言の葉のかけら

歌川ピロシキ

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HOMELAND

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【Homeland】
これは運命だったんだろうか?
かつては街だったはずの瓦礫の山を前に、呆然と考える。

ほんの数日前まで、ここで多くの人々が笑いあっていた。日々の暮らしは苦しくとも、部族みんなで助け合い、支え合い、ささやかな幸せを大切に生きていたのに。みんなみんな、殺されてしまった。
今はもうなにもない。あるのはただ、瓦礫と遺体の山だけだ。

これが運命なんて、絶対に嘘だ。人間の欲があるべき運命をねじ曲げて、世界を正しい姿から外してしまったに決まっている。

頬を伝う熱いもので視界が歪む。流れる涙は、きっと巻き上がる砂のせい。
生き延びた仲間を守るため、喪ったものを取り戻すため、立ち止まって泣いてなんかいられないのだもの。

故郷をこんな姿にした奴らを、僕は絶対に赦さない。
神様が彼らを赦したとしても、僕は……僕だけは地獄の果までも追い詰めてみせる。
そしていつか、この瓦礫の山をもとの美しい街に蘇らせてみせる。

だから、少しの間だけさようなら。
僕の愛しい大切な故郷よ。

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