【館】 House of Sex Slaves

episode M. マティアスの場合 / あるセレブの性奴隷遊び /NEXT

Matthias 002. ONYX

とある日の
とある館の
とあるルーム

クリーム色の壁を、バーネット·ニューマンのレマ・サバクタニの縮小レプリカ一式(14枚)が、ぐるり一周している。

床はリノリウム加工が施され、高さ30cmの小高いステージはタイル張りになっていて、排水口もある。
つまりは、掃除がしやすいということ。
ステージの中央部にはガラスの大きなボウルが置かれている。

ここは、特別なプレイを観賞するための部屋。
最新テクノロジーの空調が完備されている。

そして、十二名の旦那さまが、ステージ向きに配置されたゴシック様式の堅い椅子に腰掛けている。

その中に、フォーマルファッション界の帝王と呼ばれる男がいる。彼の名前はマティアス。
ずんぐりとした体躯を自社ブランドのガウンに身を包んでいる。

只今、マティアスはスキャンダルで世間を騒がせているが、館に一歩踏み込めば、有名人も金持ちも庶民も労働者も関係ない。渦巻く欲望を性奴隷に注ぎ込む、只の男だ。
彼らに奉仕する性奴隷のほうがよっぽど個性的に見える。
今日のマティアスのお目当ての性奴隷もとびきり個性的な美青年だ。

これから、この部屋で格別の羞恥調教を受ける性奴隷の名は、ジャスパー。
絹のような褐色の肌に黒髪、濃いアイラインに縁取られた切れ長の黒目はまるでオニキスだ。筋肉に覆われ引き締まった細長い手足には芸術的なトライバルタトゥーが刻まれている。

マティアスは、この性奴隷・ジャスパーのエキゾチックなルックスが大のお気に入り。
性奴隷コンテンツで配信されるジャスパーの動画が、マティアスのインスピレーションの泉であり、癒しの素でもある。
毎月欠かさず贈り物をしてきたし、
もしも、彼が性奴隷でなければ、自社ブランドのコレクションのトップモデルに起用したいと思うほどに、ぞっこんだった。

マティアスは、何度も何度も応募にトライして、漸く、夢にまで見たジャスパーとのプレイに当選し、
意気揚々と館に参じた。

今、マティアスは周りの他の旦那さま同様椅子に座り、入室する際に手渡されたタブレット端末で、別室で行われているジャスパーの”身支度”のライブ映像を眺めているところ。
端末とともに貸し出された肉便器を足元に置いて、組んだ足の親指をしゃぶらせている。
この肉便器も大変ハンサムで、マティアスは ここ最近の気掛かりを忘れ 今を楽しんだ。


マティアスが眺めているタブレットのスクリーンでは、
別室の冷たそうな床に、マティアスが座っているのとお揃いのゴシック様式の椅子が置かれ黒光りしている。背もたれが垂直を強調したシンメトリーな形が非常に禁欲的な椅子だが、いずれの部屋でも欲望的に使用されていた。
性奴隷のジャスパーは、旦那さま方のように座らせてはもらえていない。
座面に置かれたクッションに顔を預け、床に膝をつき裸の尻を高く上げさせられている。
クッションに預けている、ナイフのようなエキゾチックな顔は、恥ずかしさと不安でサーモンピンクのチークに染まっている。

調教師がジャスパーに近づき、何かを囁くと耳の裏から背中までのラインをキスで辿った。
最後に尻に恭しくキスを落とすと、
抗菌手袋に覆われた指を、床に置かれたホーローの洗面器に張られている液体に浸した。
濡れた指が行き着くのは、ジャスパーのアヌスだ。褐色の皮膚と、皺と内肉の薄いピンク色のコントラストが素敵な尻穴を、調教師の指が潤していく。

そして、その穴にエネマシリンジのシリコンチューブのノズルがスルリと飲み込まれていった。
異物感にジャスパーの体が微かに震える。
もう片方のチューブの尻弁は、洗面器に張られた液体の中に沈んでいる。水と金属の和音が響き、ジャスパーの手がクッションを固く握る。

「力を抜け、ジャスパー」
調教師は一言声をかけると、チューブの中央のゴム球を握った。
「あぅぅ…」肛門内に体温よりも低い温度が流れ込んできたのであろう。
ジャスパーのオニキスアイが揺れ、閉じられた瞼の中に隠れてしまった。


レマ・サバクタニ ルームでは、
肉便器の奉仕と映像の刺激的な内容が相まって、旦那さま方が吐く息はどれも、むわりとしている。
その色情的熱気は、最新の空調システムが吸い上げ、
外に吐き出され、空に溶けて無くなっていった。