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第5章 聖王都で明かされる真実

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 シェリーの場所に向かうのは簡単です。 彼女は勇者だから、私が【 ホーリーディメンション】を 発動させれば、 あっという間に瞬間移動できますよ。
 その前なお菓子の用意・・・・・・ではなくて、装備品の点検をして、消耗品の補充をしなければいけませんね。
 ポーション類はユメリアが作ってくれますけど、そのためにも材料を購入しなければなりません。他にも使用した矢を買っていました。回復の矢という変わった矢も手に入れたようです。
 ・・・・・・普通の矢でも、 パーティーの仲間からの攻撃はダメージを受けないのですが、 ビジュアル的に積極的に当たりたいとは思いませんよね。
 ユメリアだけでなく、ガルヴァスと クロードも矢を購入していました。

「ガルヴァスさんと クロード君も弓矢を使うのですか?」
「遠距離攻撃手段が限られているからな。攻撃魔法よりも弓矢の方がよほど遠くを狙えるんだぞ」

 弓矢は膂力に依存しますから、ガルヴァスが 使用すれば 距離も威力も段違いなのですよ。ユメリアの立場がありませんね。
 クロードはなぜか 盾を見せてきました。

「この盾は弓としても使用することが可能なんですよ」
「 シールドバッシュと見せかけて、弓矢で不意打ちで攻撃することが可能なのか。 面白いな」
「 ルナマリアさんがナイフで行ったように、 弓矢で魔法を誘発する方法も面白いかもしれませんね」
「 不意打ちを狙うのならば、 ボウガンのように片手で打てるような仕掛けにする方がいいかもしれないぞ」
「いいですね!」

 ガルヴァスと クロードは、すっかり意気投合していました。
 男の人って、 武器を眺めているだけでも楽しめるらしいですよね。 テンションが上がって、1日中でも熱く語れるようです。 女の私には本当に分からない世界ですよ。


 さて、 準備ができたところで行くとしますか。

「【 ホーリーディメンション】!!」

 私たちはまばゆい光に包まれて・・・・・・ その場から1ミリも動くことはありませんでした。
 
 あれ?
 おかしいですね。魔法はちゃんと発動したはずなのですが、どうして シェリーの所に転移することができないのでしょうか。

「失敗か?」
「ルナマリアさん、疲れが取れてないですぅ?」
「そ、そんなことありませんよ。 もう一度やってみますね。【 ホーリーディメンション】!」

 何度試してみても、 シェリーの場所には移動することができませんでした。 これはエリーゼの時のように何らかの対策を立てられているのでしょうか。しかし、そうする理由が判然としません。

「あ。そういえば・・・・・・」

 クロードが何かを思い出して、 そのことを告げました。

「 シェリーちゃんは神聖国家 アレクシスで勇者の選定の儀式を受けると言っていましたよ」
「なるほど。 シェリーがまだ勇者ではないから、【 ホーリーディメンション】で 彼女の場所まで瞬間移動することができなかったのですね」

 シェリーの場所まで行けなかった理由はわかりました。 これからどうしたらいいものでしょうか。 私たちが現在いるのは第一の国 アインラッシュです。馬車を乗り継いで向かったのでは時間が かかりすぎます。
 これは他の勇者・・・・・アシュトンの所に転移するしかなさそうですね。いえ、 彼とはなんとなく気まずいので、比較的に話しやすくなったエイミアの部屋を訪れることにしましょう。【神の眼】で 彼女が一人きりになったところで、私の【 ホーリーディメンション】を 発動させて、 みんなで押しかけることにします。


 今度はうまくいきました。エイミアの部屋に転移することができました。

「ルナマリア!? それに、知らない人もいるし!? なんなのよ一体!!」

 エイミアは、 私たちの突然の訪問に腹を立てているようです。 冒険者カードで事前に訪問することを知らせるべきでした。私は色々と焦りすぎですね。

「第五の国 アレクシスに向かうために、エイミアのことを 利用しました。 ごめんなさい」
「・・・・・・ルナマリアは真面目そうに見えて、実はお茶目ちゃんよね」
「そ、そんなことはありませんよ。本当ですよ?」

 私がごまかすように乾いた笑みを浮かべると、エイミアは軽く溜め息をついた後に許してくれたようで、話題を変えました。

「せっかくこの国に寄ったのなら、 フレアリーゼ様にも 挨拶して行きなさいよ。でないと後で あの人に折檻されてしまうわよ?」
「それもそうですね」

 リゼには挨拶しなければいけませんね。私は新しい仲間の紹介も兼ねて、 フレアリーゼ王国の王宮に向かうことにしました。


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