚する気はないのでしょう。
彼女は意地悪でそんなことをすることはありません。 きっと、何らかの理由があるはずです。
法王様に拝謁した後で、女神様を 呼び出す つもりなのかもしれませんね。
何にしても、 女神様がこの場にいる限り、 私が面倒を見なければならないようです。
「...... とりあえず、アンダー村に行きますか」
道中、 下級モンスターのゴブリンに襲撃されましたが、 フローラ、 パルパナ、ルーシャの 護衛3人が 撃退してくれました。
「 恐ろしい化け物が現れましたよ!?」
ゴブリンごときで 怯える女神様ってどうなんですか。
無事にアンダー村に着いたので、 私にしがみつくのはやめてください。
「 女神様、子供達の前でもそんな情けない姿を見せるんですか?」
「こ、 これはスキンシップです。 子供たちの前では私の神々しい姿を......」
「 どうやら、すでに手遅れのようですね」
子供達は待ちきれなかったのか、 私たちの周りに集まってきました。
「 このお姉ちゃん、泣いてる」
「 大人なのに変なの」
女神様はうつむいて落ち込んでいます。
私は 苦笑しながら 子供達に声をかけました。
「 わざわざ 村の出入り口で待ってくれてたんだね」
「「「うん。 早くお菓子食べたい」」」
にっこり。
子供達は全員で仲良く声を揃えました。
いつも子供たちにお菓子を配ってるんですよね。
「 勉強が 終わってからね」
「「「 はーい!」」」
私達は村長の家に移動します。 小さな村に学校はありません。 村の子供達全員が集まれる場所は他にないみたいなんです。
「 村長さん、おじゃまします」
「 アンジェリカさん、いつもありがとうね」
私と村長さんは軽く挨拶を済ませて、 広間で早速勉強会を始めます。
みんな、ある程度の読み書きはできるようになりました。 簡単な計算も できます。
今日は歴史の勉強でもしましょうか。
私が 本に書いてあることを 聞かせるのもいいですけど、 国語の復習も兼ねて朗読してもらいましょう。
神々が地上で暮らしていた 神話文明時代のことです。
神々の奇跡により 働かなくても 建物が建てられ、 食べ物が生み出されました。
誰もが平等で、 遊んで暮らせる生活。 娯楽だけで、苦労も労働もない 素晴らしい世界でした。
人々の欲望はとどまるところを知りません。
「 もっと便利で、もっと快楽のある 世の中にしてほしい」
自堕落な社会。
神々はやっと、 与えるだけでは人々にならないことに気づきました。 神々は この世を去ってしまいます。
...... 略奪の暗黒時代のことは 省きましょうか。
人々は反省し、 労働に励むことにしました。
人々は 神々に 戻ってくるようにお願いします。 けれど、 神々 は戻ってきませんでした。 神々に頼りきりになれば、再び人々が堕落してしまうからです。
神々が 地上の人々に手を貸すのは、 どうしようもない世界の危機の時だけです。
「...... でも、感謝祭の時だけは神様たちも地上に降り立ち、祭りを楽しんでいるかもしれませんね」
「 はい、よく読めました。 勉強はこの辺にして、おやつにしましょうか」
「「「わーい!」」」
勉強会は終了です。
私は子供たちにおやつのクッキーを配りました。
私は目線を女神様に向けました。
本来は地上に現れないはずの女神様が私の目の前にいます。
魔王の驚異は去ったはずなのに、世界の危機なのでしょうか。
それとも、 何もなくても女神様を呼び出せるエリスちゃんが規格外なのでしょうか。
...... 考えるだけ怖くなるだけですね。
女神様は私に期待の 眼差しを向けてきました。
「 セシルちゃんも、よかったらどうぞ」
女神様の名前はセシリアです。 私は彼女の正体がばれないように愛称で呼ぶことにしました。
「 ありがとうございます」
にっこり。
私がセシルちゃんにクッキーを渡そうとしたちょうどその時。 光に包まれて彼女の姿は消えてしまいました。 おそらくエリスちゃんに召喚されたのでしょう。
セシルちゃんの 涙目の姿が目に浮かぶようでした。
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