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第89話 じゃあ応援を呼んじゃおっか!

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 《剣聖》のスキルに龍力が合わさったらこんなにも強くなるのか。
 
 私はクルスから距離を取り魔法を展開しようとしたその時、再び剣を突き刺そうと迫ってくる。
 
 《ブリザード》
 
 私は氷の壁を発動させ防ぐとクルスは剣を何度も私に向け攻撃してくるのだった。
 
 その攻撃を防ぎきるが、クルスの攻撃のスピードは徐々に上がっていく……。
 
 まずいな……このままだといずれ私の魔力が尽きてしまう、どうしようかと悩んでいると横からローゼの攻撃が繰り出される。
 
 《ナイトメア》
 
 ローゼが展開した影から巨大な手の型をした影が2つ現れる。

 その影の手は私を捕まえようと襲い掛かってくる。
 
 「ちっ! これは避けられない!」
 
 絶望の淵に立たされたその時、横から炎の魔法が飛んでくる。
 
 その魔法は影の手を貫き、そのままローゼに直撃したのだった。
 
 すると私の目の前に3人の人物が現れる。

 その人物は私がよく知る人物であった……。
 
 「もう! 無理しないでって言ったのにラゼル!」
 
 「今の危ないところだったよね~、ねえエリック~」
 
 「ああ、少し遅れてたらやばかったな」
 
 現れたのはリズ、エリック、レズリタの3人であった。

 先ほどいた竜の方に視点を戻すと既に討伐しているようだ。

 だが近衛騎士団や冒険者の姿が見えない所を見ると被害が大きかったのだろう。
 
 「ごめん、助かったよ3人とも」
 
 「後は私たちに任せなさい!」
 
 リズがそう声を張って返事をすると他の2人も臨戦態勢に入り、戦闘を始める。

 3人の戦闘は熾烈を極めるものだった。
 
 剣と影の龍力がぶつかり合い、その衝撃は周りをも破壊していく。

 そしてレズリタの魔法がクルスに襲い掛かりそれを防ぎきるといった形になっていた。
 
 「おいローゼ! この状況じゃあ僕たちは負けてしまうぞ!」
 
 「あはははは! 確かにやばいねぇ~! じゃあ応援を呼んじゃおっか!」
 
 するとローゼは両手を合わせて呟く。
 
 《来い》 すると黒い渦から様々な種族の魔物が出現する。

 やはり目的は街の破壊だったみたいだ……。
 
 「くそ! 魔物を召喚しやがったぞあいつ!」
 
 魔物達は一斉に私たちに襲い掛かる。

 さらに《ナイトメア》によって作られた影の手も襲いかかってくるので厄介だ。

 するとクルスが勝ち誇った顔をしながら私にこう呟いてくる。
 
 「姉さん、これで僕らの勝ちだ」
 
 このままじゃクルスやローゼにやられてしまう。

 そう思った私は今ある魔力を駆使してスキルを組み合わせて発動する。
 
 《毒糸ッッッ!》
 
 私の持っている《ポイズン》と《星糸》を組み合わせて発動する。

 こうすることで毒を纏った糸はあの魔物達にも届くはずだ。

 放たれた毒糸は魔物を拘束するように巻き付きその毒で魔物達は溶けていく。

 リズ達に当たらないように調整しながら私はスキルを発動していく。
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