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第五章 復活のはじまり
第五十七話 モゴシュの屋敷に行きたいんです
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ブカレストに戻るバサラブとその軍隊。
長い一日で、かなりの負傷者を出し、皆が疲れ切っていた。
バサラブもあんな大変な目にあうとは全く思っていなかった事もあり、馬車の中でウトウトと船を漕いでいた。
そこにオクタヴィアンが現れた。
「バサラブ様。ちょっといいですか?」
このいきなりの吸血鬼の訪問に、その馬車の中にいた他のトルコ兵士などが驚きまくって剣を抜き、臨戦体制に入った。
「ちょ、ちょっと待ってっ! ちょっと待って! 戦う気なんかないって! 剣を収めてっっ」
オクタヴィアンは必死に手をあげて戦う気はないアピールをした。
そこでようやくウトウトしていたバサラブが目を覚ました。
「? え? あれ? オロロックちゃん? なんで?」
バサラブは、警戒しまくっているトルコ兵達に大丈夫だと伝えると、寝ぼけまなこでオクタヴィアンに何で来たのか聞いた。
「ちょっとブカレストに用事がありましてっっ。モゴシュ邸に行きたいんですけど……バサラブ様はどこで寝泊まりされてました? できたらモゴシュ邸の人と掛け合ってボクを入れてほしいんですよ」
「え? そりゃいいよ。だってオレ様ちゃんそこに滞在してたからさあ~。そんじゃモゴシュ夫人に話を通すよ。でも何で?」
「あ、実はそこの使用人がローラ……ラドゥの妻……と仲が良かったって話を聞いて、彼女も死んでしまいましたし、それにモゴシュ夫人はボクの義理の母にあたる人で……」
「な~んだかややこしいんだねえ。まあ、道中ゆっくり話を聞こうか」
「いや、今すぐ行きましょう」
オクタヴィアンはそう言うと、バサラブを担いで馬車から飛び出した。
当然トルコ兵達は大慌てである。
それにバサラブも飛行には悪い印象しかないから、当然抵抗した。
「お、下ろしてくれっっ! もうあんなのはごめんだってっっ! オロロックちゃんっっ! お願い~~~っっ!」
「バサラブ様、今回はあんな飛び方しないですよっっ。でも先を急いでいるんで、お願いしますっっ。 ボクには夜しかありませんしっっ」
「ええ~~~~っっ」
バサラブはかなり仕方なく承諾すると、下で騒いでいるトルコ兵達に説明をした。
こうしてオクタヴィアンはバサラブを抱き上げると、ゆっくりと空へ舞い上がった。
「それじゃあバサラブ様が酔わない程度の速さで行きますね」
「はあ~。分かったよ。行ってくれっっ」
長い一日で、かなりの負傷者を出し、皆が疲れ切っていた。
バサラブもあんな大変な目にあうとは全く思っていなかった事もあり、馬車の中でウトウトと船を漕いでいた。
そこにオクタヴィアンが現れた。
「バサラブ様。ちょっといいですか?」
このいきなりの吸血鬼の訪問に、その馬車の中にいた他のトルコ兵士などが驚きまくって剣を抜き、臨戦体制に入った。
「ちょ、ちょっと待ってっ! ちょっと待って! 戦う気なんかないって! 剣を収めてっっ」
オクタヴィアンは必死に手をあげて戦う気はないアピールをした。
そこでようやくウトウトしていたバサラブが目を覚ました。
「? え? あれ? オロロックちゃん? なんで?」
バサラブは、警戒しまくっているトルコ兵達に大丈夫だと伝えると、寝ぼけまなこでオクタヴィアンに何で来たのか聞いた。
「ちょっとブカレストに用事がありましてっっ。モゴシュ邸に行きたいんですけど……バサラブ様はどこで寝泊まりされてました? できたらモゴシュ邸の人と掛け合ってボクを入れてほしいんですよ」
「え? そりゃいいよ。だってオレ様ちゃんそこに滞在してたからさあ~。そんじゃモゴシュ夫人に話を通すよ。でも何で?」
「あ、実はそこの使用人がローラ……ラドゥの妻……と仲が良かったって話を聞いて、彼女も死んでしまいましたし、それにモゴシュ夫人はボクの義理の母にあたる人で……」
「な~んだかややこしいんだねえ。まあ、道中ゆっくり話を聞こうか」
「いや、今すぐ行きましょう」
オクタヴィアンはそう言うと、バサラブを担いで馬車から飛び出した。
当然トルコ兵達は大慌てである。
それにバサラブも飛行には悪い印象しかないから、当然抵抗した。
「お、下ろしてくれっっ! もうあんなのはごめんだってっっ! オロロックちゃんっっ! お願い~~~っっ!」
「バサラブ様、今回はあんな飛び方しないですよっっ。でも先を急いでいるんで、お願いしますっっ。 ボクには夜しかありませんしっっ」
「ええ~~~~っっ」
バサラブはかなり仕方なく承諾すると、下で騒いでいるトルコ兵達に説明をした。
こうしてオクタヴィアンはバサラブを抱き上げると、ゆっくりと空へ舞い上がった。
「それじゃあバサラブ様が酔わない程度の速さで行きますね」
「はあ~。分かったよ。行ってくれっっ」
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