大アジア戦争

3話 大本営命令

            3話　大本営命令

混乱の中、作戦中の部隊に対し帰還命令を下命した陸軍と海軍の
各司令部は全部隊帰還中の報告に胸をなでおろしていた・・・
攻撃中止命令は想定の内であったのだが外交状況好転せずの現状
で中止命令。しかも大本営による最優先の命令・・・
いかなる理由によるのかの疑心暗鬼に陸軍省と海軍省は包まれた。
外務省内部で対米戦争に秘密裏に邁進していた高級公務員は愕然。
陸軍と海軍が大作戦を開始したと確認し喜んでいたのに・・・
直ぐに理由を突き止め、戦争中止に動かした人物を排除せねば・・

東条となった元派遣社員は身を守る為、勅命が出た後、すぐに憲兵隊
司令部に外務省、内務省、陸軍、海軍に在籍あるいは関係する人物の
動向に最優先監視を要望した。
日本後回しの者達を放置出来ない、病院で精観しつつ考えを進める、
一番先に陸軍内部を綺麗に、2番に外務省、3番に海軍をそうじする。
少将以上の階級をどう排除するか・・・
帝国が今後取るべき方策を出させよう、回答の難点と欠陥を突いて
責任追及し追い出す！
大本営命令で方策を出させる事が肝要だ・・・
本音を気付かれたらきっと誰かに殺される。
宮中内で大本営に要望するしか無いだろう・・・

閣議が開かれた。
病院から、いくらか記憶障害の在る事を知らされたのか各大臣の顔は
優れない・・・総理が何を言いだすか・・・
「国難に際し政治家として大臣として今後の方策に考えを持っている
と想う、対米戦争は軍人として政治家として国の誤りと信じてる。
しかし・・・どうすれば道が開かれる展望は・・・無い・・・
諸君の知恵で政府として状況打開に努めたい」
みな黙っている、1年も前から考えて出無かった打開策、今さら・・・
沈黙の5分後
「判っている、そこで軍を含めて打開策を募ろう、と想う・・・
諸君の中に異論は在るかな？」
半数の大臣は不満顔だが残りは気を緩めた・・・
責任が分散するのは政治家として今回は有利・・・

秘密裏に東条から大本営に打開策提出を少将以上に命令するを要望。
8日大本営命令、打開策提出期限12月15日。