27 / 94
本編
P8 素晴らしい出会い
しおりを挟む
自室に戻ったわたくしが暇を持て余しておりますと、侍女が声をかけてまいりました。
「奥様、今日はとても気持ちの良いお天気です。こんな日には外宮のお庭を散策されるのも素敵でしょうね。ちょうどアイリスが見頃でございます。軽食を持ってピクニックなどはいかがでしょうか?」
「あら、悪くないわね」
「アナトリオ様をお連れになれば、きっとお喜びになりますわ」
完璧な笑顔でこんな提案をしてきました。
たしかに外宮のお庭はいつも季節のお花が咲き誇り、貴賤を問わずこのイリュリアの人々の憩いの場となっております。
まだ一歳を迎えたばかりのアナトリオを連れて行くのは気が進みませんが、散策にはちょうど良いかもしれません。
「そうね。これから軽く散策してきましょう。何かあるといけないからアナトリオは連れて行かないわ。外宮に行くだけだから供も不要です。カフェテリアで食べてくるから昼食は不要よ」
このように申し付けて、日傘だけ持って馬車に乗ります。御者に迎えに来る時間を告げて庭園に向かいました。
庭園につきますと、たしかに侍女の申した通り、アイリスの花が美しく咲き乱れておりました。
うららかな初夏の陽気に誘われて、そこここに談笑する人々の姿が見えます。わたくしは日傘を片手に、何をするともなく美しく整えられた庭園の小径をそぞろ歩いておりました。
「ああ、なんとお美しい」
半刻ほど散策を楽しんだ頃でしょうか?
とても艶っぽい女性の声がして、わたくしは振り向きました。
感極まったような声を出したのはティコス男爵家の三女、プルクラ嬢。
十七歳というお歳に似合わぬ妖艶な魅力の持ち主で、緩いウェーブのかかった艶やかな黒髪と、潤んだようなヘイゼルの瞳が、豊満な肉体とあいまって何ともいえぬ色香を漂わせていらっしゃいます。
その美貌に嫉妬したものたちが憶測で好き勝手に申すものですから、数々の貴公子との噂がございますが、ご本人はいたって素直で人懐こいご令嬢。
わたくしのことも”緋牡丹の君”と呼んで慕ってくれています。
「ごきげんよう、プルクラ嬢。先日の夜会以来ですわね」
「ごきげんよう、タシトゥルヌ侯爵夫人。お邪魔をしてしまい、申し訳ございません」
「とんでもないわ。こんな素敵な日ですもの、一緒にお散歩を楽しみましょう」
「お美しいだけでなくお優しいのですね。皆さま憧れの貴婦人、緋牡丹の君とご一緒できるなんて、今日はなんとすばらしい日でしょう」
わたくしは木陰のベンチに腰掛けて、しばしの間プルクラ嬢とのおしゃべりを楽しみました。
聡明で機知にとんだプルクラ嬢とのお話は実に面白く、いくらお話しても話題がつきません。
陽が高くのぼってもまだまだおしゃべりが足りないと感じたわたくしは、彼女を近ごろ人気のカフェにお誘いしました。
「まあ、わたくしがご一緒でよろしいのですか?」
目を輝かせて喜んでくれた彼女のなんと愛らしいこと。
わたくしたちはカフェで美味しいコーヒーとお菓子を楽しみながら、時が経つのを忘れていろいろなお話をしました。
プルクラ嬢のお話では、イオニアから来た劇団がとても気の利いた芝居をしているとか。
「ぜひ一度見てみたいわ」
「まぁ、それではわたくしとご一緒しませんか?」
わたくしの思わず漏らした言葉に、プルクラ嬢がすかさず答えます。
こうした気の利いたところもこのご令嬢の美点ですわね。
「それは嬉しいけれども……人気のある劇団ですもの、チケットを取るのは大変でしょう?」
「いえ、わたくしの親戚が劇団の後援者なのです。そちらから手配すれば、特等席で観られましてよ」
「まあ、なんて素敵なんでしょう」
わたくしはすっかり嬉しくなって、「ぜひ我が屋敷にも遊びにいらしてください」と、彼女をご招待してしまいました。
大がかりな茶会ならばともかく、ご令嬢お一人でしたら旦那様も否やはおっしゃいませんでしょう。
あの方が何か言いがかりをつけるかもしれませんが、その時は身の程を思い知らせてやれば良いのです。
プルクラ嬢との愉しい時間のおかげで、わたくしの沈んだ心もすっかり明るくなりました。
屋敷に帰りついた頃には、朝の不愉快なできごとなど、きれいさっぱり記憶の彼方へと飛び去ったのでございます。
屋敷に戻ったわたくしは、さっそく侍女に近日中にプルクラ嬢をお招きする旨を伝えました。
侍女たちはわたくしが散策を楽しんできた様子に喜んでくれたようです。
朝はわたくしがふさぎこんだ様子だったので、とても心配していたのだとか。
この家に居場所がないというのは、わたくしの思い過ごしかもしれません。
使用人たちはいつだってわたくしを侯爵夫人として尊重し、きめ細やかに配慮して従順に振舞っています。
今日だってわたくしが沈んだ様子なのを気遣って、散歩に出るよう提案してくれたのです。
その忠誠を疑い、勝手に疎外感を覚えていた自分のひがみ根性が恥ずかしゅうございます。
あたりが暗くなった頃、旦那様がお帰りになりました。珍しくあのお方はご一緒ではない様子。わたくしの心はますます軽くなりました。
「お帰りなさいませ、旦那様。今日は良い一日でしたか?」
「わざわざありがとう、パトリツァ。今日も仕事ははかどりましたよ。
このところ政務漬けで一緒に食事もできず、すみませんでした。今日の夕飯はもう済ませましたか?」
旦那様はわたくしと夕食を召し上がるおつもりのようです。なんという素晴らしい日でございましょう。朝の些細な出来事が下らなく感じられて参りました。
「まだいただいておりませんわ。旦那様もご一緒にいかが?」
「よろこんでお相伴にあずかります。では後ほど食堂で」
夕飯は、久しぶりに夫婦二人きりでした。わたくし一人でもなく、あの方とご一緒の三人でもなく。
わたくしは嬉しくて、今日あった出来事をお話しました。
プルクラ様と芝居を見に行くお約束をしたこと、彼女をこの屋敷にお招きするようお約束したこと。
旦那様は少しだけ考えこまれたご様子でしたが、笑顔でどちらもお許しくださいました。
「貴女がわざわざお一人だけ屋敷にご招待するということは、よほど親しいお友達なのですね。丁重におもてなしするよう、皆に申し付けておきましょう。ぜひ楽しい一日をお過ごしください」
旦那様はまるで神殿の彫刻のように神々しいまでの美しい笑顔でそうおっしゃいました。
わたくしはなぜこのお方の愛情と真心を疑ったりしたのでしょうか。このようにわたくしを尊重し、わたくしの希望を叶えて下さる旦那様が、わたくしを疎んじている筈がございません。
あのお方は本当にただの部下、お友達なのでしょう。この日は本当に久しぶりに夫婦の寝室で揃って朝を迎えたのでございます。
「奥様、今日はとても気持ちの良いお天気です。こんな日には外宮のお庭を散策されるのも素敵でしょうね。ちょうどアイリスが見頃でございます。軽食を持ってピクニックなどはいかがでしょうか?」
「あら、悪くないわね」
「アナトリオ様をお連れになれば、きっとお喜びになりますわ」
完璧な笑顔でこんな提案をしてきました。
たしかに外宮のお庭はいつも季節のお花が咲き誇り、貴賤を問わずこのイリュリアの人々の憩いの場となっております。
まだ一歳を迎えたばかりのアナトリオを連れて行くのは気が進みませんが、散策にはちょうど良いかもしれません。
「そうね。これから軽く散策してきましょう。何かあるといけないからアナトリオは連れて行かないわ。外宮に行くだけだから供も不要です。カフェテリアで食べてくるから昼食は不要よ」
このように申し付けて、日傘だけ持って馬車に乗ります。御者に迎えに来る時間を告げて庭園に向かいました。
庭園につきますと、たしかに侍女の申した通り、アイリスの花が美しく咲き乱れておりました。
うららかな初夏の陽気に誘われて、そこここに談笑する人々の姿が見えます。わたくしは日傘を片手に、何をするともなく美しく整えられた庭園の小径をそぞろ歩いておりました。
「ああ、なんとお美しい」
半刻ほど散策を楽しんだ頃でしょうか?
とても艶っぽい女性の声がして、わたくしは振り向きました。
感極まったような声を出したのはティコス男爵家の三女、プルクラ嬢。
十七歳というお歳に似合わぬ妖艶な魅力の持ち主で、緩いウェーブのかかった艶やかな黒髪と、潤んだようなヘイゼルの瞳が、豊満な肉体とあいまって何ともいえぬ色香を漂わせていらっしゃいます。
その美貌に嫉妬したものたちが憶測で好き勝手に申すものですから、数々の貴公子との噂がございますが、ご本人はいたって素直で人懐こいご令嬢。
わたくしのことも”緋牡丹の君”と呼んで慕ってくれています。
「ごきげんよう、プルクラ嬢。先日の夜会以来ですわね」
「ごきげんよう、タシトゥルヌ侯爵夫人。お邪魔をしてしまい、申し訳ございません」
「とんでもないわ。こんな素敵な日ですもの、一緒にお散歩を楽しみましょう」
「お美しいだけでなくお優しいのですね。皆さま憧れの貴婦人、緋牡丹の君とご一緒できるなんて、今日はなんとすばらしい日でしょう」
わたくしは木陰のベンチに腰掛けて、しばしの間プルクラ嬢とのおしゃべりを楽しみました。
聡明で機知にとんだプルクラ嬢とのお話は実に面白く、いくらお話しても話題がつきません。
陽が高くのぼってもまだまだおしゃべりが足りないと感じたわたくしは、彼女を近ごろ人気のカフェにお誘いしました。
「まあ、わたくしがご一緒でよろしいのですか?」
目を輝かせて喜んでくれた彼女のなんと愛らしいこと。
わたくしたちはカフェで美味しいコーヒーとお菓子を楽しみながら、時が経つのを忘れていろいろなお話をしました。
プルクラ嬢のお話では、イオニアから来た劇団がとても気の利いた芝居をしているとか。
「ぜひ一度見てみたいわ」
「まぁ、それではわたくしとご一緒しませんか?」
わたくしの思わず漏らした言葉に、プルクラ嬢がすかさず答えます。
こうした気の利いたところもこのご令嬢の美点ですわね。
「それは嬉しいけれども……人気のある劇団ですもの、チケットを取るのは大変でしょう?」
「いえ、わたくしの親戚が劇団の後援者なのです。そちらから手配すれば、特等席で観られましてよ」
「まあ、なんて素敵なんでしょう」
わたくしはすっかり嬉しくなって、「ぜひ我が屋敷にも遊びにいらしてください」と、彼女をご招待してしまいました。
大がかりな茶会ならばともかく、ご令嬢お一人でしたら旦那様も否やはおっしゃいませんでしょう。
あの方が何か言いがかりをつけるかもしれませんが、その時は身の程を思い知らせてやれば良いのです。
プルクラ嬢との愉しい時間のおかげで、わたくしの沈んだ心もすっかり明るくなりました。
屋敷に帰りついた頃には、朝の不愉快なできごとなど、きれいさっぱり記憶の彼方へと飛び去ったのでございます。
屋敷に戻ったわたくしは、さっそく侍女に近日中にプルクラ嬢をお招きする旨を伝えました。
侍女たちはわたくしが散策を楽しんできた様子に喜んでくれたようです。
朝はわたくしがふさぎこんだ様子だったので、とても心配していたのだとか。
この家に居場所がないというのは、わたくしの思い過ごしかもしれません。
使用人たちはいつだってわたくしを侯爵夫人として尊重し、きめ細やかに配慮して従順に振舞っています。
今日だってわたくしが沈んだ様子なのを気遣って、散歩に出るよう提案してくれたのです。
その忠誠を疑い、勝手に疎外感を覚えていた自分のひがみ根性が恥ずかしゅうございます。
あたりが暗くなった頃、旦那様がお帰りになりました。珍しくあのお方はご一緒ではない様子。わたくしの心はますます軽くなりました。
「お帰りなさいませ、旦那様。今日は良い一日でしたか?」
「わざわざありがとう、パトリツァ。今日も仕事ははかどりましたよ。
このところ政務漬けで一緒に食事もできず、すみませんでした。今日の夕飯はもう済ませましたか?」
旦那様はわたくしと夕食を召し上がるおつもりのようです。なんという素晴らしい日でございましょう。朝の些細な出来事が下らなく感じられて参りました。
「まだいただいておりませんわ。旦那様もご一緒にいかが?」
「よろこんでお相伴にあずかります。では後ほど食堂で」
夕飯は、久しぶりに夫婦二人きりでした。わたくし一人でもなく、あの方とご一緒の三人でもなく。
わたくしは嬉しくて、今日あった出来事をお話しました。
プルクラ様と芝居を見に行くお約束をしたこと、彼女をこの屋敷にお招きするようお約束したこと。
旦那様は少しだけ考えこまれたご様子でしたが、笑顔でどちらもお許しくださいました。
「貴女がわざわざお一人だけ屋敷にご招待するということは、よほど親しいお友達なのですね。丁重におもてなしするよう、皆に申し付けておきましょう。ぜひ楽しい一日をお過ごしください」
旦那様はまるで神殿の彫刻のように神々しいまでの美しい笑顔でそうおっしゃいました。
わたくしはなぜこのお方の愛情と真心を疑ったりしたのでしょうか。このようにわたくしを尊重し、わたくしの希望を叶えて下さる旦那様が、わたくしを疎んじている筈がございません。
あのお方は本当にただの部下、お友達なのでしょう。この日は本当に久しぶりに夫婦の寝室で揃って朝を迎えたのでございます。
0
お気に入りに追加
331
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです
こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。
まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。
幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。
「子供が欲しいの」
「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」
それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
夫は私を愛してくれない
はくまいキャベツ
恋愛
「今までお世話になりました」
「…ああ。ご苦労様」
彼はまるで長年勤めて退職する部下を労うかのように、妻である私にそう言った。いや、妻で“あった”私に。
二十数年間すれ違い続けた夫婦が別れを決めて、もう一度向き合う話。
【本編完結】若き公爵の子を授かった夫人は、愛する夫のために逃げ出した。 一方公爵様は、妻死亡説が流れようとも諦めません!
はづも
恋愛
本編完結済み。番外編がたまに投稿されたりされなかったりします。
伯爵家に生まれたカレン・アーネストは、20歳のとき、幼馴染でもある若き公爵、ジョンズワート・デュライトの妻となった。
しかし、ジョンズワートはカレンを愛しているわけではない。
当時12歳だったカレンの額に傷を負わせた彼は、その責任を取るためにカレンと結婚したのである。
……本当に好きな人を、諦めてまで。
幼い頃からずっと好きだった彼のために、早く身を引かなければ。
そう思っていたのに、初夜の一度でカレンは懐妊。
このままでは、ジョンズワートが一生自分に縛られてしまう。
夫を想うが故に、カレンは妊娠したことを隠して姿を消した。
愛する人を縛りたくないヒロインと、死亡説が流れても好きな人を諦めることができないヒーローの、両片想い・幼馴染・すれ違い・ハッピーエンドなお話です。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる