薔薇の修道院

白雪の雫

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 魔法が身近なエレメントアースには様々な種族が存在する。

 人間・妖魔・神獣・モンスターである。(エルフ・ドワーフ・ゴブリンも妖魔に入る。ゴブリンは醜いモンスターではなく悪戯好きだけど愛嬌のある精霊って感じ)

 そのエレメントアースのエメラルドウッド王国のサンダルウッド公爵家に令嬢がいた。

 令嬢の名前はセレスティ。

 優しくて柔らかい印象の緑と青の瞳にプラチナブロンド色の髪、そして将来は清楚で優美という言葉が似合う佳人になる事が保障されていると言っても過言ではない容姿を持つセレスティは、まだ十歳でありながらも公爵令嬢に相応しい教養に立ち居振る舞い、心構えに礼儀作法等を身に着けている。

 それだけではなく、攻撃魔法は一切使えないがそれを補うだけの武器(主に暗器)の使い手であり治癒・防御・浄化・生活魔法等が使えるので聖女候補として、また王太子妃候補として名が挙がっていたのだが、彼女にはある問題があった。

 セレスティの問題。

 それは───





 『従者は王子の事が愛しているのに姫の為に身を引くなんて・・・健気すぎる!』

 『騎士が王子に忠誠を誓うのは王子の事を愛しているからなの!王子×騎士もいいけど、騎士って事は王子よりも屈強で体格も立派だから華奢な王子を組み敷くなんて無理よね?やはりこの物語は騎士×王子と解釈するべきだわ』

 『【カイン王子の冒険譚】だけではなく他の物語全般に言える事だけど、どう見ても挿絵は登場人物達の格好良さや美しさを表現できていないじゃない!これは物語に対する侮辱よ!!これだったらまだ私の方がカイン王子やローラ姫を上手く描けるわ!!』

 『カイン王子は攻めというのが不動だけど、受けになるとしたら相手は誰が・・・ってドラゴンを倒せるようなカイン王子を組み敷くのは無理よね~』






 例を挙げればキリがないのだが、要するにセレスティは王子様とお姫様が結ばれてハッピーエンドな物語でも男同士の恋愛に結びつけてしまうのだ!!!






 こらあかん!

 娘は不治の病や!








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