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第2章 エルフの国のお姫様が 誘拐されたので、 解決することにしました
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私は拘留場に行き、ラディと面会することにしました。 ストリングボウについて 質問するためです。
アルフレッドが言うには、 黒髪の勇者を復活させるために 七勇者とその仲間が所持していたアーティファクトを 破壊するのが エリーゼの目的らしいけど、 具体的にどのような効果があるのか知っておきたいと思ったのです。
「ラディ、 これの効果を聞かせてください」
「 人間ちゃんはどうしてそんなことを知りたいのさ?」
「 実はエリーゼが 七勇者に関するアーティファクトを破壊しようとしているのです。 だからアーティファクトがどのようなものか調べて、 対策を立てようと思っているのです」
「 そういう事なら聞かせてあげるのさ」
ストリングボウは弦楽器としても使える弓矢です。他の【旋律】の効果を無効化して、【旋律】を奏でることが可能となります。 勇者に関わりのある者の【 女神の加護】を 無効化することが出来ます。 九つのアーティファクト全てを 集めれば、 極悪非道の勇者を封印することも可能になります。
・・・・・・ 勇者の扱いが完全に魔王のようですね。
「 逆にアーティファクトを壊せば、 封印された勇者が復活してしまうということですか?」
「多分、 そうなるのさ」
七勇者が 封印したのは カンストのはずですよね。
黒髪はこの世界では珍しくて、 カンスト は異なる世界からやってきたという話で・・・・・・。
あれ? 私はどうしてそんなことを知っているのでしょうか。
ラディの 真実の歌の時もそうでした。
私は神殿で選ばれた普通の聖女のはずです。なのに、 何かを知っているような感覚に襲われます。 けれど、靄ががかかっているようで完全には思い出せなくて、 どうすればいいのか自分でも分からなくなります。
七勇者の 仲間の子孫であるラディなら、 伝承として親から 聞いているかもしれません。
「 真実の歌ーー プロヴィデンス 王国について聞かせてください」
「わかったのさ」
ラディは、 私の頼みを聞いてアカペラで歌ってくれました。
今から1000年前に、黒髪の少年が 異世界からこの世界に召喚されました。 黒髪の少年は 見た目こそ 弱そうでしたが、実際は 最強の力を 持っていて、 人々を魔物から救い、 やがて勇者と呼ばれるようになりました。
ところが、聖女 ルナマリアと名乗る 一人の少女が、 黒髪の少年ーーカンストは 悪い魔法使いにそそのかされて、 プロヴィデンス王国を滅ぼすと予言しました。
・・・・・・って、 ちょっと待ってください!
1000年前の聖女の名前が私と同じなのですが!?
いえ、 偶然ですよね。 話を続けることにしましょう。
人々はルナマリアの話を信じずに、 プロヴィデンス王国は滅びてしまいました。
ルナマリアは、 人々にさらに予言を残しました。
「七勇者の力によって、 カンストは封印されることでしょう」
ルナマリアが指名した7人の冒険者が七勇者となり、 仲間と共にカンストと戦い、 封印することに成功しました。
戦いが終わった後 、ルナマリアと七勇者は 1000年後に希望を託し、 ルナマリアの奇跡を発動させました。 それは1000年後に生まれてくる、 彼女のための奇跡ですーー。
これではまるで、 私が1000年前のルナマリアの生まれ変わりのようではないですか!?
絶対に違いますよ! 本当ですよ!
私は私です。 名前が同じだとしても、 1000年前のルナマリアは 私とは別人なのです。
「この ストリングボウにはオイラしか 触れることができないはずだけど、 あっさりと奪うことができいるなんて、 人間ちゃんはまるでルナマリアみたいなのさ」
「ははっ」
私は笑ってごまかしました。七勇者と その仲間のアーティファクトは 所有者本人専用のようで、他のものが触れることはできないようです。 例外は1000年前のルナマリアだけのようですね。
・・・・・・私は 本当に生まれ変わりなのでしょうか。
考えても仕方がありませんね。 なんにしても、エリーゼを止めれば解決することです。
カンストは封印が完全に解けていなくてダンジョンから動けないとしたら、 エリーゼは指示を仰ぐためにその ダンジョンに向かったのかもしれません。
あるいは両親の お墓参りに向かう可能性もなくはないですね。
「 人間ちゃんにお願いがあるのさ」
ラディは、 私に何をお願いするつもりなのでしょうか。
「 アーティファクトは返しませんよ?」
「 それは人間ちゃんの役に立つと思うから貸しておくのさ」
「 だったら、何ですか?」
「 エリーゼから追放されたもうひとりの仲間・・・・・・ ユメリアを 人間ちゃんの仲間にしてほしいのさ」
女の子の仲間は欲しいところですけど、 さすがにどう言った人物なのか分からないと 返事はできないですよ。
「 その人の特徴を教えてください」
「 エルフのレンジャーで武器は弓なのさ。 戦力としては微妙だけど、 悪い子ではないのさ」
ガルヴァスの 了承が必要ですけど、 私としては試しに仲間に入れてみるのは悪くないと思います。
「 分かりました。仲間に相談してみますね」
「ありがとう、 人間ちゃん」
エリーゼは絶対に止めてみせます!
でも、私一人だけでどうにかできるとは思っていません。七勇者の末裔の各国の 王族にも連絡して、 アーティファクトを守るように進言した方がいいでしょう。それは アクアリーフの国王陛下やリゼに 任せることにしました。
私はエリーゼを追うことだけに専念することにします。
アルフレッドが言うには、 黒髪の勇者を復活させるために 七勇者とその仲間が所持していたアーティファクトを 破壊するのが エリーゼの目的らしいけど、 具体的にどのような効果があるのか知っておきたいと思ったのです。
「ラディ、 これの効果を聞かせてください」
「 人間ちゃんはどうしてそんなことを知りたいのさ?」
「 実はエリーゼが 七勇者に関するアーティファクトを破壊しようとしているのです。 だからアーティファクトがどのようなものか調べて、 対策を立てようと思っているのです」
「 そういう事なら聞かせてあげるのさ」
ストリングボウは弦楽器としても使える弓矢です。他の【旋律】の効果を無効化して、【旋律】を奏でることが可能となります。 勇者に関わりのある者の【 女神の加護】を 無効化することが出来ます。 九つのアーティファクト全てを 集めれば、 極悪非道の勇者を封印することも可能になります。
・・・・・・ 勇者の扱いが完全に魔王のようですね。
「 逆にアーティファクトを壊せば、 封印された勇者が復活してしまうということですか?」
「多分、 そうなるのさ」
七勇者が 封印したのは カンストのはずですよね。
黒髪はこの世界では珍しくて、 カンスト は異なる世界からやってきたという話で・・・・・・。
あれ? 私はどうしてそんなことを知っているのでしょうか。
ラディの 真実の歌の時もそうでした。
私は神殿で選ばれた普通の聖女のはずです。なのに、 何かを知っているような感覚に襲われます。 けれど、靄ががかかっているようで完全には思い出せなくて、 どうすればいいのか自分でも分からなくなります。
七勇者の 仲間の子孫であるラディなら、 伝承として親から 聞いているかもしれません。
「 真実の歌ーー プロヴィデンス 王国について聞かせてください」
「わかったのさ」
ラディは、 私の頼みを聞いてアカペラで歌ってくれました。
今から1000年前に、黒髪の少年が 異世界からこの世界に召喚されました。 黒髪の少年は 見た目こそ 弱そうでしたが、実際は 最強の力を 持っていて、 人々を魔物から救い、 やがて勇者と呼ばれるようになりました。
ところが、聖女 ルナマリアと名乗る 一人の少女が、 黒髪の少年ーーカンストは 悪い魔法使いにそそのかされて、 プロヴィデンス王国を滅ぼすと予言しました。
・・・・・・って、 ちょっと待ってください!
1000年前の聖女の名前が私と同じなのですが!?
いえ、 偶然ですよね。 話を続けることにしましょう。
人々はルナマリアの話を信じずに、 プロヴィデンス王国は滅びてしまいました。
ルナマリアは、 人々にさらに予言を残しました。
「七勇者の力によって、 カンストは封印されることでしょう」
ルナマリアが指名した7人の冒険者が七勇者となり、 仲間と共にカンストと戦い、 封印することに成功しました。
戦いが終わった後 、ルナマリアと七勇者は 1000年後に希望を託し、 ルナマリアの奇跡を発動させました。 それは1000年後に生まれてくる、 彼女のための奇跡ですーー。
これではまるで、 私が1000年前のルナマリアの生まれ変わりのようではないですか!?
絶対に違いますよ! 本当ですよ!
私は私です。 名前が同じだとしても、 1000年前のルナマリアは 私とは別人なのです。
「この ストリングボウにはオイラしか 触れることができないはずだけど、 あっさりと奪うことができいるなんて、 人間ちゃんはまるでルナマリアみたいなのさ」
「ははっ」
私は笑ってごまかしました。七勇者と その仲間のアーティファクトは 所有者本人専用のようで、他のものが触れることはできないようです。 例外は1000年前のルナマリアだけのようですね。
・・・・・・私は 本当に生まれ変わりなのでしょうか。
考えても仕方がありませんね。 なんにしても、エリーゼを止めれば解決することです。
カンストは封印が完全に解けていなくてダンジョンから動けないとしたら、 エリーゼは指示を仰ぐためにその ダンジョンに向かったのかもしれません。
あるいは両親の お墓参りに向かう可能性もなくはないですね。
「 人間ちゃんにお願いがあるのさ」
ラディは、 私に何をお願いするつもりなのでしょうか。
「 アーティファクトは返しませんよ?」
「 それは人間ちゃんの役に立つと思うから貸しておくのさ」
「 だったら、何ですか?」
「 エリーゼから追放されたもうひとりの仲間・・・・・・ ユメリアを 人間ちゃんの仲間にしてほしいのさ」
女の子の仲間は欲しいところですけど、 さすがにどう言った人物なのか分からないと 返事はできないですよ。
「 その人の特徴を教えてください」
「 エルフのレンジャーで武器は弓なのさ。 戦力としては微妙だけど、 悪い子ではないのさ」
ガルヴァスの 了承が必要ですけど、 私としては試しに仲間に入れてみるのは悪くないと思います。
「 分かりました。仲間に相談してみますね」
「ありがとう、 人間ちゃん」
エリーゼは絶対に止めてみせます!
でも、私一人だけでどうにかできるとは思っていません。七勇者の末裔の各国の 王族にも連絡して、 アーティファクトを守るように進言した方がいいでしょう。それは アクアリーフの国王陛下やリゼに 任せることにしました。
私はエリーゼを追うことだけに専念することにします。
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