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出生の土地
・大寒波期・
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村では亜種の襲撃を警戒しつつも大寒波期を待つこととなった
もちろん大寒波期が来るまで間、指をくわえているだけというわけではない
村への対策も終え、今度は迎え撃つべく準備をする狩人たち
とはいえ、狩猟をするわけではない
頭の良い兎狒々は人の2歳ほどの知力があると言われているので、人に対して警戒をしてもらう為の威嚇である
木材を切り出し、狩猟用の鏃を用意したりと遊撃、遠距離中心に武具を準備する
挑むにあたり誘導隊・遊撃隊・索敵隊と3つの小隊を組み村の外へと配置に着き狩人のリーダーが前に立ち指示を出す
「えぇ、各小隊に告ぐ皆も知っている通り私が亜種を見たレベリィです。通常の兎狒々違い、色、サイズとも違い同種を捕食していた。私たち人が到底かなわない存在だと推測する。つまり、私たちは狩るのではなく撃退に全力を注ぐ!以上健闘を祈る。」
リーダーが話を終え各小隊は持ち場に着き目撃した雑木林へと探索しに行く
冠熊の時と違い、各小隊の数は3人程度で機動力を重視した形となっていて
特に索敵部隊は徒歩ではなくこの地域独特の鳥にソリを引っ張ってもらい移動する
村からさほど、離れていない雑木林に到着した索敵小隊は迂回をして水飲み場へ
ソリを引っ張るダチョウに似た鳥は中型犬ほどの大きさで器用に木々の間をすり抜けていく
すぐさま水飲み場に着いた3人の索敵小隊が驚いた
「おぃおぃ・・・こりゃマジかよ。話以上にデカいじゃないか。」
始めてみた兎狒々の亜種の存在に畏怖する索敵小隊狩人
「と、とにかくまだ、ここに居るのが分かって良かった他の小隊にも連絡をしてくる」
小隊のひとりが慌てた様子で他の小隊に連絡を取りに行く
兎狒々は見た目と名前に反して耳はさほど良くないが、警戒を怠らずに仲間が連絡を取りに行っている間は身を低くし
付近の枝を利用して道具を使い簡易式の罠を作りつつ
兎狒々亜種の様子を注視するとどうやら捕食した際に浴びた血を水辺で洗っているように見える
その様子に安堵をし自身の作業を最優先する
耳が良くないとはいえ、見つかってしまっては元も子もない
内心早く仲間が来ないかとびくつきながら焦らず確実に作業を進める
少し経ち仲間が駆けつける
仲間の小隊も雑木林へ入り、亜種を包囲する形で配置に着く
リーダーが亜種に見えるところへ立ち声を張り問う
「兎狒々よ!人の言葉を理解できるのなら、どうかこのまま人里から去ってくれないか!さすれば、私らは危害を加えないと誓おう!」
グォッ!?
兎狒々亜種が気づき、少し動きが止まった思った途端に立ち上がり周囲の匂いを鼻を動かし嗅いだと思えば、身体をクルッと振り向きノシノシと去っていった
「・・・言葉が通じたのか?」
リーダーは少し震えた声で安堵し、その場で崩れ震えた腕を上げ各小隊に撤退の合図を送る
威嚇の為に用意をした物は意味なくなったが、それに越したことはない
各小隊はリーダーと一緒に村へ帰路する途中、冠熊より小さい動物を狩って戻ることにする
数頭の動物を狩り村へと戻る小隊たちは無事たどり着く事ができた
ギィッ、バタンッと村の扉が開き狩人の小隊を招き入れられ村長へと報告をする
村長は安心して村が大寒波期を迎えることが出来そうと一安心する
「今年の大寒波期は前回より酷そうだから建物から出ることは出来なさそうだな・・・」
村長はひとり呟きながら報告を伝えるため集会所で待つ村人と客人の元へと向かっていった
集会所で話を聞いた村人を含めたルットクとリベルトは大寒波期に備えるため行動に移す
ルットクたちはエメリナに付き添われ、自身が宿泊している家へと向かい大寒波期に備えることにする
無事に神殿と村は亜種からの襲撃を回避することができ、大寒波期が来る前に食料を例年通り蓄えることも成功した
大寒波期がこればまず外出も難しくなり、外は猛吹雪がしばらく続く
その間、村人たちは文学に励んだり、狩猟した獣の革細工をしたりと時間を有効活用する
そんな中は共通語を学び、信頼関係が築かれたルットクとエメリナの姿があった
2人は最初こそ気ごちなかったが、この村で暮らす中徐々に仲良くなり・・・やがて恋に落ちた
リベルトの目を掻い潜り、親密な関係になっていく
異種族なのは解っていた
王位継承権はなくとも王族であるルットクと村娘
立場や位が違けど、2人には関係なかった
大寒波期が去り、時間は過ぎ・・・
ルットクが帰郷する時間も近づいてきたある日
エメリナに異変が起こる
・・・懐妊だ
その前兆は確かにあったが、エメリナは大寒波期ともあり、安定にまで見事に誤魔化した
その知らせを知った村はエメリナを受け入れて喜んだが、リベルトは顔を歪まし複雑な表情をする
それもそのはず
リベルトの立場上、王族のルットクが異種族の村娘を懐妊させたとなれば、天空の国にどう顔向けすれば良いか見当たらないのだから
もちろん、内心は長年お仕えしていたルットク様が父となるのだから両手を手放して自身のように喜んでしまいたい
リベルトは天空の国へどう知らせるべきかで頭を悩ませた
もちろん大寒波期が来るまで間、指をくわえているだけというわけではない
村への対策も終え、今度は迎え撃つべく準備をする狩人たち
とはいえ、狩猟をするわけではない
頭の良い兎狒々は人の2歳ほどの知力があると言われているので、人に対して警戒をしてもらう為の威嚇である
木材を切り出し、狩猟用の鏃を用意したりと遊撃、遠距離中心に武具を準備する
挑むにあたり誘導隊・遊撃隊・索敵隊と3つの小隊を組み村の外へと配置に着き狩人のリーダーが前に立ち指示を出す
「えぇ、各小隊に告ぐ皆も知っている通り私が亜種を見たレベリィです。通常の兎狒々違い、色、サイズとも違い同種を捕食していた。私たち人が到底かなわない存在だと推測する。つまり、私たちは狩るのではなく撃退に全力を注ぐ!以上健闘を祈る。」
リーダーが話を終え各小隊は持ち場に着き目撃した雑木林へと探索しに行く
冠熊の時と違い、各小隊の数は3人程度で機動力を重視した形となっていて
特に索敵部隊は徒歩ではなくこの地域独特の鳥にソリを引っ張ってもらい移動する
村からさほど、離れていない雑木林に到着した索敵小隊は迂回をして水飲み場へ
ソリを引っ張るダチョウに似た鳥は中型犬ほどの大きさで器用に木々の間をすり抜けていく
すぐさま水飲み場に着いた3人の索敵小隊が驚いた
「おぃおぃ・・・こりゃマジかよ。話以上にデカいじゃないか。」
始めてみた兎狒々の亜種の存在に畏怖する索敵小隊狩人
「と、とにかくまだ、ここに居るのが分かって良かった他の小隊にも連絡をしてくる」
小隊のひとりが慌てた様子で他の小隊に連絡を取りに行く
兎狒々は見た目と名前に反して耳はさほど良くないが、警戒を怠らずに仲間が連絡を取りに行っている間は身を低くし
付近の枝を利用して道具を使い簡易式の罠を作りつつ
兎狒々亜種の様子を注視するとどうやら捕食した際に浴びた血を水辺で洗っているように見える
その様子に安堵をし自身の作業を最優先する
耳が良くないとはいえ、見つかってしまっては元も子もない
内心早く仲間が来ないかとびくつきながら焦らず確実に作業を進める
少し経ち仲間が駆けつける
仲間の小隊も雑木林へ入り、亜種を包囲する形で配置に着く
リーダーが亜種に見えるところへ立ち声を張り問う
「兎狒々よ!人の言葉を理解できるのなら、どうかこのまま人里から去ってくれないか!さすれば、私らは危害を加えないと誓おう!」
グォッ!?
兎狒々亜種が気づき、少し動きが止まった思った途端に立ち上がり周囲の匂いを鼻を動かし嗅いだと思えば、身体をクルッと振り向きノシノシと去っていった
「・・・言葉が通じたのか?」
リーダーは少し震えた声で安堵し、その場で崩れ震えた腕を上げ各小隊に撤退の合図を送る
威嚇の為に用意をした物は意味なくなったが、それに越したことはない
各小隊はリーダーと一緒に村へ帰路する途中、冠熊より小さい動物を狩って戻ることにする
数頭の動物を狩り村へと戻る小隊たちは無事たどり着く事ができた
ギィッ、バタンッと村の扉が開き狩人の小隊を招き入れられ村長へと報告をする
村長は安心して村が大寒波期を迎えることが出来そうと一安心する
「今年の大寒波期は前回より酷そうだから建物から出ることは出来なさそうだな・・・」
村長はひとり呟きながら報告を伝えるため集会所で待つ村人と客人の元へと向かっていった
集会所で話を聞いた村人を含めたルットクとリベルトは大寒波期に備えるため行動に移す
ルットクたちはエメリナに付き添われ、自身が宿泊している家へと向かい大寒波期に備えることにする
無事に神殿と村は亜種からの襲撃を回避することができ、大寒波期が来る前に食料を例年通り蓄えることも成功した
大寒波期がこればまず外出も難しくなり、外は猛吹雪がしばらく続く
その間、村人たちは文学に励んだり、狩猟した獣の革細工をしたりと時間を有効活用する
そんな中は共通語を学び、信頼関係が築かれたルットクとエメリナの姿があった
2人は最初こそ気ごちなかったが、この村で暮らす中徐々に仲良くなり・・・やがて恋に落ちた
リベルトの目を掻い潜り、親密な関係になっていく
異種族なのは解っていた
王位継承権はなくとも王族であるルットクと村娘
立場や位が違けど、2人には関係なかった
大寒波期が去り、時間は過ぎ・・・
ルットクが帰郷する時間も近づいてきたある日
エメリナに異変が起こる
・・・懐妊だ
その前兆は確かにあったが、エメリナは大寒波期ともあり、安定にまで見事に誤魔化した
その知らせを知った村はエメリナを受け入れて喜んだが、リベルトは顔を歪まし複雑な表情をする
それもそのはず
リベルトの立場上、王族のルットクが異種族の村娘を懐妊させたとなれば、天空の国にどう顔向けすれば良いか見当たらないのだから
もちろん、内心は長年お仕えしていたルットク様が父となるのだから両手を手放して自身のように喜んでしまいたい
リベルトは天空の国へどう知らせるべきかで頭を悩ませた
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