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episode R . ロセツの場合 / 綺麗は汚い汚いは綺麗
Rosetsu 005. 闇夜が空を巡る明かりの首を締めてしまった
しおりを挟むアアアアアアア
鏡に映る己を見て多大なるショックを受けたロセツ。
生ける宝石とも、宇宙とも、深海とも称される美貌で要人から数えきれぬトップシークレットと少々の命を盗み出して来たこの自分が。
垢のこびりついた、無駄毛を伸ばしぱなしの体中からフケを飛び散らせている。
絹のような長髪は脂でベトベト、絡み合い四方八方に跳ねている。
極み付きに、ハーネスで売れ残りのハムのようになってしまった顔。すっと清ました形の良い鼻はフックで引き伸ばされ、ボサボサの鼻毛にこびりつく乾いた鼻水が丸見えだ。
「ァアア…ぁぁぁぁ、」
ロセツは、
自分ばかりじゃないからと、断念めて、旦那さま方に事えてはいるけれど、もうふツふツ嫌になってしまった。
調教師・冬眠鼠が動作を最弱に設定し直したバイブレーターをみっともなく股の麻縄で固定しようが、
鞭で小突いて歩かせようが、
ずかずか入って来た職員に毒々しい真っ赤なエックス字型の磔板に万歳の形で固定されようが、
ロセツは時折「ぅぅぅ」と呻くだけで、使いようのない道具のようにナゲヤリに振る舞った。
調教師・冬眠鼠はロセツの態度に「ふん」と鼻で笑い、
旦那さま方を手招きした。
冷たいタイルの床で、調教師・冬眠鼠はホワイトレザーのショートブーツを履き、旦那さま方はファー付きのスリッパを履き、ロセツだけが裸足だった。
調教師・冬眠鼠は、タイルと同質同色の為に誰も置いてあることに気付かなかった陶器のシェービングカップを拾い上げた。
ブラシでかき混ぜると、クリームの爽やかな香りが立ち込める。
調教師・冬眠鼠は、万歳で晒されたロセツの腋毛にクリームをたっぷりと塗り付けていく。
こんもりと伸びた縮れ毛がジュワと湿り、その冷ややかさにロセツが身震いしてしまう。
「動くと危ないよ」
それは、本当に危険なことなのに、ロセツは肌寒いだけでなくアヌスにバイブレーターを差し込んでいる状態なのに、
調教師・冬眠鼠は、よく磨がれたナイフをロセツの腋に当てた。
ロセツが高身長であるため、小柄な調教師・冬眠鼠は腕を伸ばし腋毛を剃り始めた。
ザリザリザ、
そこだけ抜けるように白い肌が露になる。
右が終われば、次は左。
少しでも動けば柔肌から鮮血が流れるだろう。ロセツは、息をするのもままならぬ緊張で縦長に開いた口の上下から涎を溢した。
しかし、調教師・冬眠鼠は、もっとスリリングなショーを用意していた。
今度はシェービングクリームをロセツの股間へ塗り付けていった。
「ヒィ…!」恐怖で腰をビクッとさせると、アヌスの中で微弱に震えるバイブレーターが性感帯を擽る。
「ぁぁ、ぁぁ…、そ、んな」
「動くと、大怪我するよ」
調教師・冬眠鼠は、無情にもシェービングナイフをロセツの陰毛の生え際にあてがった。
ロセツは、この現実から逃亡するため思考に沈むことにした。
人の頭は空より大きい。巨大にすぎて掴みどころがなく、
ぺニスを切りつけられるかもしれない恐怖も、それを見てエキサイトする旦那さま方の荒い息遣いも、調教師・冬眠鼠の冷たい振る舞いも、快楽を拾い上げる敏感なアヌスも、
なにもかも飲み込んでくれる。
調教師・冬眠鼠がロセツの陰毛を剃りあげていく間、
ロセツは架空の友達と茶を注ぎ合いながら夜を徹して語り合った。
「起きろ」
調教師・冬眠鼠がロセツを夢から醒まし、悪夢を見せた。
性奴隷・ロセツは目を開ける。
露になった肌が冷たい。
ロセツは、旦那さま方に顔と股間を見られるたびに、数々の眼が、何だか腹の中まで見透すようで、おどおどしずにゃいられない。
いつも収容施設のサロンで手入れしている腋毛はともかく、陰毛までつるつるに剃られて
何だか無暗に小さくなってしまった。
「クスクス」
「みっともない」
「なんて滑稽な」
旦那さま方の声が聞こえ、ロセツは涙を溢した。
職員がまたずかずか入室してきて、
磔板からロセツの肢体を外した。
「うぅう…ぅぅぅ…」
ロセツは、解放された手でハーネスで固定されている顔を覆い泣いた。
調教師・冬眠鼠は、小さな体の一体何処にそんな力があるのか、大変な腕力で、
鬱積せる胸中の煩悶を洩せしロセツを引き摺り、透明なアクリル製の湯船に放り込んだ。
そして、旦那さま方にラズベリー色の瞳を向け、
溌剌とした声で尋ねる。
「旦那さま方、たくさんお酒を召し上がられて、そろそろもよおしてきませんか」
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