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第50話 王都の温泉に行く

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 私の言葉を聞きリスタは目を輝かせ喜ぶ。
 
 まるで子供のように喜ぶ姿は、さっきまで騎士団長としてキビキビとした対応をしていた様子とは違いギャップについ驚いてしまう。
 
 「ありがとう、ラゼル」
 
 そして私とリスタは明日のスケジュールを確認をし、リスタは私たちに別れの挨拶を告げるとそのままどこかへ行ってしまった。
 
 明日リスタとご飯か……なんだか緊張するな……。

 そんな中横ではリズ達がはしゃいでいる様子だ。
 
 「え?騎士団長とご飯に行けるんですか! すご!」
 
 「流石ラゼルね!」
 
 「夢みたいだ……本当に明日あるのか?」
 
 3人が目を輝かせながらそんな会話を繰り広げている。

 エリックとレズリタはまだ信じられない感じでいるようだ。
 
 それはそうだよな、国王と会った後に王国騎士団団長からお誘いを受けることなんてありえないことだから。
 
 でも現実に今起こっている、まだ実感は無いが夢を見ているみたいだ。
 
 3人の顔を呆けた顔で見ているとレズリタが私を抱きしめてくる。
 
 「ラ~ゼル~すごいよ~!」
 
 感動を体全体で表すようなレズリタ。

 ちょっと私も照れてしまうな......。
 
 そんな大騒ぎの中リズがなにか思い出したように口を開く。
 
 「とりあえず今日は温泉でも行こう! そんでラゼルのデートが終わったら武器屋でも魔法の本でも見に行きましょ!」
 
 リズの言葉に同意し私たちは体を休めることに決定した。
 
 そして私たちは城下町を歩いていきお目当ての温泉に向かって行く。
 
 「そういえば温泉ってどこにあるの?」
 
 私はふと疑問に思い言葉を放つと、リズは手を叩いて答える。
 
 「王都から少し外れの方にあるの! 自然も豊かで気分転換にはうってつけ! きっと気に入ると思うよ!」
 
 そう自信ありげにリズは語る。

 確かに温泉といえば自然とセットだからな、自然と共存した作りならきっと気持ちの良いはずだ。
 
 「飯もうまいんだぜ!」
 
 「凄くおいしいよ~」
 
 エリックとレズリタからも高評価のようだ、『うまい』というワードを聞くたびに心が躍る。
 
 やがて私たちは馬車に乗り目的地へ向かった。

 馬車にゆられること20分、温泉宿が見えてくる。

 辺りが薄暗くなり始めた頃に私達は目的地に到着することができた。
 
 外観は落ち着いていて建築の木の良さを感じる綺麗な建物、そして竹林に囲まれて少しレトロな感じが醸し出された木造造りだ。

 中からは微かな湯気とかけ流すような水の音、いかにも素晴らしい景色を連想させる十分なシチュエーションだった。
 
 リズ達も目的地に到着すると心が躍っている様子だ。
 
 私も馬車から降りた時に見えている温泉は綺麗だな~と見とれてしまったものだ。

 それほど目の前の温泉は素晴らしいものなのだから3人がはしゃぎ出す気持ちは分かる。
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