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2章 成人
1話
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「……あら、ま」
流石に試験を優秀な成績で突破するとは思っていなかった。
首席。
確かに試験は簡単では無いけれど、ニコルはその試験をほぼ首位で通り抜けたらしい。
「これが、今回騎士試験を受けた見習いの全員の点数ね……流石ねぇ」
小隊長以上に配られた一覧。
「ニコル、いらっしゃいな。首席ですって騎士団入隊式で団長から言葉と剣を貰うのよねぇ……」
初めての騎士団服に袖を通し整列をした見習い騎士が騎士へとなる儀式。
「さーて、騎士になるんだから色々と揃えてあげなきゃならないわねぇ。アタシの弟ですものみすぼらしい格好はさせられないしね」
レイモンドはぱたんと一覧を閉じて立ち上がった。
「支給されるものはいいとして……ニコルは何が欲しいのかしら。それよりどこの隊に配属になるのか楽しみねぇ」
配属は、本人の意思と周囲の評価、団長の決定で決まるのだ。
三年かけてしっかりとニコルを育て上げることができたから、何処へ出しても胸を張れる。
「見めもいいから近衛とかから引き抜かれるかしら、でも本当にもう一度属性だけは検査したいわね……でも、またΩだったりなんてしたら、悲しむかしら」
レイモンドは自分がβであるが、自分より優秀なのではないかとニコルの事を思っていた。
それに、隣国では性別を偽っていたと言う話もある。
「まぁ、それは機会があったらかしら。とりあえず買い物に行かなきゃ次の休みは三日後ね……これはニコルを連れて行こうかしらね……」
最近は一緒に出掛けることも少なくなってしまったため、久し振りにどうかとニコルに声を掛けようとニコルの帰りを待ったが、ニコルには先約があると断られてしまう。
「あら、残念……仕方ないわ、アタシ一人でも大丈夫だから気にしないで?」
レイモンドはひらひらと手を振る。
「一人で街に出るのですか?レイモンド様!」
「えぇ、大丈夫よ?荷物持ちにしたかった訳じゃないもの、気にしないで?夕方までには戻るつもりだし」
慌て始めたニコルに大丈夫よと笑いかけるが、断られたことは少し寂しくもあり……。
レイモンドはその後部屋に戻った。
「まぁ、騎士団にいれば、いつかはお休みが重なることもあるでしょ。同じ班でなければなかなか一緒に休むタイミングは来ないけどしかたないわ」
最後の同じ休みになるかもしれなかった休日は、ニコルの用事に阻まれてしまった。
「仕方ないんだけど、駄目ねぇ……もう」
珍しくレイモンドはがっくりと肩を落とすのだった。
流石に試験を優秀な成績で突破するとは思っていなかった。
首席。
確かに試験は簡単では無いけれど、ニコルはその試験をほぼ首位で通り抜けたらしい。
「これが、今回騎士試験を受けた見習いの全員の点数ね……流石ねぇ」
小隊長以上に配られた一覧。
「ニコル、いらっしゃいな。首席ですって騎士団入隊式で団長から言葉と剣を貰うのよねぇ……」
初めての騎士団服に袖を通し整列をした見習い騎士が騎士へとなる儀式。
「さーて、騎士になるんだから色々と揃えてあげなきゃならないわねぇ。アタシの弟ですものみすぼらしい格好はさせられないしね」
レイモンドはぱたんと一覧を閉じて立ち上がった。
「支給されるものはいいとして……ニコルは何が欲しいのかしら。それよりどこの隊に配属になるのか楽しみねぇ」
配属は、本人の意思と周囲の評価、団長の決定で決まるのだ。
三年かけてしっかりとニコルを育て上げることができたから、何処へ出しても胸を張れる。
「見めもいいから近衛とかから引き抜かれるかしら、でも本当にもう一度属性だけは検査したいわね……でも、またΩだったりなんてしたら、悲しむかしら」
レイモンドは自分がβであるが、自分より優秀なのではないかとニコルの事を思っていた。
それに、隣国では性別を偽っていたと言う話もある。
「まぁ、それは機会があったらかしら。とりあえず買い物に行かなきゃ次の休みは三日後ね……これはニコルを連れて行こうかしらね……」
最近は一緒に出掛けることも少なくなってしまったため、久し振りにどうかとニコルに声を掛けようとニコルの帰りを待ったが、ニコルには先約があると断られてしまう。
「あら、残念……仕方ないわ、アタシ一人でも大丈夫だから気にしないで?」
レイモンドはひらひらと手を振る。
「一人で街に出るのですか?レイモンド様!」
「えぇ、大丈夫よ?荷物持ちにしたかった訳じゃないもの、気にしないで?夕方までには戻るつもりだし」
慌て始めたニコルに大丈夫よと笑いかけるが、断られたことは少し寂しくもあり……。
レイモンドはその後部屋に戻った。
「まぁ、騎士団にいれば、いつかはお休みが重なることもあるでしょ。同じ班でなければなかなか一緒に休むタイミングは来ないけどしかたないわ」
最後の同じ休みになるかもしれなかった休日は、ニコルの用事に阻まれてしまった。
「仕方ないんだけど、駄目ねぇ……もう」
珍しくレイモンドはがっくりと肩を落とすのだった。
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