異世界転移したら～彼女の"王位争い"を手助けすることになった件～最強スキル《精霊使い》を駆使して無双します～

2章

第31話 私の想像以上に良い動きしてたわよタツキ！

　俺は連続で炎の魔法を放つがリーザは完璧にガードして後ろに飛び、更に体を回転させて回し蹴りを俺に繰り出す。

　俺も負けじと剣でガードするが後方に吹っ飛ばされる。まじで強すぎるぜ。
　
　隙の無い攻撃とガードの技術、これに加速も合わされば大抵のやつは歯が立たないだろ。

　するとリーザが口を開く。
　
　「良い魔法の使い方だわ、戦い方も悪くない……でもまだまだ未熟ね」
　
　そう言ってリーザは地面に落ちている石を思いっきり蹴ると凄まじい威力の石が真っ直ぐに俺の方へ飛んでくる。

　咄嗟に俺はガードをするが一発当たってしまう。

　まじでこの人チート過ぎませんか？

　多分蹴る直前に魔力を石に纏わせているんだろう。

　でなければ蹴った衝撃とは思えないくらいの威力にはなるはずがない。
　
　そしてリーザは一気に加速して俺の方へ向かってくる。

　俺は剣を横に振るがガードされると同時にリーザは俺の剣を蹴り飛ばす。

　そして俺の首元に小型の剣を突きつける。
　
　「あなたの負けよ、でもいい動きはしてたわ」
　
　「リーザさん強すぎです」
　
　いやー完敗だよ完敗。

　どうやっても勝てる相手ではなかったな……すると観客席にいたソフィアがやってくる。

　観客席から俺らの戦いを見ていたのだろう。

　そしてソフィアは俺の方を見て口を開いた。
　
　「私の想像以上に良い動きしてたわよタツキ！」
　
　「あ、ありがとう……」
　
　まさか褒められるとは思っていなかったので嬉しいのやら恥ずかしいのやら複雑な気持ちになるのだった。
　
　それから俺らは無事模擬戦を終えて訓練所を後にするのだった。
　
　馬車に乗るとリーザはいつも通りの表情に戻る。

　さっきまでの威勢は何処へって感じだな……。

　俺は馬車に乗りながらそんなことを思う。

　するとソフィアが口を開いた。
　
　「今日はもう遅いから私の邸宅に行くわよ」
　
　え？ まじかよ、ソフィアの邸宅とか絶対豪邸だろ！？

　 そんなことを考えているとどうやら大切な話しがあるらしい。

　どんな話しかは詳しく教えて貰えなかったが明日はとある公爵に挨拶に行くそうだ。
　
　ちなみにその公爵は東側に土地を治めており、かなりの実力者だとのこと。

　その人は公爵位を継いでからすぐに領地を安定させたらしい。

　今は公爵領での魔物討伐や治安維持に力を入れて領地を治めており、現国王からは特に信頼されている公爵だそうだ。

　そんな話をソフィアから聞いているうちに馬車が止まり御者の人がドアを開ける。
　
　どうやら目的地に着いたらしい。

　そして俺は馬車から顔を出すと目の前の屋敷の大きさに驚く。