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第二章 バヤールの町
18.絶望※
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「その……あれだ。 めちゃくちゃ効くことは効くが、味に改善の余地があるってことで……」
苦笑いをしながら言うアルシェに、しかめっ面をしながらヴァレルがいう。
「リュ、リュカが作ったもんなら、なんでも美味しいよ?」
先程のリアクションはどこへやら、全く信用できないフォローをした。
「もういいよ。 そんな気を使わなくて。 皆の反応見てわかってるよ。 それに僕だって美味しいと思って食べてるわけじゃないんだから」
「リュカぁ~」とべそをかきながら寄ってくるヴァレルの様子には皆見慣れたらしい。第2次隊の騎士メンバーは当然ながらヴァレルよりも年上ばかり。休憩中の肩慣らしでは「さすが首席騎士合格者だ」と、一目置かれるが、リュカの前だと途端にブラコンになるギャップが微笑ましいらしい。二人の同行が刑罰だとは皆すっかり忘れていた。
「ったく、この味を平気な顔して食べるなんて、俺特製の煮込みを『美味い』って食べたのも、全くアテにならねぇなぁ」
「え? 隊長の煮込み?」
ぴくりとヴァレルが反応したが、リュカもアルシェも気づかない。
「ヒドイ。 人を味覚音痴みたいに言って。 あ、そうだ。 僕のオリジナルレシピの固形ポーションもあるんですが、そっちの方がアルシェさんにはお口に合うかもしれませんね? 口直しに食べてみます?」
「おう、そうか? じゃあちょっと試しに…………うげぇぇぇぇぇ!!」
ひょいと口に入れた直後に、悶絶するアルシェを見て、アルシェとヴァレル以外が笑い転げる。
「あははは!! これ、まっずいよねー!! 僕もはじめてリュカにもらった時、毒盛られたかと思ったもん!! もう、酸味と苦味の最悪のバランスっ!!」
声が出ないアルシェに変わり、ギーがひーひー言いながら解説する。
「え? そんなに? そりゃたしかにちょっと酸っぱくて苦いけど……」
アルシェを少しからかうだけのつもりだったのに、逆にショックを受けるリュカだった。
◇
それ以来、気さくに話しかけてくる兵士も増えてリュカにとってはますます居心地が良くなった。
リュカもギーも医療の知識はないものの医療班に教わり、簡単な処置や薬の処方をする。時には移動中に生薬を生成し調合することもあった。
もちろん皆が皆好意的というわけではなく、苦々しい目で見ていく者もいたが、それでも魔塔にいた時よりかはずっと過ごしやすい。
「なんか朝から喉の調子が悪くて……」
「鍛錬してたら、怪我しちゃいました!」
「お腹の調子が……」
人目を気にして、小さくなりながら魔塔で働いていたときが嘘のようだった。エロアからの呼び出しも、無茶な仕事の押しつけもない。
だがそれでも、ふとした拍子に誰かに見られているような恐怖に囚われることがある。振り返ってみてもだれもいない。
馬車やテントの中でうとうとしていると過去の記憶が呼び起こされ、うなされて目が覚める。何が現実で何が夢なのかわからない。そしてヴァレルの笑顔を見てほっとして、「今が現実だ」と自分に言い聞かせるのだ。
かつて寮や食堂で。そしてこの移動中も度々リュカに甘えながら抱きついてきてくれるヴァレルの体温を思い出し、顔が赤くなる。
身体はこんなにも汚れているというのに、ヴァレルがわずかでも触れてくれるだけで幸せを感じ、下腹が疼いた。
「ねぇ、ギー? ヴァレル見なかった?」
馬車での移動中、リュカは嫌な夢を見ていた。目覚めると夢の記憶はなく、ただ不安な気持ちだけが残っていた。
「あれ? そう言えばいないね? いつもだったらリュカが馬車降りると直ぐに現れるのに」
人に聞きながら探すと、川で馬に水をやっていた。
「ヴァレル!! よかった、どこにいるのかと思った」
ほっとして近づくが、ヴァレルの反応がいまいち良くない。
「あぁ、なんか用?」
「え……用ってわけじゃ……ないけど……ただ顔が見たくて……」
明らかに冷たい反応にリュカは傷つく。
「あぁ、そう。 用がないなら俺行くから」
そう言って、皆の方へと馬を連れて行ってしまうヴァレル。明らかにヴァレルは自分を避けている態度だった。
日は傾きかけ、太陽が沈む前にと皆は野営の準備をしていた。自分も戻るべきなのだが、先程見た夢とヴァレルの態度に傷ついてその場に座り込む。
ヴァレルはなにを怒っているんだろう。自分はなにをしてしまったんだろう。
最近の楽しかった気分がすっかり消え失せていた。膝を抱えてこぼれる涙を隠す。
気がつけばあたりは暗くなっていた。皆に心配をかけてもいけない。涙を拭いて戻ろうとすると、黒い影がリュカの前に立ちふさがった。
3人の男性。すぐに囲まれた。普段からリュカとは距離を置いて、馬鹿にしたような目で見てくる騎士たちだった。
「おやおや、お姫様は今夜のお相手にどうも振られたらしい」
「あのヴェルマンドのガキとケンカでもしたぁ?それともアルシェ隊長?」
「可哀想に今日は俺たちがお相手してあげますよ」
「あの……ヴァレルもアルシェ隊長もそんなんじゃないですし、隊へ戻るので、そこをどいてもらえますか?」
騎士だから当然リュカより身長も大きくて身体も鍛えている。そんな男達に囲まれて怖くないはずがない。だが二人をバカにされたことが悔しくて、平気なふりをして睨み返す。男と男の隙間をすり抜けようとすると、道を塞がれて肩を組まれた。ぞわっと背筋に冷たいものが走る。
「はは、おっかねぇっ!! そんな睨むなよ。 俺たちはただ、ちょっと相手してほしいだけなんだからさぁ」
「そうそう。 王都にいた時はエロア師団長、ここではアルシエ隊長にヴェルマンドのガキを手玉に取ってるその手管をちょーっとばかし俺たちも味わいたいってだけなの」
「エティエンヌに、ヴェルマンド。 大物貴族狙いかと思いきや、平民のアルシェまで相手にしてるとは恐れ入るぜ。 平民相手より、俺たち貴族相手のほうが美味しいぜ?」
「そんなことしてないっ!!」
肩に乗せられた手を振りほどく。
「おっと、魔法は使わせないぜ?」
後ろにいた男に手首を捻り上げられ、首を押さえられる。そして手錠を付けられると、リュカの体内の魔力がぐんっと重しを乗せられたように封じられた。
「やぁっぱ、犯罪者は犯罪者らしく手錠しとかなきゃなぁ?」
「やめっ!!」
リュカは口を塞がれ、後ろ手に拘束された。一人の男を下にし、尻もちをつく。身動きが取れなくなったところで、別の男がリュカの首元から服を引き裂いた。首にかけていた三色のネックレスの石が飛び散るのがリュカの目にはスローモーションで見えた。
暗闇の中でも透き通るような白い肌、ピンク色の乳首があらわになり、男たちはゴクリとつばを飲んだ。トラウザーズも下ろされ、履いていたブーツに引っかかる。その片側だけを乱暴に引き抜かれると、大きく股を割り開かれる。リュカの全身が男たちの目にさらされた。
「おい、誰からいく? すぐ突っ込めるもんなのか?」
そういって、リュカの秘部に手をのばしムリヤリ指を入れ穴の具合を確認すると、一人の男はニヤリと笑った。
「イヤイヤ言ってるのは上の口だけだな。 下の方は使い込んでそうだ」
魔力を抑えこまれ、手を拘束されていても、開かされている足は少し動く。
必死に身体をよじり、足をバタつかせると、口を封じている手が緩んだ。その手を思い切り噛む。
噛まれた男と、その叫び声に他の男二人が怯んだ隙に暴れれば、リュカの股の間にいる男に蹴りがあたった。
「こんのっ…っ!!」
ぱんっと頬を張られた。目の前にチカチカと白い光が飛んだ。
再び体勢を立て直した男たちにうつ伏せにされ、リュカの背に一人の男の尻が乗った。自らのペニスをしごき、挿入の準備をしている男がリュカの足を押さえ、もう一人の男がそれを補助した。
「あれ? おい、見ろよ。 これ」
背中に乗っている男がなにかに気づいたように、リュカの背中に絡まっている服をずらした。背中に残るたくさんの傷が男達の目にさらされる。
「なぁんだ、やっぱ嫌がっているのはフリかぁ。 こういう激しいのがリュカくんのお好みなわけねぇ」
ゲラゲラ笑う男達。
男のペニスがずぶずぶと体内に入ってきた。
(やめろ!!!! やめろ!!!! やめろ!!!!)
後孔を出入りするペニス。
強い嫌悪感に呼吸がままならなくなる。
やっとエロアから離れられるのに。
これだけ自分を守ろうとしてくれる人達がいるのに。
それに気づいた今、もうこれまでのように、この身体を好き勝手に性のはけ口として扱われるのには耐えられなかった。
心臓がどくどくと脈打ち、視界が暗くなる。身体が硬直してくるのがわかった。
「お、おい。 なんかやばくねぇ?」
穴が異常に強く締まる。挿入していた男がリュカの異変に気づき、慌てて自らのペニスを引き抜いた。
男たちが、白目をむきヒューヒューと荒い呼吸を繰り返すリュカから離れた。そして誰ともなしに逃げていく。
そして薄れゆく意識の中で慌てて駆け寄ってくる人物の顔を確認した時、リュカはぎゅっと強く目を瞑り暗い闇の中へと落ちていった。
(知られたくなかった……)
その目からは一筋の涙が流れた。
苦笑いをしながら言うアルシェに、しかめっ面をしながらヴァレルがいう。
「リュ、リュカが作ったもんなら、なんでも美味しいよ?」
先程のリアクションはどこへやら、全く信用できないフォローをした。
「もういいよ。 そんな気を使わなくて。 皆の反応見てわかってるよ。 それに僕だって美味しいと思って食べてるわけじゃないんだから」
「リュカぁ~」とべそをかきながら寄ってくるヴァレルの様子には皆見慣れたらしい。第2次隊の騎士メンバーは当然ながらヴァレルよりも年上ばかり。休憩中の肩慣らしでは「さすが首席騎士合格者だ」と、一目置かれるが、リュカの前だと途端にブラコンになるギャップが微笑ましいらしい。二人の同行が刑罰だとは皆すっかり忘れていた。
「ったく、この味を平気な顔して食べるなんて、俺特製の煮込みを『美味い』って食べたのも、全くアテにならねぇなぁ」
「え? 隊長の煮込み?」
ぴくりとヴァレルが反応したが、リュカもアルシェも気づかない。
「ヒドイ。 人を味覚音痴みたいに言って。 あ、そうだ。 僕のオリジナルレシピの固形ポーションもあるんですが、そっちの方がアルシェさんにはお口に合うかもしれませんね? 口直しに食べてみます?」
「おう、そうか? じゃあちょっと試しに…………うげぇぇぇぇぇ!!」
ひょいと口に入れた直後に、悶絶するアルシェを見て、アルシェとヴァレル以外が笑い転げる。
「あははは!! これ、まっずいよねー!! 僕もはじめてリュカにもらった時、毒盛られたかと思ったもん!! もう、酸味と苦味の最悪のバランスっ!!」
声が出ないアルシェに変わり、ギーがひーひー言いながら解説する。
「え? そんなに? そりゃたしかにちょっと酸っぱくて苦いけど……」
アルシェを少しからかうだけのつもりだったのに、逆にショックを受けるリュカだった。
◇
それ以来、気さくに話しかけてくる兵士も増えてリュカにとってはますます居心地が良くなった。
リュカもギーも医療の知識はないものの医療班に教わり、簡単な処置や薬の処方をする。時には移動中に生薬を生成し調合することもあった。
もちろん皆が皆好意的というわけではなく、苦々しい目で見ていく者もいたが、それでも魔塔にいた時よりかはずっと過ごしやすい。
「なんか朝から喉の調子が悪くて……」
「鍛錬してたら、怪我しちゃいました!」
「お腹の調子が……」
人目を気にして、小さくなりながら魔塔で働いていたときが嘘のようだった。エロアからの呼び出しも、無茶な仕事の押しつけもない。
だがそれでも、ふとした拍子に誰かに見られているような恐怖に囚われることがある。振り返ってみてもだれもいない。
馬車やテントの中でうとうとしていると過去の記憶が呼び起こされ、うなされて目が覚める。何が現実で何が夢なのかわからない。そしてヴァレルの笑顔を見てほっとして、「今が現実だ」と自分に言い聞かせるのだ。
かつて寮や食堂で。そしてこの移動中も度々リュカに甘えながら抱きついてきてくれるヴァレルの体温を思い出し、顔が赤くなる。
身体はこんなにも汚れているというのに、ヴァレルがわずかでも触れてくれるだけで幸せを感じ、下腹が疼いた。
「ねぇ、ギー? ヴァレル見なかった?」
馬車での移動中、リュカは嫌な夢を見ていた。目覚めると夢の記憶はなく、ただ不安な気持ちだけが残っていた。
「あれ? そう言えばいないね? いつもだったらリュカが馬車降りると直ぐに現れるのに」
人に聞きながら探すと、川で馬に水をやっていた。
「ヴァレル!! よかった、どこにいるのかと思った」
ほっとして近づくが、ヴァレルの反応がいまいち良くない。
「あぁ、なんか用?」
「え……用ってわけじゃ……ないけど……ただ顔が見たくて……」
明らかに冷たい反応にリュカは傷つく。
「あぁ、そう。 用がないなら俺行くから」
そう言って、皆の方へと馬を連れて行ってしまうヴァレル。明らかにヴァレルは自分を避けている態度だった。
日は傾きかけ、太陽が沈む前にと皆は野営の準備をしていた。自分も戻るべきなのだが、先程見た夢とヴァレルの態度に傷ついてその場に座り込む。
ヴァレルはなにを怒っているんだろう。自分はなにをしてしまったんだろう。
最近の楽しかった気分がすっかり消え失せていた。膝を抱えてこぼれる涙を隠す。
気がつけばあたりは暗くなっていた。皆に心配をかけてもいけない。涙を拭いて戻ろうとすると、黒い影がリュカの前に立ちふさがった。
3人の男性。すぐに囲まれた。普段からリュカとは距離を置いて、馬鹿にしたような目で見てくる騎士たちだった。
「おやおや、お姫様は今夜のお相手にどうも振られたらしい」
「あのヴェルマンドのガキとケンカでもしたぁ?それともアルシェ隊長?」
「可哀想に今日は俺たちがお相手してあげますよ」
「あの……ヴァレルもアルシェ隊長もそんなんじゃないですし、隊へ戻るので、そこをどいてもらえますか?」
騎士だから当然リュカより身長も大きくて身体も鍛えている。そんな男達に囲まれて怖くないはずがない。だが二人をバカにされたことが悔しくて、平気なふりをして睨み返す。男と男の隙間をすり抜けようとすると、道を塞がれて肩を組まれた。ぞわっと背筋に冷たいものが走る。
「はは、おっかねぇっ!! そんな睨むなよ。 俺たちはただ、ちょっと相手してほしいだけなんだからさぁ」
「そうそう。 王都にいた時はエロア師団長、ここではアルシエ隊長にヴェルマンドのガキを手玉に取ってるその手管をちょーっとばかし俺たちも味わいたいってだけなの」
「エティエンヌに、ヴェルマンド。 大物貴族狙いかと思いきや、平民のアルシェまで相手にしてるとは恐れ入るぜ。 平民相手より、俺たち貴族相手のほうが美味しいぜ?」
「そんなことしてないっ!!」
肩に乗せられた手を振りほどく。
「おっと、魔法は使わせないぜ?」
後ろにいた男に手首を捻り上げられ、首を押さえられる。そして手錠を付けられると、リュカの体内の魔力がぐんっと重しを乗せられたように封じられた。
「やぁっぱ、犯罪者は犯罪者らしく手錠しとかなきゃなぁ?」
「やめっ!!」
リュカは口を塞がれ、後ろ手に拘束された。一人の男を下にし、尻もちをつく。身動きが取れなくなったところで、別の男がリュカの首元から服を引き裂いた。首にかけていた三色のネックレスの石が飛び散るのがリュカの目にはスローモーションで見えた。
暗闇の中でも透き通るような白い肌、ピンク色の乳首があらわになり、男たちはゴクリとつばを飲んだ。トラウザーズも下ろされ、履いていたブーツに引っかかる。その片側だけを乱暴に引き抜かれると、大きく股を割り開かれる。リュカの全身が男たちの目にさらされた。
「おい、誰からいく? すぐ突っ込めるもんなのか?」
そういって、リュカの秘部に手をのばしムリヤリ指を入れ穴の具合を確認すると、一人の男はニヤリと笑った。
「イヤイヤ言ってるのは上の口だけだな。 下の方は使い込んでそうだ」
魔力を抑えこまれ、手を拘束されていても、開かされている足は少し動く。
必死に身体をよじり、足をバタつかせると、口を封じている手が緩んだ。その手を思い切り噛む。
噛まれた男と、その叫び声に他の男二人が怯んだ隙に暴れれば、リュカの股の間にいる男に蹴りがあたった。
「こんのっ…っ!!」
ぱんっと頬を張られた。目の前にチカチカと白い光が飛んだ。
再び体勢を立て直した男たちにうつ伏せにされ、リュカの背に一人の男の尻が乗った。自らのペニスをしごき、挿入の準備をしている男がリュカの足を押さえ、もう一人の男がそれを補助した。
「あれ? おい、見ろよ。 これ」
背中に乗っている男がなにかに気づいたように、リュカの背中に絡まっている服をずらした。背中に残るたくさんの傷が男達の目にさらされる。
「なぁんだ、やっぱ嫌がっているのはフリかぁ。 こういう激しいのがリュカくんのお好みなわけねぇ」
ゲラゲラ笑う男達。
男のペニスがずぶずぶと体内に入ってきた。
(やめろ!!!! やめろ!!!! やめろ!!!!)
後孔を出入りするペニス。
強い嫌悪感に呼吸がままならなくなる。
やっとエロアから離れられるのに。
これだけ自分を守ろうとしてくれる人達がいるのに。
それに気づいた今、もうこれまでのように、この身体を好き勝手に性のはけ口として扱われるのには耐えられなかった。
心臓がどくどくと脈打ち、視界が暗くなる。身体が硬直してくるのがわかった。
「お、おい。 なんかやばくねぇ?」
穴が異常に強く締まる。挿入していた男がリュカの異変に気づき、慌てて自らのペニスを引き抜いた。
男たちが、白目をむきヒューヒューと荒い呼吸を繰り返すリュカから離れた。そして誰ともなしに逃げていく。
そして薄れゆく意識の中で慌てて駆け寄ってくる人物の顔を確認した時、リュカはぎゅっと強く目を瞑り暗い闇の中へと落ちていった。
(知られたくなかった……)
その目からは一筋の涙が流れた。
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