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序章
第6話 冒険者にならない?
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「ここで待ってれば良いのか」
俺はレッドストーンの回収が終わり、広場にある噴水の場所でユキ達が来るのを待機していた。
奴らの取引場所を襲撃するまでにかかった時間は大体2時間ぐらいだろうか。
ここから距離もかなりあった為、かなりの時間を要してしまったが、丁度良かったようだな。
そんな事を考えながら待っていると、ユキらしき人物と冒険者達が俺の元にやって来る。
「あ、アレンさん! お待たせしてすみません!」
「いえいえ、私も先ほどここに来たばかりですよ。それで、レッドストーンに関する情報は集まりましたか?」
「い、いえ、残念ながら皆んなで手分けをして探したのですが、情報は殆ど集まりませんでした」
そう言ってユキは悲しそうな表情を浮かべている。
ユキの後ろにいる冒険者達も同様、哀愁が漂っている。
「仕方ないよ~、やっぱり情報屋に頼らないと見つけられないし……」
「まあでも! また次入手すれば良いんじゃねえか! かなりの低確率だが、モンスターを討伐していればいつかは入手出来るだろう!」
そう言い冒険者達はユキを慰めている。
まあ、もう俺はそのレッドストーンを持っているんだがな。
「慰めの所悪いが、レッドストーンはもう俺の手元にあるぞ」
「ええええ!? ど、何処でレッドストーンを手に入れたんですかアレンさん!」
「盗人の場所を魔法で特定してな、そこを襲撃してレッドストーンを手に入れた」
「ま、魔法が使えるのですか!?」
「ああ、すまない、少しお喋りが過ぎたようだな。あと一つ、お前達に話さなければいけない事があるのだが……このレッドストーンを渡す事は出来ない」
俺がユキ達にそう言い放つと、ピリッと空気が張り詰める。
ユキは困惑した様子でオロオロしているが、後ろにいる冒険者達は怒りの表情を俺に向けている。
「それはどういう事だ!」
「落ち着いて聞いてくれ冒険者よ。このレッドストーンという宝石はかなり危険な物でな。お前たちが持っていては周りに被害が及ぶのだよ」
「危険だと!? それはどういう事だ?」
「お前達は「黒神」という組織を知っているか?」
「ええ、知っているわよ~」
「このレッドストーンは奴らが最も欲している宝石なのだよ。つまり、この宝石を持っていれば奴らに襲われる危険があるし、方法によっては暗殺者を雇う可能性もある。今回は盗人に盗まれて良かったな」
俺がそう言うと、先ほどまであった怒りの表情は消え、何かに怯えるかのような表情になっている。
「すまない、少し怖がらせてしまっ……」
「いえ、あなたの言う通りでしょう」
俺は少々言い過ぎたと思い、言い方を変えようとすると、ユキが前に立ち、リーダーのような喋りで会話を進めていく。
「この宝石、やはり危険な物なんですね。アレンさんの目を見れば分かります。嘘はついていない」
「分かってもらえたようで助かります。でらこちらのレッドストーンは俺が保管……」
「ですが、一つ条件があります」
そう言うとユキは俺の前に立ち、服の裾を掴んで俺に条件を提示してくる。
「アレンさん! 冒険者になりませんか?」
俺はレッドストーンの回収が終わり、広場にある噴水の場所でユキ達が来るのを待機していた。
奴らの取引場所を襲撃するまでにかかった時間は大体2時間ぐらいだろうか。
ここから距離もかなりあった為、かなりの時間を要してしまったが、丁度良かったようだな。
そんな事を考えながら待っていると、ユキらしき人物と冒険者達が俺の元にやって来る。
「あ、アレンさん! お待たせしてすみません!」
「いえいえ、私も先ほどここに来たばかりですよ。それで、レッドストーンに関する情報は集まりましたか?」
「い、いえ、残念ながら皆んなで手分けをして探したのですが、情報は殆ど集まりませんでした」
そう言ってユキは悲しそうな表情を浮かべている。
ユキの後ろにいる冒険者達も同様、哀愁が漂っている。
「仕方ないよ~、やっぱり情報屋に頼らないと見つけられないし……」
「まあでも! また次入手すれば良いんじゃねえか! かなりの低確率だが、モンスターを討伐していればいつかは入手出来るだろう!」
そう言い冒険者達はユキを慰めている。
まあ、もう俺はそのレッドストーンを持っているんだがな。
「慰めの所悪いが、レッドストーンはもう俺の手元にあるぞ」
「ええええ!? ど、何処でレッドストーンを手に入れたんですかアレンさん!」
「盗人の場所を魔法で特定してな、そこを襲撃してレッドストーンを手に入れた」
「ま、魔法が使えるのですか!?」
「ああ、すまない、少しお喋りが過ぎたようだな。あと一つ、お前達に話さなければいけない事があるのだが……このレッドストーンを渡す事は出来ない」
俺がユキ達にそう言い放つと、ピリッと空気が張り詰める。
ユキは困惑した様子でオロオロしているが、後ろにいる冒険者達は怒りの表情を俺に向けている。
「それはどういう事だ!」
「落ち着いて聞いてくれ冒険者よ。このレッドストーンという宝石はかなり危険な物でな。お前たちが持っていては周りに被害が及ぶのだよ」
「危険だと!? それはどういう事だ?」
「お前達は「黒神」という組織を知っているか?」
「ええ、知っているわよ~」
「このレッドストーンは奴らが最も欲している宝石なのだよ。つまり、この宝石を持っていれば奴らに襲われる危険があるし、方法によっては暗殺者を雇う可能性もある。今回は盗人に盗まれて良かったな」
俺がそう言うと、先ほどまであった怒りの表情は消え、何かに怯えるかのような表情になっている。
「すまない、少し怖がらせてしまっ……」
「いえ、あなたの言う通りでしょう」
俺は少々言い過ぎたと思い、言い方を変えようとすると、ユキが前に立ち、リーダーのような喋りで会話を進めていく。
「この宝石、やはり危険な物なんですね。アレンさんの目を見れば分かります。嘘はついていない」
「分かってもらえたようで助かります。でらこちらのレッドストーンは俺が保管……」
「ですが、一つ条件があります」
そう言うとユキは俺の前に立ち、服の裾を掴んで俺に条件を提示してくる。
「アレンさん! 冒険者になりませんか?」
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