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第11章、 私の名前を言ってみて!

 お祭りだぁ(*´∀`)♪

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「 人間の皆さん、助けてくれてありがとう」
「 これで安心して妖精祭に 参加することができるよ」

 妖精が現れて、私たちにお礼を言った。
 そういえば、妖精祭が あったね。
 妖精たちは 謎モンスターに襲われていたから、 妖精の森から離れられなかった。 棲みかを失ってしまったら妖精は消滅してしまうからね。
 謎モンスターに妖精魔法は効かなかったけど、アレクの【 ステータスカンスト】等で 役に立ってくれたよ。
 アンジェリカの【 マインドフュージョン】が なければ、 謎モンスターにとどめを刺せなかったかもしれなかった。
 こっちの方こそありがとうだよ。

「 一緒にお祭りを楽しもうね」
「 たくさんお菓子をもらうぞ!」
「 甘いものいっぱい、嬉しいな」

 私の一言に妖精たちは、 はしゃぎ出した。

「 エリスちゃん・・・・・・ そんな場合じゃないでしょ」
「 それは分かってるけど・・・・・・」

 アンジェリカが 指摘する通り、 私たちは帰る方法を探さないといけない。
 でも煮詰まってばかりじゃ、いい考えが浮かばないよね。
 少しばかり楽しんだ方がいいんだよ。本当だよ?
 
「 他にモンスターがいないとも限らないし、妖精たちを 村まで送ろうよ」

 素晴らしい言い訳だね。 これでアンジェリカも納得するはずだよ。

 ところが、

「 それなら心配いらないよ。私が召喚しなければ、危険なモンスターはもう現れないからね」

 と、アンネが 断言した。
 分かったよ。正直に話せばいいんでしょ。

「 私はお祭りに参加したいんだよ!」
「 エリスちゃんらしいね」

 アンジェリカは、くすりと 微笑む。 つられてみんなで笑いあった。

「 師匠、俺が案内してやるよ」
「アレクに エスコートできるの?」
「 さすがに地元ぐらい案内できるぞ」
「はいはい」
「 本当だからな!」

 私とアレクの会話に、クレアが 口を挟んでくる。

「 アンジェリカの前でイチャイチャするなんて、あなたたち鬼ね」
「 ごめんなさい! そんなつもりじゃなかったの」
「 大丈夫だよ。むしろ、 あっさり仲違いする方が許せないからね」

 私の謝罪を、アンジェリカは受け入れてくれた。
 私は涙が出るほど嬉しいよ。

「 やっぱり、アンジェリカはいい子だね」
「 悪いところもあるからね。 エリスちゃんの理想像の私の 期待に応えられそうにないよ」
「 そんなことないよ」

 誰だって悪い部分はある。 それを認めて 前に進んでいくことが大切なんだよ。
 私、いいこと言った! 最終回っぽくない?
 この調子で、ご都合主義で帰らせてくれないかな。


 ーーまあ、 帰れないよね。

 仕方がない。 こうなったら、とことん祭りを楽しんじゃおう。

「 お姉ちゃん、妖精のお面が売ってるよ!」

 ラファルは 目をキラキラ輝かせている。

「はーっはっはっはー!」

 アウェイクは なぜか高笑いしながら、謎の踊りを踊っていた。
 知り合いだと思われたくないから、少し離れていよう。

「アレク、 素敵なエスコートお願いね」
「 村の祭りで過剰な期待をするなよ」

 私とアレクは、ゆっくりと 村の中を回って言った。
 アンジェリカは お菓子をもらって回っている。 量が足りないと ささやかな悪戯をしているみたいだけど、 なぜか村のみんなは喜んでいた。
 Mなの!?
 いや、妖精巫女の 悪戯はご利益があるという。
 ・・・・・・ 楽しめてるみたいで何よりだよ。

 ん?
 アンネはどこかな。
 クレアの 姿も見えないね。
 きっと、適当に楽しんでるんだろうね。

 さあ、 明日からどうしようかな。
 今まではゲームのシナリオを参考にしていたけど、 今回は全く手がかりがないんだよね。
 今までで一番の大ピンチかもしれないよ!



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