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2章

第21話 アトール伯爵を私の勢力に迎え入れる為よ

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「今回ここに来た理由はアトール伯爵を私の勢力に迎え入れる為よ」
 
「で、殿下、それは......」
 
 勢力……?俺は聞き馴染みのない言葉に少し考え込んでしまう。
 
 まあそりゃこの屋敷の持ち主なら権力もあるだろうし、ローレスト王国に自分の勢力を持っておきたいと思うのも当然だろう。
 
 でもソフィアはなんで勢力増やそうとするんだ?

  俺がそんなことを考えているとはアトール伯爵が口を開く。
 
 「つまり王位争いに参加して欲しいということですね......」
 
 「そういうことよ」
 
 王位争いということは次の王位を誰が継ぐかで揉めているらしい。
 
 だからソフィアは王位争いに勝つために、勢力を増やそうとしているのか。
 
 「しかし私は王位争いに参加している場合ではないのです。私の領土ではモンスターが大量発生しており、その対応に追われているのです」
 
 どうやらアトール伯爵の治める領土ではモンスターが大量に発生しているらしい。

 そのせいで領地が荒れているんだそうだ。

 だから冒険者に依頼して解決をしようとしているが、冒険者が全く足りていない。

 そういう問題があってアトール伯爵はどうやら王位争いに参加するつもりはないらしい。
 
 するとソフィアは笑顔で口を再び開く。
 
 「でしたら私の後ろにいるメイド、リーザが解決致します」
 
 俺はその発言に驚愕する。

 さっきまで俺の後ろで控えていた黒髪のメイドがアトール伯爵の領土にいる魔物問題を解決できると言っているからだ。

 俺はオークと戦っているからそんな簡単に解決できる問題ではないと思っている。

 するとリーザというメイドは口を開く。
 
 「三日間あれば解決できます」
 
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