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第1章 勇者を裁くだけの簡単なお仕事を始めました
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やはり、魔族が一枚噛んでいましたか。
ギルティオード公爵を 唆したのか、 それとも 彼の計画を利用したのかは わかりません。
ミノタウルスのような魔族が魔物たちを追い立てていたようです。
いつもなら薬で症状を抑えられたガルヴァスが暴走していました。 私も強烈な匂いを嗅ぎとっていました。つまり、 マチルダの【魅了】スキルは意図的に 暴走させられたのではないでしょうか。
魔族の気配は【神の眼】で 感知していました。 スタンピードを食い止めるためには倒さなければいけない相手です。
「 大物の登場か。面白くなってきたな」
アシュトンが子供のように わくわくしているようですけど、 全然楽しめる状況ではありませんよ。
ほら、 ミノタウロスが 私の方に狙いを定めているじゃないですか。 回復役の後衛から潰そうとするなんて意外と頭がいいですね。
「ひっ!? ルナマリア、どうするのよ!?」
エイミアは 慌てふためいています。 無駄口叩いている暇があったら攻撃魔法でも繰り出せばいいのに、 彼女は精神的に脆いですね。
人のことは言えませんけどね。 以前の私だったら足がすくんでいました。
今でも怖いです。
魔王に頭を撫でてもらいたがるミノタウロス。
いえ、 滑稽で恐ろしさの欠片もありませんね。
大丈夫。私はやればできる子です。
自分で言うなという感じですけど、 自分を奮い立たせるためには仕方がないじゃないですか。
私は深呼吸をして、ヘビーメイスを構えました。
私が倒す必要はないんです。
性格はあれでも戦闘力だけは信じていますから、 勇者として活躍してくださいね。 アシュトン。
「【 パーフェクトプロテクション】【 リミットブレイク】【 ホーリークラッシュ】!!!」
防御魔法をシールドバッシュの要領でミノタウロスに叩きつけます。 私は力負けしてすぐに地面に叩きつけられました。
「 ルナマリア!?」
エイミア、 私のために泣いている暇はありませんよ。 ミノタウロスを倒すために動いてください。
「 私はいいから、ミノタウロスに拘束魔法を!」
「っ! 分かったわ。【 パラライズバインド】!!」
ミノタウロスは、エイミアに 拘束魔法をかけられたはずなのにゆっくりと動き出します。
「 魔王様のために頑張るっす!」
「このっ!!」
ミノタウロスのヘビーアックスの一撃を、ガルヴァスが 間一髪のところでガードしてくれました。
「 計画を立ててくれたジェラー・・・・・・グハッス!?」
「「【 ホーリースラッシュ】!!」」
アシュトンとシルフィーユの 聖なる光の剣が、 ミノタウロスの背中を切り裂きました。
ダメージを受けた時の叫び声まで、その語尾 なんですか。 魔族の掟か何かなんですか・・・・・・。
精神衛生的に気にしないことにしましょう。 そうしましょう。
さすが アシュトン は勇者のことだけはありますね。 魔族相手にも 圧倒的力を誇っていますよ。
・・・・・・ ペース配分を間違えると、エレファントデビルの時のように 倒れてしまうんですけどね。
「 寄ってたかってひどいっす! やっぱり人間は、血も涙もないようなカンストのような奴らばかりっす!」
ミノタウロスは聞き捨てならないことを のたまっていますね。折檻が必要でしょうか。
いえ、 私は撲殺聖女ではありませんよ。 本当ですよ?
ミノタウルスの方から襲いかかってきたんじゃないですか。 被害者面しないでくださいよ。
・・・・・・ 集団リンチのようではありますけどね。
そういえば、魔王との決戦も集団リンチ・・・・・・。
いえ、 精神衛生上考えないことにしましょう。
「 とどめだ!!」
アシュトンは聞く耳を持たずに聖剣を振りかぶりました。
その時。
「【 セイクリッドシールド】」
ジェラートがこの場に現れて、 アシュトン の攻撃を無効化しました。
ジェラートは神聖魔法が使えたのですね。 魔族であるミノタウロスの味方をしているということは、邪教 信仰ということでしょうか。 彼自身が魔族なのか、 裏切り者の人間という可能性もあります。 フードで正体を隠す必要があるから、おそらく前者なのでしょう。
果たして、ジェラートは何者なのでしょうか。 彼は私に世間話をするように 挨拶をしてきました。
「 聖女さん、またお会いしました」
「 ジェラートさん、あなたの目的は何なのですか?」
「 母上の手伝いをしていました」
「 お母さんのお手伝いですか・・・・・・?」
「 必要なことでした」
具体的に説明してくれないと要領を得ませんよ。
なんにしても、魔族の味方をしていることは間違いありません。
アシュトンはジェラートに切りかかりました。
「【 クロスラッシュ】【 リープスラッシュ】!!」
アシュトンは2連撃により ジェラートの 回避場所を誘導して、 遠距離攻撃魔法を放ちます。
しかし、 ジェラートは無傷でした。
「 話の邪魔だから、 おとなしくしてもらうことにしました」
ジェラートはアシュトンの後ろに回り込んで、手刀を 首元に当てました。 アシュトンは一撃で 地に沈んでしまいます。
シルフィーユは逆上して、 ジェラートに向かって剣を振り回します。
「 良くも アシュトンを! 許さないぞ!!」
「 できることなら女性に手をあげたくないのですが、やむを得ないと思いました」
再びジェラートの手刀の 一撃が放たれて、 シルフィーユは意識を手放します。
ガルヴァスは 額に汗を滲ませながら、 私をかばうように ジェラートの前に 立ちはだかりました。
「 俺が時間を稼ぐから、その間に逃げろ」
この実力差ではとても逃げ切れるとは思えません。【 ホーリーディメンション】で マチルダたちのところに 逃亡しても、 ジェラートはすぐに【テレポート】で追ってくることでしょう。
「いえ、 話し合いに応じましょう」
「 僕の正体 を知った後でも、 話に付き合ってくれるのは嬉しいと思いました」
ジェラートは、紳士的な態度で話が通じます。 とても悪い魔族だとは思えませんよ。
「 それで、話というのは?」
「 僕は聖女さんとの話を母上に伝えて、 魔族をこの場から退く許可を頂きました」
「 スタンピードを起こして、 人族に痛手を負わせるつもりじゃなかったのですか?」
「 僕はまだまだ 人間を 様子見した方が良いと思っていました。 聖女さんと話した後は、特に 人間を見捨てるのは忍びないと思いました」
冒険者の宿屋でのやり取りのことを言っているんですよね。 日常会話レベルのような大したことがない質問に答えたことが、 実は重要な分岐点だったということですか。
「では、 僕はこれで失礼することにしました」
「 待ってください!」
私はジェラートを呼び止めます。
「 責任を取ってください」
「? スタンピードは人間側から 引き起こされたことでもあるから、 これ以上僕たちが干渉することはないと思いました」
責任を放棄するつもりですか。許せませんね。
「 罪のない女の子が巻き込まれて 泣いているのですよ。 魔族とか関係なく、助けるのに協力してくれてもいいじゃないですか!」
私が人差し指を突きつけると、 ジェラートは何故か大笑いしました。
「あはは! こんなに愉快な思いをしたのは初めてでした。 僕は聖女さんに協力することにしました」
「 ジェラートさん、ありがとうございます」
「いやいや!? 何で魔族と普通に仲良くしてるのよ!?」
「 ルナマリアは規格外だからな」
エイミア、 何をそんなに喚いているのですか。ガルヴァスも 苦笑している 暇はありませんよ。
さあ、 みんなでフランベルジュ公爵一家を助けに行きましょう。
ギルティオード公爵を 唆したのか、 それとも 彼の計画を利用したのかは わかりません。
ミノタウルスのような魔族が魔物たちを追い立てていたようです。
いつもなら薬で症状を抑えられたガルヴァスが暴走していました。 私も強烈な匂いを嗅ぎとっていました。つまり、 マチルダの【魅了】スキルは意図的に 暴走させられたのではないでしょうか。
魔族の気配は【神の眼】で 感知していました。 スタンピードを食い止めるためには倒さなければいけない相手です。
「 大物の登場か。面白くなってきたな」
アシュトンが子供のように わくわくしているようですけど、 全然楽しめる状況ではありませんよ。
ほら、 ミノタウロスが 私の方に狙いを定めているじゃないですか。 回復役の後衛から潰そうとするなんて意外と頭がいいですね。
「ひっ!? ルナマリア、どうするのよ!?」
エイミアは 慌てふためいています。 無駄口叩いている暇があったら攻撃魔法でも繰り出せばいいのに、 彼女は精神的に脆いですね。
人のことは言えませんけどね。 以前の私だったら足がすくんでいました。
今でも怖いです。
魔王に頭を撫でてもらいたがるミノタウロス。
いえ、 滑稽で恐ろしさの欠片もありませんね。
大丈夫。私はやればできる子です。
自分で言うなという感じですけど、 自分を奮い立たせるためには仕方がないじゃないですか。
私は深呼吸をして、ヘビーメイスを構えました。
私が倒す必要はないんです。
性格はあれでも戦闘力だけは信じていますから、 勇者として活躍してくださいね。 アシュトン。
「【 パーフェクトプロテクション】【 リミットブレイク】【 ホーリークラッシュ】!!!」
防御魔法をシールドバッシュの要領でミノタウロスに叩きつけます。 私は力負けしてすぐに地面に叩きつけられました。
「 ルナマリア!?」
エイミア、 私のために泣いている暇はありませんよ。 ミノタウロスを倒すために動いてください。
「 私はいいから、ミノタウロスに拘束魔法を!」
「っ! 分かったわ。【 パラライズバインド】!!」
ミノタウロスは、エイミアに 拘束魔法をかけられたはずなのにゆっくりと動き出します。
「 魔王様のために頑張るっす!」
「このっ!!」
ミノタウロスのヘビーアックスの一撃を、ガルヴァスが 間一髪のところでガードしてくれました。
「 計画を立ててくれたジェラー・・・・・・グハッス!?」
「「【 ホーリースラッシュ】!!」」
アシュトンとシルフィーユの 聖なる光の剣が、 ミノタウロスの背中を切り裂きました。
ダメージを受けた時の叫び声まで、その語尾 なんですか。 魔族の掟か何かなんですか・・・・・・。
精神衛生的に気にしないことにしましょう。 そうしましょう。
さすが アシュトン は勇者のことだけはありますね。 魔族相手にも 圧倒的力を誇っていますよ。
・・・・・・ ペース配分を間違えると、エレファントデビルの時のように 倒れてしまうんですけどね。
「 寄ってたかってひどいっす! やっぱり人間は、血も涙もないようなカンストのような奴らばかりっす!」
ミノタウロスは聞き捨てならないことを のたまっていますね。折檻が必要でしょうか。
いえ、 私は撲殺聖女ではありませんよ。 本当ですよ?
ミノタウルスの方から襲いかかってきたんじゃないですか。 被害者面しないでくださいよ。
・・・・・・ 集団リンチのようではありますけどね。
そういえば、魔王との決戦も集団リンチ・・・・・・。
いえ、 精神衛生上考えないことにしましょう。
「 とどめだ!!」
アシュトンは聞く耳を持たずに聖剣を振りかぶりました。
その時。
「【 セイクリッドシールド】」
ジェラートがこの場に現れて、 アシュトン の攻撃を無効化しました。
ジェラートは神聖魔法が使えたのですね。 魔族であるミノタウロスの味方をしているということは、邪教 信仰ということでしょうか。 彼自身が魔族なのか、 裏切り者の人間という可能性もあります。 フードで正体を隠す必要があるから、おそらく前者なのでしょう。
果たして、ジェラートは何者なのでしょうか。 彼は私に世間話をするように 挨拶をしてきました。
「 聖女さん、またお会いしました」
「 ジェラートさん、あなたの目的は何なのですか?」
「 母上の手伝いをしていました」
「 お母さんのお手伝いですか・・・・・・?」
「 必要なことでした」
具体的に説明してくれないと要領を得ませんよ。
なんにしても、魔族の味方をしていることは間違いありません。
アシュトンはジェラートに切りかかりました。
「【 クロスラッシュ】【 リープスラッシュ】!!」
アシュトンは2連撃により ジェラートの 回避場所を誘導して、 遠距離攻撃魔法を放ちます。
しかし、 ジェラートは無傷でした。
「 話の邪魔だから、 おとなしくしてもらうことにしました」
ジェラートはアシュトンの後ろに回り込んで、手刀を 首元に当てました。 アシュトンは一撃で 地に沈んでしまいます。
シルフィーユは逆上して、 ジェラートに向かって剣を振り回します。
「 良くも アシュトンを! 許さないぞ!!」
「 できることなら女性に手をあげたくないのですが、やむを得ないと思いました」
再びジェラートの手刀の 一撃が放たれて、 シルフィーユは意識を手放します。
ガルヴァスは 額に汗を滲ませながら、 私をかばうように ジェラートの前に 立ちはだかりました。
「 俺が時間を稼ぐから、その間に逃げろ」
この実力差ではとても逃げ切れるとは思えません。【 ホーリーディメンション】で マチルダたちのところに 逃亡しても、 ジェラートはすぐに【テレポート】で追ってくることでしょう。
「いえ、 話し合いに応じましょう」
「 僕の正体 を知った後でも、 話に付き合ってくれるのは嬉しいと思いました」
ジェラートは、紳士的な態度で話が通じます。 とても悪い魔族だとは思えませんよ。
「 それで、話というのは?」
「 僕は聖女さんとの話を母上に伝えて、 魔族をこの場から退く許可を頂きました」
「 スタンピードを起こして、 人族に痛手を負わせるつもりじゃなかったのですか?」
「 僕はまだまだ 人間を 様子見した方が良いと思っていました。 聖女さんと話した後は、特に 人間を見捨てるのは忍びないと思いました」
冒険者の宿屋でのやり取りのことを言っているんですよね。 日常会話レベルのような大したことがない質問に答えたことが、 実は重要な分岐点だったということですか。
「では、 僕はこれで失礼することにしました」
「 待ってください!」
私はジェラートを呼び止めます。
「 責任を取ってください」
「? スタンピードは人間側から 引き起こされたことでもあるから、 これ以上僕たちが干渉することはないと思いました」
責任を放棄するつもりですか。許せませんね。
「 罪のない女の子が巻き込まれて 泣いているのですよ。 魔族とか関係なく、助けるのに協力してくれてもいいじゃないですか!」
私が人差し指を突きつけると、 ジェラートは何故か大笑いしました。
「あはは! こんなに愉快な思いをしたのは初めてでした。 僕は聖女さんに協力することにしました」
「 ジェラートさん、ありがとうございます」
「いやいや!? 何で魔族と普通に仲良くしてるのよ!?」
「 ルナマリアは規格外だからな」
エイミア、 何をそんなに喚いているのですか。ガルヴァスも 苦笑している 暇はありませんよ。
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