言の葉のかけら

歌川ピロシキ

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肩車

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「お兄ちゃま、かたぐるま!!」

 いつもせがんできた小さな肩に、今は更に小さな背中がしがみついている。

「わぁい、たかい!!」

「しょうた、重い……もう無理」

「えー」

「そろそろ下りておいで。キャッチボールしよう」

 助け舟を出すと、とててて、と軽やかな足音が駆け寄ってきた。

「兄さんの気持ちが少しわかった気がする」

 ようやく解放されてぼやく妹に苦笑を返す。

「俺は父さんの気持ちが少しわかったよ」

 今夜は帰ってきたら肩でも揉んであげよう。
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