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目が覚めると、そこは教室だった。
カーテンの隙間から差し込む夕日の光に照らされ、眠い目を擦りながら考える。
あぁ、高熱の時に見た夢の世界か…
ぼんやりした視界がはっきりしてくると。
「おはよ、よく寝てたみたいだね。いつもこんなに寝てるの?」
「っは…?!」
ガタガタと音をたてながら椅子から落ちてしまう。
「そんな驚くっ?!」
しょうがないだろう、寝ぼけてて目の前の席に人が座っていることに気付いていなかったんだ。
「アンタ、あん時の、」
こないだの夢の時の金髪センターわけだ。
「あぁ、良かった!覚えてくれてたんだね!」
心底嬉しそうに顔を綻ばせる。
あれ、この顔何か見たことある気がする。
「まぁ、面識のないはずのイケメン様がこっちを凝視してたら忘れられねぇよ。」
勝手に口が動いた、あれ、この人友達じゃなかったのか、普通に手振っちゃったじゃねぇか。
てか今気付いたが口が悪い気がする。
こっちの世界に口調が引っ張られてるのかもしれない。
「いやぁ、イケメン様とか、そんなそんな。」
彼は照れたように謙遜する。
「で、王子様が俺に何のようなんだ?」
ややぶっきらぼうに聞いてみる。
「もぉ、王子様とかやめてよ。知ってると思うけど、俺蔦里向、向って呼んでよ。」
あぁ、そうだそうだ、思い出した。
こいつは蔦里 向(つたさと むかい)、この高校の王子様的立ち位置、見た目と紳士的な性格も相まってそれはもうモッテモテ、スクールカースト上位者だ。
「わかった、で、向は俺に何のようなんだ?」
言い直し再度用を聞く。
「えっと、実はね、俺友達が欲しくてさ、良かったら俺と友達になってほしいなって。」
わぁお、王子様が小学校低学年みたいなお友達申請をしてきたではありませんかぁ。
「えっ、失礼だな!君と同い年だぞ!高校2年生だぞ!!」
おっと、口に出てたようだ。
「ふははっ、お前面白いね。良いよ、なろ?お友達。」
向は一瞬目を見開き、にっこりと満面の笑みで俺の手を強引に取り握手した。
「お友達なのは良いんだけどよ、向は友達なんて困らないだろ?何で俺なんだ?」
純粋な疑問だ、聞いてみる。
「んーとね、俺さ、学校で王子様~なんて言われてるからさ、中々素で接する相手が居なくて。でも、自然に手を振ってくれた君なら、って思って。」
なるほど、演技してたら疲れちゃったんだな。
スクールカースト上位者のイケメンは可哀想だ。
「なるほどな、じゃ、俺には素で接しろよ。」
「うん!ありがと!川道っ!」
これまた満面の笑みだ。イケメンの笑顔は眩いなぁ。
てか何で俺の名前知ってるんだろ、持ち物でも見たのかな。
「お前らぁ、はよ帰れぇ!」
気付いたら結構時間がたっていたようだ、巡回にきた担任に注意されてしまう。
「「はぁーい」」
2人で返事をし、一緒に帰るか、と一緒に行けるところまで行こうとする。
「うん!」
返事をされたところで、そろそろ時間切れのようだ、どんどん目の前が暗くなる。
あ、こいつの顔、ヘディに似てるんだ、とわかったとき、完全に意識は途絶えた。
カーテンの隙間から差し込む夕日の光に照らされ、眠い目を擦りながら考える。
あぁ、高熱の時に見た夢の世界か…
ぼんやりした視界がはっきりしてくると。
「おはよ、よく寝てたみたいだね。いつもこんなに寝てるの?」
「っは…?!」
ガタガタと音をたてながら椅子から落ちてしまう。
「そんな驚くっ?!」
しょうがないだろう、寝ぼけてて目の前の席に人が座っていることに気付いていなかったんだ。
「アンタ、あん時の、」
こないだの夢の時の金髪センターわけだ。
「あぁ、良かった!覚えてくれてたんだね!」
心底嬉しそうに顔を綻ばせる。
あれ、この顔何か見たことある気がする。
「まぁ、面識のないはずのイケメン様がこっちを凝視してたら忘れられねぇよ。」
勝手に口が動いた、あれ、この人友達じゃなかったのか、普通に手振っちゃったじゃねぇか。
てか今気付いたが口が悪い気がする。
こっちの世界に口調が引っ張られてるのかもしれない。
「いやぁ、イケメン様とか、そんなそんな。」
彼は照れたように謙遜する。
「で、王子様が俺に何のようなんだ?」
ややぶっきらぼうに聞いてみる。
「もぉ、王子様とかやめてよ。知ってると思うけど、俺蔦里向、向って呼んでよ。」
あぁ、そうだそうだ、思い出した。
こいつは蔦里 向(つたさと むかい)、この高校の王子様的立ち位置、見た目と紳士的な性格も相まってそれはもうモッテモテ、スクールカースト上位者だ。
「わかった、で、向は俺に何のようなんだ?」
言い直し再度用を聞く。
「えっと、実はね、俺友達が欲しくてさ、良かったら俺と友達になってほしいなって。」
わぁお、王子様が小学校低学年みたいなお友達申請をしてきたではありませんかぁ。
「えっ、失礼だな!君と同い年だぞ!高校2年生だぞ!!」
おっと、口に出てたようだ。
「ふははっ、お前面白いね。良いよ、なろ?お友達。」
向は一瞬目を見開き、にっこりと満面の笑みで俺の手を強引に取り握手した。
「お友達なのは良いんだけどよ、向は友達なんて困らないだろ?何で俺なんだ?」
純粋な疑問だ、聞いてみる。
「んーとね、俺さ、学校で王子様~なんて言われてるからさ、中々素で接する相手が居なくて。でも、自然に手を振ってくれた君なら、って思って。」
なるほど、演技してたら疲れちゃったんだな。
スクールカースト上位者のイケメンは可哀想だ。
「なるほどな、じゃ、俺には素で接しろよ。」
「うん!ありがと!川道っ!」
これまた満面の笑みだ。イケメンの笑顔は眩いなぁ。
てか何で俺の名前知ってるんだろ、持ち物でも見たのかな。
「お前らぁ、はよ帰れぇ!」
気付いたら結構時間がたっていたようだ、巡回にきた担任に注意されてしまう。
「「はぁーい」」
2人で返事をし、一緒に帰るか、と一緒に行けるところまで行こうとする。
「うん!」
返事をされたところで、そろそろ時間切れのようだ、どんどん目の前が暗くなる。
あ、こいつの顔、ヘディに似てるんだ、とわかったとき、完全に意識は途絶えた。
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