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126話

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あれから、シルフェ様に約束をして貰い、俺はシルフェ様が使う仮眠室でベッドに横になっていた。
思っていたより体調が良くないらしい。
軍医に診てもらおうと言われたが、俺は体調が悪い自覚はなく大丈夫ですとそれを拒否した。
騎士でない俺の為に軍医に診てもらうなど体調が悪くないためシルフェ様の職権乱用になってしまうからだ。
シルフェ様には執務を行なってくださいとお願いをして、ソファーを借りようとしたがシルフェ様には横になっているよう厳命された。
「シルフェ様……好きです……」
軟らかなクッションを抱き締めて俺は囁く。
シルフェ様には聞こえないだろうから。
ふわりと鼻腔を擽るシルフェ様の匂いに、キュンと身体の奥が反応した気がした。
「好き……です……」
こんな場所なのに、いけない気持ちになってしまいそうで俺はクッションを手放したが、一度身体に灯った火は消えない。
ダメだとわかっているのに、クッションや敷布を抱き寄せてしまう、
いつの間にかこの部屋全体がシルフェ様の匂いに包まれている気がした。
「あ、ん……ふぁ……ヒート……?」
身体の奥で何かが変わっていく。
いつも繰り返してきたヒートとは何かが違う。
花街の時とも違う感覚に恐れが混じると共に、どうしてこんなにタイミングでヒートが起こってしまうのか戸惑いもある。
ヒートではない気のせいだと思おうとしても、自分の身体は反応してしまう。
隣の部屋にいるシルフェ様に助けを求めようとして、ご迷惑をお掛けしてしまうと思うとそれも出来ない。
何とかしなければとズボンのベルトに手を掛けて外そうとした瞬間、扉が開いた。
「ルーカス!?」
「シルフェ様……申し訳ありません……直ぐに……終わらせますから……少しだけ、ベッドを貸して……ください……すみません……」
恥ずかしさと申し訳なさに涙が出てくる。
「ヒートか」
「薬も、ありますし……大丈夫です……から」
何度か熱を吐き出させれば収まるだろう。
「帰宅するまでには何とかしてみます……ので」
シルフェ様を見上げてから俺はクッションを抱きながらベルトを引き抜く。
シルフェ様がそこに居るのに、そんな事よりも自分が気持ち良くなる方が先だとばかりに足を開き手を添えた。
「あ……っん……」
シルフェ様に見られているかもしれない。
そんな事が頭の片隅に残りはしたが、それよりも何よりも身体の中の熱はどんどん大きくなっていく。
「や、あ……んぅ……」
自分の拙い手技だが、気持ち良く感じる場所を探す方が先だった。
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