大アジア戦争

29話 交渉

              29話　交渉

巡洋艦2隻、貨物船1隻、油送船1隻2カ月の大航海
で目的地に到着。ドイツによる歓迎と言う名の
船舶調査が始まり代表団は陸上で夜を過ごした。
同じ夜イギリスでチャーチルと数人が報告を受け
不機嫌を深めていた・・・
海峡を北に進む日本艦隊と判っていても戦争をし
て無い上に小艦隊を撃沈しても利益は少ない・・
資源の無い日本は大量の軍事資材を送れ無い。
政治的軍事的判断として攻撃無しは適切な判断、
だが感情は別だ怒りが湧く、表に出せない怒りが。

ゴムや錫、ニッケル、クロム、モリブデン、バナ
ジュウム、アルミニュウム等が貨物船に満載。
朝報告を受けたヒトラーは上機嫌、日本も不足して
るはずの産業原料をこれほど送って来たとは・・
国防軍と技術者連中は反対するだろうが日本の力を
ソ連に向けられるなら要望は出来るだけ叶えよう。
代表団は忙しい。
歓迎と対談と言う名の探り合いで7日が過ぎた。
貨物船が空になるとようやくドイツ側と受領項目
の交渉が始まった。
工場見学と交渉の繰り返しで2週間・・・
残るはヒトラーの決断。1942年6月20日交渉妥結。

戦車、航空機、部隊間連絡等に使用する無線機の
技術と現物、技術者2名の派遣。

各種照準器の技術と現物。

航空機エンジン技術とホルテン兄弟の派遣。

各種高精度工作機械。

対戦車兵器の技術提供。

ハインケル社製ジェットエンジン技術と現物。

レーダー技術情報の提供。

経済訪問団という名前だが実質は軍事技術支援
要請団、日本とドイツはもちろん他国も知る事。
潜水艦技術は将来機会を見て行うと意見が一致。
付属書でチェコからの大型機械輸入に許可が出た。
訪問団の6名が残り、チェコからの輸入努力開始。
日本軍快進撃は驚きだったが日本の状況が不明、
やっと帰国出来る。
1942年6月28日　出港。