大アジア戦争

16話 占領軍政

              16話　占領軍政

大兵力に驚き急速撤退したソ連軍、損害避けてゆっくり侵攻日本軍。
油田も工場も車両も建物もそのまま状態、ついでに住民までそのまま。
驚いたのは住民。空が晴れたら外にいるのは日本軍・・・
住民は後回し、今は石油だ！
数年前石炭液化に失敗し東条に怒鳴られ解散した石油研究班に再度の
緊急呼びだし、技術者は震えた、Ｎ少佐の大腿を撃った噂を思いだす。
「懐かしいな諸君！」東条は上機嫌。
「油田施設の調査と再稼働、もちろん再稼働が優先である。さらに
中規模の精製施設が稼働出来るかの調査、無ければ諸君が建設だ。
任務は重大である！場所はもちろん樺太である」
1942年3月5日、早くも石油技術者24名が油田に着こうとしていた。

6日、　再稼働どころか現在稼働中の中規模精製所3カ所を接収し管理。
樺太軍団の燃料の全量を賄える事が判明した。
鉱山も地図ごと手に入り、炭鉱も生産を再開し経済が動き始めた。
本土からの会社進出を禁止し利権の拡大を防止。
樺太軍団は北樺太に根拠地を建設し宗谷海峡の向こうを睨む・・・
今、軍団が大陸に渡っても南下して行く場合の補給が不足する。
牽引車の数が足らないし物資も無い。
北樺太は軍票経済で動き出し食料は別経済で本土から供給。

樺太戦争は大成功。
信州で1月16日から建設中の長大な重車両組み立て工場が価値を持つ。
10ｔクレーンが走行し、一部に60トンクレーンも在る。ほぼ完成。
エンジン工場はすでに完成、だが工作設備は何も無い・・・
想定は400馬力エンジンの大量生産、これはＴ34と同じ馬力。
ドイツから完全体のＴ34を手に入れたい。
110馬力エンジンの量産は信州で始まり組み立て全量を賄えるのも近い。
重車両組み立て工場は20を計画、ライン数は40。
労働力は輸出先を失った軽工業から女子労働者の転用で充足する。
大規模計画が実行されつつある現在も履帯式牽引車の量産は増大。
原材料の鉄鋼は海軍向けより流用。海軍の鉄は多すぎる・・・

ラムジェット戦闘機開発は離陸用個体ロケットが先に完成し生産工場
の最終調整中。対戦車ロケット弾に流用可能かも知れない。
まだまだ日本の戦争遂行能力は低い・・・
樺太占領にソ連で報道無し、スターリン無反応・・・日本語では黙殺。

大日本帝国、ドイツに経済代表団派遣を打診・・・