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集落

出立

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ブランブランと吊るされたロープを無事に解かれ一安心をするぎんた

「ふぅ、ラクシス様、ありがとう。助かったにゃ!」

「いいえ。あっでもぎんた精霊体になってもよかったのにね?」

「あっ!そうだったにゃ」

ぎんたは眼を見開き口を開け頭の上辺りから電球のマークが付いてそうな表情をする

「ふふふっ」

思わず笑うラクシスにぎんたは手を前にし身体をクネクネさせて恥ずかしそうにする

「あっところで何してたにゃ?そんなところで家なんか建てて」

わざとらしい下手な話題の逸らし方もぎんたらしくラクシスは微笑みながら合わせる

「うん。私が連れてきた人たちの家だよ。」

「あ、あーなるほどにゃ!」

手をポンと叩きわざとらしく納得する

木の微精霊の力によりどんどんといくつも木造の建物がガコンガコン出来上がっていき気づけば、立派な家が完成していた

その光景は巨大な積み木みたいで見ているぎんたは目を輝かせて楽しんでいる

「よし、完成した。微精霊のみんなありがとうね。」

ラクシスは微精霊にお礼をいい、ポメタッタの所に完成した報告へぎんたと共に向かった

「なるほど、もう出来たのかい?早いもんじゃのぉ」

ラクシスはポメタッタに報告をし「一緒にきて」と伝えてそのままポメタッタと一緒に来た獣人・亜人を連れて新居へと案内をする

「「おぉ・・・」」「「す、すごぉ~い」」

亜人たちは予想以上に立派な木造建築に言葉を失い獣人たちは体を使って嬉しさを表現する

「さすが、ラクシス殿じゃのぉ・・・」

眼を真ん丸にして驚くポメタッタ

「どうにゃ!すごいかにゃ!?」

それに対しなぜか偉そうにするぎんた

「ふふふ」と気にしないラクシス

「これで無事・・・迎え入れることができた・・・本当にありがとう。助かったわい。」

「こちらこそ。これからよろしくお願いしますじゃ・・・」

プルプルと涙を浮かべるポメタッタとロウフの姿につられて周りの獣人・亜人も涙を流し改めてラクシスに感謝をする

なぜか左手を腰に当て右手を鼻に擦りエッヘンとポーズをとって「まぁ無事終わってよかったにゃ」と偉そうにするぎんた

お前がいうなよ!と言葉が聞こえてきそうだが、ラクシスの懐の深さでそんなことにならない

「無事、受けいれてくれてこちらこそ。ありがとう。・・・それに私も新たに旅ができる仲間が増えて嬉しいしね」

チラッとエメレッタの方を一瞥するラクシス

それに気づいたエメレッタは深々と頭を下げる、初耳のぎんたは「にゃ!?」と驚くがラクシスは「ごめんね?」と軽く謝る

「にゃ、にゃ、ラクシス様!別に気にしてにゃいから大丈夫にゃ!仲間が増えてぎんたも嬉しいにゃ!」

ぎんたは慌てて右手を顔の前でブンブン振って気にしていないアピールをする

「そうか、ありがとう。」とラクシスはぎんたの頭をポンポンと軽く叩く

頭を手にやり耳を下げて恥ずかしそうに照れるぎんたが愛くるしい

それを見て申し訳なさそうに尋ねるポメタッタ

「邪魔してすまんが、エメレッタの事で祖父として気になることがあるんじゃが、出立は今日で良いのかのぉ?」

ポンポンとしていた手を離しポメタッタに応えるラクシス

「ん?そうだね。エメレッタがいいなら私はいつでも」

「え?私の準備は出来ておりますのでいつでも」

「そうだね・・・じゃこの村ですることも終わったし、そろそろ出立しようか?」

キョトンとするエメレッタ、う~んと考えるしぐさをするポメタッタ

「・・・そうじゃな。いつまでもひっぱるわけもいかんし、それもいいかもしれんのぉ。」

「そうですね。長引けば長引くほど・・・辛くなるもんねおじいちゃん」

「ふふふ、一生会えぬわけじゃないじゃろ?ほら、選別じゃよ」

ポメタッタは首にかけていた首飾りをそっとエメレッタに背伸びをして掛けようとする

「えっ?なにこれ?」

姿勢を低くし首輪を掛けられる

「ふふふ、これはわしの祖父から預かっている大切な首飾りで何かの牙で出来た奴でのぉ、だから必ず返しに来るんじゃよ?」

何度か縦に頭を下げ頷く「ありがとう、ありがとう。」と話すエメレッタは大事に首輪の牙の部分を手に持ち握る

「気を付けていくんじゃよ?」と手を振って見送るポメタッタ

エレメッタはポメタッタとの挨拶を終え改めて村人たちと別れを告げラクシスと共に新たな目的地、エメレッタの故郷へと向かう


ーーーーこの集落へ来た時に潜った洞窟は大人数だったのに集落へ出る時は3人だけでなんだか寂しくも思うも・・・また旅での醍醐味のひとつである



「ところでどこへ向かうにゃ?」

「そうだね。今よりずっと南の砂漠地帯にある遺跡かな?」

「にゃ・・・砂漠地帯かにゃ?熱そうにゃ・・・」

「え?ぎんたさん熱いのだめ・・・そうですもんね。ハハハハッ」

作り笑顔で慰めるエメレッタ

「ぎんたは外気温とか気にならなかったよね?」

「気持ち的に熱そうだにゃ・・・ラクシス様、帰ってもいいかにゃ?」

ぎんたは靴を尖らせてラクシスにわがままをいう

「ん?わかった。いいよ」

「え?帰るって!?」

ラクシスはパチンッと指を鳴らすとふわっと光ってぎんたは帰っていった

状況を把握できていないエメレッタ戸惑ったが、ラクシスがきちんと説明して納得し

2人だけの旅が始まった











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