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7話

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 自分では疲れていないと思っていたのだが、ヴィルヘルムと顔を合わせたという事実は想像以上に精神を疲労させていたらしい。

 実家に戻ったという安堵からなのか、王都の神殿にいた頃より深い眠りに就いた事ですっきりした気分で目を覚ましたノルンは身支度を始める。

 「お父様、お母様、お兄様、おはようございます」

 「おはよう、ノルン」

 屋敷の大広間には両親と兄、そしてアメジストセージ家に仕える使用人達がノルンを待っていた。

 『ねぇ、ノルンちゃん。ロイヤルミント王国に張っている結界と精霊達の加護の事なんだけど、解除しちゃってもいいかしら?』

 「いえ、精霊王様。今すぐではなく五~六年後に、ある地域だけ解除するのは可能でしょうか?」

 『アタシだったらそれくらい簡単に出来るわよ。ノルンちゃん、どうしてすぐに解除しないの?』

 「これは私個人の事なのですが・・・一言で言えば、アメジストセージと私の家族を馬鹿にしたあの六人に復讐をしたい」

 顔色一つ変えずにきっぱりと言い切ったノルンの心の闇を感じ取った一同の顔が(((((( ;゚Д゚)))))ガクガクブルブルになる。

 『アタシ、ノルンちゃんのそんなところも大好きよ』

 ノルンちゃんは、天災は忘れた頃にやって来るって奴をしたいと思っているのね?

 分かったわ。結界と加護は六年経てば勝手に解除するようにしておくわよ

 「ありがとうございます、精霊王様」

 個人的な復讐に付き合ってくれる精霊王にノルンは頭を下げて礼を告げる。

 『では、新天地に行くとしましょうか』

 「ノルン」

 「はい」

 兄が差し出す手を幾分緊張した面持ちで取ったノルンは領民達が待つ広場へと向かう。





 精霊王の力を借りてクローバーレッド王国へと移ったアメジストセージ家は、国王より新たに賜った領地の領主として善政を敷き、アメジストセージの元領民達は新天地を開拓して生活を営む事になる。








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