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眼鏡と売国奴と王子
34.価値と罰と賓客
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「ってことで~~~、いやぁ~ミスっちゃいましてね~」
「あっしも、同じようなもんで~~」
「「あははははははははっ」」
何でこいつ等はそんなに楽しそうに奴隷に売られた経緯を喋っているのだろうか。
このコロシアム、奴隷商の事を聞こうとしたらまさかの武勇伝を聞かされる羽目になるなんてな。殆ど聞いてないけど。
ついさっきまで一緒に戦った奴二人、正確にはただ立ってただけの二人に聞いた話では、このコロシアムが俺が最初に探そうとしていたメインイベントである"奴隷選抜コロシアム"という物らしい。
奴隷にはもちろんその人間の特性を生かした価値がある為それぞれのジャンルで区切られているらしい。
それでもこのコロシアム。ようは奴隷同士の対戦は別格らしく、来客した暇を持て余した貴族共の見せ物と兼用している。
オリオセージ出身の俺から見ても腐ってるななんて思ったが、ただの柄が贈呈具として召喚されて掌グルリンッされたオリオセージも大概だった事に気が付いた。
「という訳で、俺達も頑張ってアピールして貴族共に気に入られないと処分されるってことです」
「ほう・・・。え? 処分?」
「そりゃーそうっすよ。あっし達はこの国、奴隷違法の国じゃあ居場所なんてないんですから」
居場所か。かなり物騒な事を平然と言っていたからスルーしそうになったが、二人の言う通りだと思った。
このアインドルゼでは奴隷は違法と禁止されている。
けれど、ここにいる奴等のほとんどはきっと好きで奴隷になった人間達じゃないだろう。そんな連中にとって、この国でこんな半分殺し合いのような事を強制されて不要だと判断されたら保身の為に処分される。なんて滅茶苦茶な話しだ。
そんな事を思っているとふと考え込んでしまう。
俺も、もしルビヤに捨てられたり、俺が元オリオセージの騎士兵でアインドルゼの人間を数えきれない程殺し続けた事がバレでもしたらどうなるのだろうか。
少なくとも今の充実した生活は、もう望めないだろう・・・。
「あっ! お~~い、脱獄者~!」
「あん!? なんだよ!!?」
なんだよ、想いに耽っている途中に。
「ひぃ・・す、すみません。その・・賓客様からの面会要請を」
「面会? 賓客?」
賓客ってなんだ? そんな顔をしていると奴隷二人が目を輝かせている事に気が付いた。
「流石ですよ! 脱獄さん!!! VIP様ですよVIP様!!」
「そりゃー脱獄さんの力見りゃ声も掛かりますわな!!」
「「あはははははははっ」」
一々笑い合うの本当にやめてくれ、うるせぇ。
VIP? 賓客だがなんだか知らんがそんなとこに行く暇は・・・。
「ささっ!! 俺達もすぐにそっちに向かいやすので」
「脱獄さんは一足先に待ってて下さいよ~~」
「何で押すお前等!!」
「いや、だってぶっちゃけこのままいくと俺達脱獄さんと戦う羽目になるんですもん」
「そゆこと、絶対に勝てないってわかってるんで、正直助かりました!!」
あーなるほどね!! こいつ等馬鹿だななんて思ってたけど、しっかりその辺考えてたのね!なんだかんだで頭の回る奴等なのね!馬鹿だったの俺の方か!
そうじゃーーーない!!
「では、こ、こちらにお願いします」
「「いってらっしゃいませ~~!!」」
「おいーーーー!!!!」
こちらの有無を言わせないまま俺は追い出されるような形で待合室を追い出された。その場で固まってしまっていると案内人が困惑している顔でこちらを見ている。終始困惑してるのは俺だっつうの。
でも考えてみればこれは奴隷にとっては名誉な事である。という解釈でいいのだろう。そして今俺は遺憾ながら奴隷という扱いでここまで来ている。
つまりは・・・。
「今・・・行きます、はい」
こうして俺はなんだか知らんけど貴族の賓客様とやらに気に入られたのか、奴隷同士の戦いから一足先に脱出する事になったのだった。
ただただ流されるがままに状況が一転し続けて、脳も身体も心も完全に置いてけぼりを食らっている。
第一目標である調査が全く出来ていない。現状「何か、情報は?」なんて聞かれた時にはなんて答えればいいんだ。
ウェルカムドリンクが美味しかった! ウェイターが凄くエッチだった!!
奴隷糞程弱かった!! 奴隷達と仲良くなったよ!!
うん、絶対に飯を抜かれる。いや、それで済めばいいってレベルだわ。
どうしよう、変な汗を掻いてきた。頭の中はもう何の罰が待ち受けているかって事しか考えられない。
こ、これが噂に聞く。パワハラへの恐怖心というやつか。
騎士兵時代にパワハラを受けていた自殺した同期を思い出してしまい背筋が凍ってしまう。
「こちらです」
「ハイィイィ!!!」
はっ!!
何処から声が出たんだ俺は。 とんでもない高音、日頃の発生練習の成果がこんなところでお披露目する羽目になるなんて思っても見なかった。
「どうぞ」
案内人が扉をノックし、部屋から返事が返ってきた。
そうだ!!
俺はまだ罰を受けると決まったわけじゃない!!
この貴族だか、賓客だか、ブップだが知らないが、俺を呼び付けた奴に色々と聞けばいいじゃないか。少なくてもあっちは俺にきっと好印象を今の所もっているはず。
頑張れ俺!! 牢獄中もしっかりとコミュニケーション上達の本をたくさん読んだんだ、おかげでシアマ村の人達とも上手く会話が出来たじゃないか、そうだ!! 俺なら出来る!!!
気を取り直して俺は、開けられた扉を元気良く入った。第一印象は大事って本で読んだ!!
「失礼します!! 脱獄と呼ばれています!! 特技はえーっと!!えーと! えーー。・・・あぇ?」
扉を抜けた先、あまりにも別の空間で俺は口が開きっぱなしになってしまった。
「どうしたのかしら? 中へお入りなさい」
開いた口が塞がらないとはまさにこの事だった。
中には仮面を付けた一人の小柄な・・少女?? は、まだ良い百歩譲って。
「あの・・・この、その・・・"ユニーク"な格好をしている方々は」
ウェルカムドリンクを貰った破廉恥な格好とは桁違いの存在が居た、いや存在達が居た。
もはや隠すとかどうこうの話しをすっ飛ばしている連中が俺に目線を向けてくる。仮面で顔を隠して恥部隠さずって奴?やだー、ただの変態さん達だよこれ~。
「ユニーク・・・ふふふ、私の"奴隷"達をそう言ってくれたのはあなたが初めてよ」
ふ~~~~ん。奴隷さん達でしたか~~。
俺は、異質な空間に迷い込んでしまったようだ・・・。
「あっしも、同じようなもんで~~」
「「あははははははははっ」」
何でこいつ等はそんなに楽しそうに奴隷に売られた経緯を喋っているのだろうか。
このコロシアム、奴隷商の事を聞こうとしたらまさかの武勇伝を聞かされる羽目になるなんてな。殆ど聞いてないけど。
ついさっきまで一緒に戦った奴二人、正確にはただ立ってただけの二人に聞いた話では、このコロシアムが俺が最初に探そうとしていたメインイベントである"奴隷選抜コロシアム"という物らしい。
奴隷にはもちろんその人間の特性を生かした価値がある為それぞれのジャンルで区切られているらしい。
それでもこのコロシアム。ようは奴隷同士の対戦は別格らしく、来客した暇を持て余した貴族共の見せ物と兼用している。
オリオセージ出身の俺から見ても腐ってるななんて思ったが、ただの柄が贈呈具として召喚されて掌グルリンッされたオリオセージも大概だった事に気が付いた。
「という訳で、俺達も頑張ってアピールして貴族共に気に入られないと処分されるってことです」
「ほう・・・。え? 処分?」
「そりゃーそうっすよ。あっし達はこの国、奴隷違法の国じゃあ居場所なんてないんですから」
居場所か。かなり物騒な事を平然と言っていたからスルーしそうになったが、二人の言う通りだと思った。
このアインドルゼでは奴隷は違法と禁止されている。
けれど、ここにいる奴等のほとんどはきっと好きで奴隷になった人間達じゃないだろう。そんな連中にとって、この国でこんな半分殺し合いのような事を強制されて不要だと判断されたら保身の為に処分される。なんて滅茶苦茶な話しだ。
そんな事を思っているとふと考え込んでしまう。
俺も、もしルビヤに捨てられたり、俺が元オリオセージの騎士兵でアインドルゼの人間を数えきれない程殺し続けた事がバレでもしたらどうなるのだろうか。
少なくとも今の充実した生活は、もう望めないだろう・・・。
「あっ! お~~い、脱獄者~!」
「あん!? なんだよ!!?」
なんだよ、想いに耽っている途中に。
「ひぃ・・す、すみません。その・・賓客様からの面会要請を」
「面会? 賓客?」
賓客ってなんだ? そんな顔をしていると奴隷二人が目を輝かせている事に気が付いた。
「流石ですよ! 脱獄さん!!! VIP様ですよVIP様!!」
「そりゃー脱獄さんの力見りゃ声も掛かりますわな!!」
「「あはははははははっ」」
一々笑い合うの本当にやめてくれ、うるせぇ。
VIP? 賓客だがなんだか知らんがそんなとこに行く暇は・・・。
「ささっ!! 俺達もすぐにそっちに向かいやすので」
「脱獄さんは一足先に待ってて下さいよ~~」
「何で押すお前等!!」
「いや、だってぶっちゃけこのままいくと俺達脱獄さんと戦う羽目になるんですもん」
「そゆこと、絶対に勝てないってわかってるんで、正直助かりました!!」
あーなるほどね!! こいつ等馬鹿だななんて思ってたけど、しっかりその辺考えてたのね!なんだかんだで頭の回る奴等なのね!馬鹿だったの俺の方か!
そうじゃーーーない!!
「では、こ、こちらにお願いします」
「「いってらっしゃいませ~~!!」」
「おいーーーー!!!!」
こちらの有無を言わせないまま俺は追い出されるような形で待合室を追い出された。その場で固まってしまっていると案内人が困惑している顔でこちらを見ている。終始困惑してるのは俺だっつうの。
でも考えてみればこれは奴隷にとっては名誉な事である。という解釈でいいのだろう。そして今俺は遺憾ながら奴隷という扱いでここまで来ている。
つまりは・・・。
「今・・・行きます、はい」
こうして俺はなんだか知らんけど貴族の賓客様とやらに気に入られたのか、奴隷同士の戦いから一足先に脱出する事になったのだった。
ただただ流されるがままに状況が一転し続けて、脳も身体も心も完全に置いてけぼりを食らっている。
第一目標である調査が全く出来ていない。現状「何か、情報は?」なんて聞かれた時にはなんて答えればいいんだ。
ウェルカムドリンクが美味しかった! ウェイターが凄くエッチだった!!
奴隷糞程弱かった!! 奴隷達と仲良くなったよ!!
うん、絶対に飯を抜かれる。いや、それで済めばいいってレベルだわ。
どうしよう、変な汗を掻いてきた。頭の中はもう何の罰が待ち受けているかって事しか考えられない。
こ、これが噂に聞く。パワハラへの恐怖心というやつか。
騎士兵時代にパワハラを受けていた自殺した同期を思い出してしまい背筋が凍ってしまう。
「こちらです」
「ハイィイィ!!!」
はっ!!
何処から声が出たんだ俺は。 とんでもない高音、日頃の発生練習の成果がこんなところでお披露目する羽目になるなんて思っても見なかった。
「どうぞ」
案内人が扉をノックし、部屋から返事が返ってきた。
そうだ!!
俺はまだ罰を受けると決まったわけじゃない!!
この貴族だか、賓客だか、ブップだが知らないが、俺を呼び付けた奴に色々と聞けばいいじゃないか。少なくてもあっちは俺にきっと好印象を今の所もっているはず。
頑張れ俺!! 牢獄中もしっかりとコミュニケーション上達の本をたくさん読んだんだ、おかげでシアマ村の人達とも上手く会話が出来たじゃないか、そうだ!! 俺なら出来る!!!
気を取り直して俺は、開けられた扉を元気良く入った。第一印象は大事って本で読んだ!!
「失礼します!! 脱獄と呼ばれています!! 特技はえーっと!!えーと! えーー。・・・あぇ?」
扉を抜けた先、あまりにも別の空間で俺は口が開きっぱなしになってしまった。
「どうしたのかしら? 中へお入りなさい」
開いた口が塞がらないとはまさにこの事だった。
中には仮面を付けた一人の小柄な・・少女?? は、まだ良い百歩譲って。
「あの・・・この、その・・・"ユニーク"な格好をしている方々は」
ウェルカムドリンクを貰った破廉恥な格好とは桁違いの存在が居た、いや存在達が居た。
もはや隠すとかどうこうの話しをすっ飛ばしている連中が俺に目線を向けてくる。仮面で顔を隠して恥部隠さずって奴?やだー、ただの変態さん達だよこれ~。
「ユニーク・・・ふふふ、私の"奴隷"達をそう言ってくれたのはあなたが初めてよ」
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