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しおりを挟む「私は朝霧家の当主である紫苑、彼女は妻である美沙都、彼は私達の息子である銀河だ」
「美沙都です」
「銀河です」
ここは二十一世紀の日本で、某県の蛍雪村である事をマリーアントニアに話した後、紫苑に紹介された美沙都と銀河は軽く頭を下げる。
「そちらの殿方はギンガ様と仰るのだな・・・」
(あたくしには陛下の命令で決められたとはいえミッシェル様という婚約者が居るのに・・・!それなのにこうしてギンガ様を目の当たりにしているだけで胸が高鳴ってしまうとは・・・)
ポッ
紫苑から自分と同じ年頃の青年の名前を聞かされたマリーアントニアの頬が赤く染まった。
銀河はミッシュエルよりも長身で鍛えられた肉体と美声を持つイケメンなのだ。年頃の少女であるマリーアントニアにしてみれば、この反応は当然なのかも知れない。
「それで・・・マリーアントニア殿。私達の話を聞けば信じられない・・・信じたくないかもしれないが君はこの世界の、いや、現実ではなく人間によって作られた物語・・・【異世界の聖なる乙女の清らかな愛が世界を救う】というゲームに出てくる人物なんだ」
「え?」
紫苑の言葉にマリーアントニアは驚きの色を含んだ声を上げる。
「マリーアントニア殿、貴女がより傷つくかも知れない。それでも・・・今から【異世界の聖なる乙女の清らかな愛が世界を救う】がどのようなストーリーなのか語らせて貰ってもいいかしら?」
「はい・・・」
ゲームが何なのか分からないし、マリーアントニアが傷つくと美沙都は言った。
(聞きたい!聞くのが怖い!でも・・・やっぱり聞きたい!)
それでも恐怖よりも好奇心の方が勝ったのか、話を聞きたいとマリーアントニアは美沙都に話を促す。
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