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二話
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「ミラお嬢様、またその姿で散歩に行くんですか? 」
私専属のメイドのマリアに呆れたように言われる。
「ちょっと、体を動かしたいの。 すぐ戻ってくるわ。」
「そんな呑気に、、、。いつかばれてしまいますよ!もっと危機感を持っry、、「じゃあ行ってくるね!!」
マリアのお説教が始まる前に、私は急いで外に出た。
「もう!マリアは心配性なんだから、、、。」
実は私には転生者の他にも、ひみつがある。
「みてみて、ママ!あそこににゃんこがいるよー!!」
「ほんとねぇ、真っ白くて綺麗な猫ちゃんねぇ」
『みー、、』
私はこっちを指差しながら会話をしている親子に向かっていった。
「わぁ!にゃんこがこっちに来てくれた!!
か、可愛い!!」
「人懐っこい子ねぇ、飼い猫かしら、、。」
親子に撫でられている真っ白な猫。
その猫こそが私、ミラ・カルディアであり、私の最大の秘密なのである。
この「猫になれる」というスキルを持っているということは、家族と一部の信頼におけるものにしか、知られていない。
さっき、声をかけてきたメイドのマリアは、秘密を知る数少ない中の1人であり、私が出歩くことで秘密がばれてしまうのでは、と心配していたのである。
なぜ、そこまでこのスキルを秘密にしているかというと、理由は簡単、「目立つから」である。
そもそも、スキル持ちは少なく、異世界からやってきた聖女であるヒロインを含めて、片手で足りるほどしかいない。
だから、「猫になれる」という地味で役立たないスキルでも、スキル持ちというだけで目立ってしまうのだ。
目立ってしまうと、穏やかな老後を送るという夢が遠のいてしまう!!
そして、その貴重なスキル持ちは皆、神殿に保護されてしまうのだ。
そのことを前世の乙女ゲームの記憶から知っていた私は、自分がスキル持ちだとわかった5歳の時、すぐに家族に相談をした。
家族は、前世という奇妙な話を気味悪がることなく聞いてくれ、転生者の私を「どんなことがあっても私たちの娘なのだから」と受け入れてくれた。
もともと、親バカだったこともあり、私が「神殿に行きたくない」というと、私のスキルを秘密にし、守ってくれると約束してくれたのだ。
17歳になった今でもスキルは誰にもばれていない。
そんな私の「猫になれる」というスキルは、聖女の「傷を癒す」やある賢者の「人の心を読む」というスキルに比べると、地味で役に立たない。
だが、目立ちたくない私にとっては、最高のスキルであった。
猫の姿になれば誰の目も気にせず、外でのんびりできるし、令嬢の姿では出来ない日向ぼっこや木登りまでできる!!
今日もお気に入りの学園の隅にある庭で日向ぼっこをしようと、散歩に出かけた。
いつも誰もおらず、日当たりのいい庭は最高の昼寝スポットなのである!
昼寝を楽しみにルンルンで庭へ向かうと、、、
いつもとは違い人影が見える。
「誰だろう?」
私専属のメイドのマリアに呆れたように言われる。
「ちょっと、体を動かしたいの。 すぐ戻ってくるわ。」
「そんな呑気に、、、。いつかばれてしまいますよ!もっと危機感を持っry、、「じゃあ行ってくるね!!」
マリアのお説教が始まる前に、私は急いで外に出た。
「もう!マリアは心配性なんだから、、、。」
実は私には転生者の他にも、ひみつがある。
「みてみて、ママ!あそこににゃんこがいるよー!!」
「ほんとねぇ、真っ白くて綺麗な猫ちゃんねぇ」
『みー、、』
私はこっちを指差しながら会話をしている親子に向かっていった。
「わぁ!にゃんこがこっちに来てくれた!!
か、可愛い!!」
「人懐っこい子ねぇ、飼い猫かしら、、。」
親子に撫でられている真っ白な猫。
その猫こそが私、ミラ・カルディアであり、私の最大の秘密なのである。
この「猫になれる」というスキルを持っているということは、家族と一部の信頼におけるものにしか、知られていない。
さっき、声をかけてきたメイドのマリアは、秘密を知る数少ない中の1人であり、私が出歩くことで秘密がばれてしまうのでは、と心配していたのである。
なぜ、そこまでこのスキルを秘密にしているかというと、理由は簡単、「目立つから」である。
そもそも、スキル持ちは少なく、異世界からやってきた聖女であるヒロインを含めて、片手で足りるほどしかいない。
だから、「猫になれる」という地味で役立たないスキルでも、スキル持ちというだけで目立ってしまうのだ。
目立ってしまうと、穏やかな老後を送るという夢が遠のいてしまう!!
そして、その貴重なスキル持ちは皆、神殿に保護されてしまうのだ。
そのことを前世の乙女ゲームの記憶から知っていた私は、自分がスキル持ちだとわかった5歳の時、すぐに家族に相談をした。
家族は、前世という奇妙な話を気味悪がることなく聞いてくれ、転生者の私を「どんなことがあっても私たちの娘なのだから」と受け入れてくれた。
もともと、親バカだったこともあり、私が「神殿に行きたくない」というと、私のスキルを秘密にし、守ってくれると約束してくれたのだ。
17歳になった今でもスキルは誰にもばれていない。
そんな私の「猫になれる」というスキルは、聖女の「傷を癒す」やある賢者の「人の心を読む」というスキルに比べると、地味で役に立たない。
だが、目立ちたくない私にとっては、最高のスキルであった。
猫の姿になれば誰の目も気にせず、外でのんびりできるし、令嬢の姿では出来ない日向ぼっこや木登りまでできる!!
今日もお気に入りの学園の隅にある庭で日向ぼっこをしようと、散歩に出かけた。
いつも誰もおらず、日当たりのいい庭は最高の昼寝スポットなのである!
昼寝を楽しみにルンルンで庭へ向かうと、、、
いつもとは違い人影が見える。
「誰だろう?」
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