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第6章 招待されただけなのに
6-5 引き返せない世界
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「えっ。メイ。気絶しちゃったよ」
「ちょっとスマホ見せなさい。……メイちゃん、あなたスタンガンの強さ8になってますよ」
「かわいそうに……」
「大丈夫?」
僕は誰かがほおを叩く感触と共に目を覚ました。
「あー良かった」
「良かったじゃないよ、メイ。…ほらー首の所、火傷したみたいになってるよ」
「……」
「ごめんなさいね。私がついておきながら」
3人があたふたとしている様子が、僕の目に映った。
「ちょっと、あなたなんか文句ある? あなたが悪いんだからね、行かないなんて駄々こねるから」
スタンガンへの恐ろしさを知った僕は、この2人に逆らえなくなった。まだダメージが残っていたが、逆らわないことをアピールするために立ち上がった。
「結果オーライみたいね。トレイニーさん立ったから、もう行きなさい」
先生に促され、2人に連れられた僕は、休憩室の端を目指して歩き始めた。
ぼーっとした意識の中、大勢の視線を感じつつ、プリンセスたちに引っ張られるまま歩いた。もう引き返せない妙な世界に足を踏み入れたことを自覚しながら……。
食堂の端に着くと、右側の壁に扉があった。これまでの壁とは違って、一般家庭のお風呂の扉のようだった。
その扉の向こうには、巨大なシャワールームのような部屋があった。
部屋の中央に天井から床まで伸びる鉄パイプのようなものがあって、リードはそこに繋がれた。
「ふうー、ようやく着いた」
メイはいかにも疲れたと言うふうに、しゃがみこんだ。
僕は自分が固定された位置から前を見た。
目よりも少し高い位置に手枷のようなものがぶら下げられており、さらにその向こうにはカーテンレールがあって、カーテンで仕切られるようになっていた。
もう1つ向こうにはシャワールームとは別世界といった感じの通路があり、そこの床は高級そうなカーペットが敷かれていた。
スタンガンの痛みがひかない僕は、その場に座り込んだ。
改めてパイプに繋がれたリードを見ると、自分はもう人間ではいられないのではないかという不安感と屈辱感がわいてきた。
「ちょっとスマホ見せなさい。……メイちゃん、あなたスタンガンの強さ8になってますよ」
「かわいそうに……」
「大丈夫?」
僕は誰かがほおを叩く感触と共に目を覚ました。
「あー良かった」
「良かったじゃないよ、メイ。…ほらー首の所、火傷したみたいになってるよ」
「……」
「ごめんなさいね。私がついておきながら」
3人があたふたとしている様子が、僕の目に映った。
「ちょっと、あなたなんか文句ある? あなたが悪いんだからね、行かないなんて駄々こねるから」
スタンガンへの恐ろしさを知った僕は、この2人に逆らえなくなった。まだダメージが残っていたが、逆らわないことをアピールするために立ち上がった。
「結果オーライみたいね。トレイニーさん立ったから、もう行きなさい」
先生に促され、2人に連れられた僕は、休憩室の端を目指して歩き始めた。
ぼーっとした意識の中、大勢の視線を感じつつ、プリンセスたちに引っ張られるまま歩いた。もう引き返せない妙な世界に足を踏み入れたことを自覚しながら……。
食堂の端に着くと、右側の壁に扉があった。これまでの壁とは違って、一般家庭のお風呂の扉のようだった。
その扉の向こうには、巨大なシャワールームのような部屋があった。
部屋の中央に天井から床まで伸びる鉄パイプのようなものがあって、リードはそこに繋がれた。
「ふうー、ようやく着いた」
メイはいかにも疲れたと言うふうに、しゃがみこんだ。
僕は自分が固定された位置から前を見た。
目よりも少し高い位置に手枷のようなものがぶら下げられており、さらにその向こうにはカーテンレールがあって、カーテンで仕切られるようになっていた。
もう1つ向こうにはシャワールームとは別世界といった感じの通路があり、そこの床は高級そうなカーペットが敷かれていた。
スタンガンの痛みがひかない僕は、その場に座り込んだ。
改めてパイプに繋がれたリードを見ると、自分はもう人間ではいられないのではないかという不安感と屈辱感がわいてきた。
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