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104話

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ごめんなさいシルフェ様。
俺は心の中でシルフェ様に謝った。
そしてベルトの端。金属の部分に埋め込まれた石に触れる。
すると、カチリと金属が外れてスルリと首からベルトが落ちる。
「最初からそうしてりゃいいのにな」
そう言った男は俺を引き寄せ抱きしめようとしてくる。
その腕を避けて俺はチェリに近付いた。
「チェリ、ごめん……痛かっただろ?これ以上はさせないからさ……心配しないで」
本当ならばもう既に断罪されて生きていない場合もあるのだから。
「んーっ!んーっ!!」
チェリは押さえ付けられている手から逃げようと身体を捩っている。
「大丈夫だよ、きっとフェイ達が来てくれるから」
「ったく、何をボソボソ言ってやがる、お前はこっちだよ」
男が俺の髪を掴み引き摺るようにして部屋の端のソファーベッドまで歩き、俺を突き飛ばす。
ドサッとソファーに倒されると、俺は目を伏せた。
「っ!」
「じゃあ、楽しませてもらうかなぁ?」
耳元で囁かれる声に肌が粟立つ。
気持ち悪いがどうにも出来ない。
押さえ付けられた首筋。
「おかしいなぁ、コイツ誘発フェロモンが効きにくいみてぇだ」
呟く男に、誘発フェロモンがでているのかと耳を疑う。
全く感じない。
「まぁいいかΩなんだから突っ込めば濡れるだろ」
恐ろしい言葉に、負けるものかと歯を食い縛る。
声など上げてやるものか。
シルフェ様に大切にされた記憶があるのだから。
誰かの手に掛かったなとシルフェ様に知られたら、きっと俺はシルフェ様から捨てられるだろう。
でも、大丈夫……シルフェ様と短い時間でも一緒にいられたのだから。
俺は身体が二つに避けてしまいそうな痛みを感じて、意識を失いそうになった。
むしろ、意識を失えた方が良かったのかもしれない。
どのくらいその痛みに耐えていたのだろうか。
何度も何度も中に体液を注がれたが、俺が達かないことに不満だったのだろう。
ガリッ、嫌な音と共に首に走る痛み。
その瞬間、身体の細胞という細胞が組み替えられていく感覚。
堪えていた涙が瞳から落ちていく。
そして、俺の意識は暗転された。
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