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平成30年1月13日 坂本かえで
真実
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モール温泉に浸かりながら、かえでは札幌駅でのことを思い出した。
そう言えば、指定席の返金を行って、みどりの窓口を出るときに若い夫婦とすれ違った。
・・・あの夫婦、『霧島』さんかな?
帯広まで行くって行ってたのに、何でみどりの窓口にいたんだろう。
「かえでさ、このホテルの晩御飯、すごく美味しいらしいよ!とくにビーフシチュー!」
「ビーフシチュー?もう長いこと食べてないよ、楽しみ!絶対自分じゃ作らないからね!」
「確かに!かえでは特にね!」
「それどういう意味?ハハハ!」
晩ご飯はバイキング形式だった。色とりどりの料理が並んでいる。狙っていたビーフシチューもあった。
帯広といえば、事前に調べた情報だと長芋が有名だったはずである。特に、帯広の南側にある『川西』という地名の場所で取れる長芋は、抜群に美味しいと書いてあった。かえでは、何かしら長芋に関連した料理がないか確認した。
・・・あった!長芋のフリットが用意されている。満面の笑みを浮かべながら、かえではトングで摘み、お皿へ運んだ。
席に戻ると、すでに陽子が座っていた。
「ねえ!ビール飲もうよ!」
「いいね!私、絶賛2日酔いで気持ち悪いからビール飲んで誤魔化すかなー」
「出た!かえでお得意の向かい酒!」
かえでは店員に向かって挙手した。
「生ビール2つ!」
すると店員が、ゆっくりとこちらに近づいてきた。
「クラシックと黒ラベルのどちらにしますか?」
「クラシックで!」
「かしこまりました」
北海道限定品である札幌クラシックは、通常の黒ラベルと違って苦味が深く、飲みごたえがある。北海道に生まれて本当に良かった。かえではしみじみと幸せを感じていた。
夜8時、そろそろ電話が来る。彼には色々と質問したい。かえでは部屋からでて、ホテルのロビーにある木の椅子に座った。ちなみに、左手には缶ビールが握られている。
・・・プルプルプル
来た。
「はい、坂本です」
「あ!かえでさん、夜遅くにすいませんねー」
どうやら、南野もお酒がまわっているようだ。すこし上機嫌に聞こえる。
「早速だけど、話って何?」
「・・・言い辛いんですけど、僕、ひかりさんと付き合っていないんです」
「・・・はい?」
かえでは何がなんだかよくわからなかった。付き合っていないなら、2人はどういった関係なのか。全く持って意味がわからない。
そもそも、ひかりには彼氏がいる。それは本人からも聞いている。
・・・じゃあ彼は何者?
「要はですね、デートはしたことあるのですが、正式に付き合っているわけではないんです・・まだ告白してなくて」
「あれ、そうなの?でもひかりは彼氏いるって言ってたよ?」
「え!そうなんですか?じゃあ僕は遊ばれていたってことですか?」
「それか、ひかりがあなたのこと、勝手に彼氏だと思っているかね」
「え!そんなラッキーもあるんですか?」
「後でひかりに聞いてみるよー」
「え!緊張します!でも、よろしくお願いします!」
同じリアクションが3回続いた気がする。随分とリアクションが大きい男である。
とりあえず、後でひかりにきいてみよう。
・・・さあ、ここからはこちらの質問タイムだ。
「健介くんは、なんの仕事してるの?」
「あー、言わなきゃ駄目ですよね」
「そ!言わなきゃ駄目!」
かえでは酔いが回っている。顔が火照ってきている。あまり呂律がまわっていない。
「僕ね、札幌でホストやっているんです」
「やっぱり!絶対夜の仕事だと思ったよ!同じもの同士、ニオイしたもん!」
「ばれてしまいましたか・・・ひかりさん、たまにうちの店来てくれてて、本気で可愛くて惚れちゃったんです」
「でしょー!でもね、ひかりの彼氏はあなたじゃないからね!知らんけど」
「・・・わかりました。返答待ちます」
「期待しないでね!」
・・・長電話が終わり、部屋に戻った。
さて、ひかりに電話するか。
かえでは、酔っぱらいながらも約束を忘れずひかりへ電話した。
プルプルプル・・・
「もしもし、お母さんどうしたの?」
ひかりは、突然の電話にすこし驚いているようだ。
「あのさー、彼氏の名前ってなんていうの?」
かえでは単刀直入に質問した。
「いきなり過ぎない?・・いや、いるとは言ったけどまだ告白されてないし・・・」
これはもしかすると『健介くんでは?』
かえでは先手を打とうと考えた。
「その人、健介君でしょ!」
「なんで知ってるの?!誰にも話したことないよ!!」ひかりの声が大きすぎて、かえでは受話器から耳を遠ざけた。
「え、ほんとに健介君なの?」
「聞いといて何なの?」
確かに正論である。でもこれで真実が判明した。これは、健介くん大喜びだね。良かったね。
「ひかり、コトの経緯話すと長くなるから割愛するけど、健介くんはひかりの事、彼女だと思ってるよ!」
かえでの表情がニタついていた。
「もう意味わかんない!説明して!」
「直接きいてみな!それじゃーね!」
かえでは電話を切った。
娘がホストとねえ・・・
血筋だねえ・・・
かえでは、ビール6缶目に突入した。
そう言えば、指定席の返金を行って、みどりの窓口を出るときに若い夫婦とすれ違った。
・・・あの夫婦、『霧島』さんかな?
帯広まで行くって行ってたのに、何でみどりの窓口にいたんだろう。
「かえでさ、このホテルの晩御飯、すごく美味しいらしいよ!とくにビーフシチュー!」
「ビーフシチュー?もう長いこと食べてないよ、楽しみ!絶対自分じゃ作らないからね!」
「確かに!かえでは特にね!」
「それどういう意味?ハハハ!」
晩ご飯はバイキング形式だった。色とりどりの料理が並んでいる。狙っていたビーフシチューもあった。
帯広といえば、事前に調べた情報だと長芋が有名だったはずである。特に、帯広の南側にある『川西』という地名の場所で取れる長芋は、抜群に美味しいと書いてあった。かえでは、何かしら長芋に関連した料理がないか確認した。
・・・あった!長芋のフリットが用意されている。満面の笑みを浮かべながら、かえではトングで摘み、お皿へ運んだ。
席に戻ると、すでに陽子が座っていた。
「ねえ!ビール飲もうよ!」
「いいね!私、絶賛2日酔いで気持ち悪いからビール飲んで誤魔化すかなー」
「出た!かえでお得意の向かい酒!」
かえでは店員に向かって挙手した。
「生ビール2つ!」
すると店員が、ゆっくりとこちらに近づいてきた。
「クラシックと黒ラベルのどちらにしますか?」
「クラシックで!」
「かしこまりました」
北海道限定品である札幌クラシックは、通常の黒ラベルと違って苦味が深く、飲みごたえがある。北海道に生まれて本当に良かった。かえではしみじみと幸せを感じていた。
夜8時、そろそろ電話が来る。彼には色々と質問したい。かえでは部屋からでて、ホテルのロビーにある木の椅子に座った。ちなみに、左手には缶ビールが握られている。
・・・プルプルプル
来た。
「はい、坂本です」
「あ!かえでさん、夜遅くにすいませんねー」
どうやら、南野もお酒がまわっているようだ。すこし上機嫌に聞こえる。
「早速だけど、話って何?」
「・・・言い辛いんですけど、僕、ひかりさんと付き合っていないんです」
「・・・はい?」
かえでは何がなんだかよくわからなかった。付き合っていないなら、2人はどういった関係なのか。全く持って意味がわからない。
そもそも、ひかりには彼氏がいる。それは本人からも聞いている。
・・・じゃあ彼は何者?
「要はですね、デートはしたことあるのですが、正式に付き合っているわけではないんです・・まだ告白してなくて」
「あれ、そうなの?でもひかりは彼氏いるって言ってたよ?」
「え!そうなんですか?じゃあ僕は遊ばれていたってことですか?」
「それか、ひかりがあなたのこと、勝手に彼氏だと思っているかね」
「え!そんなラッキーもあるんですか?」
「後でひかりに聞いてみるよー」
「え!緊張します!でも、よろしくお願いします!」
同じリアクションが3回続いた気がする。随分とリアクションが大きい男である。
とりあえず、後でひかりにきいてみよう。
・・・さあ、ここからはこちらの質問タイムだ。
「健介くんは、なんの仕事してるの?」
「あー、言わなきゃ駄目ですよね」
「そ!言わなきゃ駄目!」
かえでは酔いが回っている。顔が火照ってきている。あまり呂律がまわっていない。
「僕ね、札幌でホストやっているんです」
「やっぱり!絶対夜の仕事だと思ったよ!同じもの同士、ニオイしたもん!」
「ばれてしまいましたか・・・ひかりさん、たまにうちの店来てくれてて、本気で可愛くて惚れちゃったんです」
「でしょー!でもね、ひかりの彼氏はあなたじゃないからね!知らんけど」
「・・・わかりました。返答待ちます」
「期待しないでね!」
・・・長電話が終わり、部屋に戻った。
さて、ひかりに電話するか。
かえでは、酔っぱらいながらも約束を忘れずひかりへ電話した。
プルプルプル・・・
「もしもし、お母さんどうしたの?」
ひかりは、突然の電話にすこし驚いているようだ。
「あのさー、彼氏の名前ってなんていうの?」
かえでは単刀直入に質問した。
「いきなり過ぎない?・・いや、いるとは言ったけどまだ告白されてないし・・・」
これはもしかすると『健介くんでは?』
かえでは先手を打とうと考えた。
「その人、健介君でしょ!」
「なんで知ってるの?!誰にも話したことないよ!!」ひかりの声が大きすぎて、かえでは受話器から耳を遠ざけた。
「え、ほんとに健介君なの?」
「聞いといて何なの?」
確かに正論である。でもこれで真実が判明した。これは、健介くん大喜びだね。良かったね。
「ひかり、コトの経緯話すと長くなるから割愛するけど、健介くんはひかりの事、彼女だと思ってるよ!」
かえでの表情がニタついていた。
「もう意味わかんない!説明して!」
「直接きいてみな!それじゃーね!」
かえでは電話を切った。
娘がホストとねえ・・・
血筋だねえ・・・
かえでは、ビール6缶目に突入した。
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