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守り神
陰謀
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ーーー守り神の代替わりの義が行われる数日前
月の明りが照らす夜、とある屋敷の薄暗い一室で誰かが話し込んでいる・・・
一人は複数の略綬を胸に付けた帝国の制服を着た男は半田帽を深く被っているので顔がはっきりとわからず
もう一人は白髪で緑の眼をしていて幼く見える男のふたりのようだ
「ふふふ・・・そうか」
「つまり、間もなく行われるのだよ!」
「ほぉ・・・それで、貴様は私に何を差し出す?」
「民を!」
「た、民だと!?」
表情は読めないが驚きを露わにする
「そう、我らの民だ!お主ら帝国の人族は我らを欲して居るのだろう?」
ニヒルに口元を動かす白髪の男
「・・・なるほど、それで私に何をさせようというのだね?」
「反逆だよ」
少し声を低くし囁く
「反逆だと!?」
驚愕する帝国人
「どした?まさか・・・怖気づけついたのか?」
「ふふふ、ハハハハッ!まさか私が怖気づくとでも?その逆だよ!ウリザエル殿!」
高らかに笑いながら、相手の右肩に手をやるとそれを手で弾いた
「なっ!?」
「勘違いするなよドルチェゲイス将軍!我らは対等だ!気軽に肩に触れるな!」
ウリザエルは明らかなイラつきをみせる
「お、おっとすまんすまん!つい嬉しくてな!」
ドルチェゲイス将軍は慌てて謝罪する
「ふんっ!まぁいい!我を追放したあやつに反逆できれば良いのだ!」
「ふふふっそうか・・・で、いつ向かう?」
ニヤリとするドルチェゲイス将軍
「まぁ慌てるではない、お主は解っているだろうが故郷は少し特殊でな、我とて容易に帰れぬのだよ」
「ほぉ・・・計はあるのか?」
顎に手を当てながら語るドルチェゲイス将軍
「我を未だに尊敬しておる若い奴に手招きさせ帰郷する・・・」
「なるほど・・・それで私ら帝国の軍勢でそのまま攻めると?」
「機を見て我が後に糸を引く・・・それからお主らが攻めればよいだろう?」
嬉しそうに自らの策略を語り同意を求めるウリザエル
「ふふふっ、貴様も随分と故郷に恨みでもあるのだな?まぁ、良いだろう」
「あぁ・・・そうだとも本来ならこの我が、長になるはずだったのに・・・あやつめ!」
目をキリっとさせ下唇を噛みイラつきをみせる
「まぁ、これで私はお主の同胞を奴隷に・・・」
「そして私は反逆を!」
「「ふふふ、ハハハハッ」」
ある屋敷の一室で二人の笑い声が響いていく・・・
ーーー数日後
将軍は自軍を集めウリザエルと共に計略を実行すべく口上を述べる
「私の名はドルチェゲイス=コリヤット!フリード帝国に心身を捧げし誇り高き人族である!」
剣を持つ右手を高らかに上げ目的地の方向へ振り下ろす
「今ここに盟友ウリザエルとの契りに乗っ取りこれより実行する!皆の者、あやつらの血肉すべてを御し奴隷へ落そうぞ!」
「「うぉおおおおおおおおお!」」
ドルチェゲイスの声に雄叫びをあげ同意する部下たち
「我は自身の同胞を全て貴様らに捧げる!そして我を裏切った全ての者への反逆する事をここに誓おう!そして同意し賛同してくれたドルチェゲイス将軍に感謝の意を表明する」
ウリザエルはドルチェゲイスの方へ一瞥し兵に表明した
「皆のもの!準備は良いか!?」
「「うぉぉ!」」
「覚悟は良いか!」
「「うぉぉ!」」
「参るぞ!」「「うぉぉ!」」
ドルチェゲイス将軍は部下を鼓舞させる
「いざ!行かん!未開の地、エルフ族の里へ!」
ドルチェゲイス将軍率いるウリザエルと帝国軍はエルフの森、通称濃霧の森へと侵攻していく
道中、濃霧の森まで距離は遠く何泊もしなければならない
将軍率いる50人の軍は途中、魔物を狩りつつ野宿する予定となっている
兵たちは濃霧の森の先にいるエルフに夢を見てまだかまだかと期待高ぶる・・・それほど需要のあるエルフ
知識を求めるもの、見た目の美しさに酔うもの、夜伽に使おうとするもの・・・さまざまで人族や他族にも十分価値のあることがわかる
・・・しかし、本来なら会う事すら困難な種族で出会ったとしても誇り高く精霊や妖精に寵愛されている種族ゆえ、魔法、魔導に長けており手を出してしまえば、痛い目に会うことは容易に想像がつく事ほどだ
だが、帝国に手を差し出したウリザエル
彼は同胞を恨んでおり、種族を根絶やしにしようとしている・・・
理由は定かではないが、よっぽどのことなんだろう
ーーーー
帝国を出て何泊かしたあと、しばらく進軍すると目的地の濃霧の森が見えてくる
「よしっ!ここから先は下乗し馬を置いていく!担当の者はしっかり管理しておくように!」
ドルチェゲイス将軍の指示の下、兵たちは馬から下乗をし野営用テントの準備をする
「将軍殿たちは一度、この場に控えて頂きたい!我が協力者と連絡をし道案内をさせるのでしばし待たれよ!」
ウリザエルは将軍たちと離れ一人濃霧の森へと歩んで行った
ひとりの兵が将軍に近付く
「それにしても・・・大丈夫ですかねぇ、ドルチェゲイス殿あの男は信用できるんですか?」
「ん?あー副将軍か、そうだな・・・正直ここだけの話、私は里にさえ行ければどうでもいいのだよ?」
「ほぉ・・・といいますと?」
「もし、仮にあやつが戻って来なくても、ここまで来たら森に火でも放てばよい」
「え?それだと条約が・・・」
「なに、あやつがしくじったという事にでもすればよいだろ?ハハハハッ」
「それもそうですな!ハハハハッ」
月の明りが照らす夜、とある屋敷の薄暗い一室で誰かが話し込んでいる・・・
一人は複数の略綬を胸に付けた帝国の制服を着た男は半田帽を深く被っているので顔がはっきりとわからず
もう一人は白髪で緑の眼をしていて幼く見える男のふたりのようだ
「ふふふ・・・そうか」
「つまり、間もなく行われるのだよ!」
「ほぉ・・・それで、貴様は私に何を差し出す?」
「民を!」
「た、民だと!?」
表情は読めないが驚きを露わにする
「そう、我らの民だ!お主ら帝国の人族は我らを欲して居るのだろう?」
ニヒルに口元を動かす白髪の男
「・・・なるほど、それで私に何をさせようというのだね?」
「反逆だよ」
少し声を低くし囁く
「反逆だと!?」
驚愕する帝国人
「どした?まさか・・・怖気づけついたのか?」
「ふふふ、ハハハハッ!まさか私が怖気づくとでも?その逆だよ!ウリザエル殿!」
高らかに笑いながら、相手の右肩に手をやるとそれを手で弾いた
「なっ!?」
「勘違いするなよドルチェゲイス将軍!我らは対等だ!気軽に肩に触れるな!」
ウリザエルは明らかなイラつきをみせる
「お、おっとすまんすまん!つい嬉しくてな!」
ドルチェゲイス将軍は慌てて謝罪する
「ふんっ!まぁいい!我を追放したあやつに反逆できれば良いのだ!」
「ふふふっそうか・・・で、いつ向かう?」
ニヤリとするドルチェゲイス将軍
「まぁ慌てるではない、お主は解っているだろうが故郷は少し特殊でな、我とて容易に帰れぬのだよ」
「ほぉ・・・計はあるのか?」
顎に手を当てながら語るドルチェゲイス将軍
「我を未だに尊敬しておる若い奴に手招きさせ帰郷する・・・」
「なるほど・・・それで私ら帝国の軍勢でそのまま攻めると?」
「機を見て我が後に糸を引く・・・それからお主らが攻めればよいだろう?」
嬉しそうに自らの策略を語り同意を求めるウリザエル
「ふふふっ、貴様も随分と故郷に恨みでもあるのだな?まぁ、良いだろう」
「あぁ・・・そうだとも本来ならこの我が、長になるはずだったのに・・・あやつめ!」
目をキリっとさせ下唇を噛みイラつきをみせる
「まぁ、これで私はお主の同胞を奴隷に・・・」
「そして私は反逆を!」
「「ふふふ、ハハハハッ」」
ある屋敷の一室で二人の笑い声が響いていく・・・
ーーー数日後
将軍は自軍を集めウリザエルと共に計略を実行すべく口上を述べる
「私の名はドルチェゲイス=コリヤット!フリード帝国に心身を捧げし誇り高き人族である!」
剣を持つ右手を高らかに上げ目的地の方向へ振り下ろす
「今ここに盟友ウリザエルとの契りに乗っ取りこれより実行する!皆の者、あやつらの血肉すべてを御し奴隷へ落そうぞ!」
「「うぉおおおおおおおおお!」」
ドルチェゲイスの声に雄叫びをあげ同意する部下たち
「我は自身の同胞を全て貴様らに捧げる!そして我を裏切った全ての者への反逆する事をここに誓おう!そして同意し賛同してくれたドルチェゲイス将軍に感謝の意を表明する」
ウリザエルはドルチェゲイスの方へ一瞥し兵に表明した
「皆のもの!準備は良いか!?」
「「うぉぉ!」」
「覚悟は良いか!」
「「うぉぉ!」」
「参るぞ!」「「うぉぉ!」」
ドルチェゲイス将軍は部下を鼓舞させる
「いざ!行かん!未開の地、エルフ族の里へ!」
ドルチェゲイス将軍率いるウリザエルと帝国軍はエルフの森、通称濃霧の森へと侵攻していく
道中、濃霧の森まで距離は遠く何泊もしなければならない
将軍率いる50人の軍は途中、魔物を狩りつつ野宿する予定となっている
兵たちは濃霧の森の先にいるエルフに夢を見てまだかまだかと期待高ぶる・・・それほど需要のあるエルフ
知識を求めるもの、見た目の美しさに酔うもの、夜伽に使おうとするもの・・・さまざまで人族や他族にも十分価値のあることがわかる
・・・しかし、本来なら会う事すら困難な種族で出会ったとしても誇り高く精霊や妖精に寵愛されている種族ゆえ、魔法、魔導に長けており手を出してしまえば、痛い目に会うことは容易に想像がつく事ほどだ
だが、帝国に手を差し出したウリザエル
彼は同胞を恨んでおり、種族を根絶やしにしようとしている・・・
理由は定かではないが、よっぽどのことなんだろう
ーーーー
帝国を出て何泊かしたあと、しばらく進軍すると目的地の濃霧の森が見えてくる
「よしっ!ここから先は下乗し馬を置いていく!担当の者はしっかり管理しておくように!」
ドルチェゲイス将軍の指示の下、兵たちは馬から下乗をし野営用テントの準備をする
「将軍殿たちは一度、この場に控えて頂きたい!我が協力者と連絡をし道案内をさせるのでしばし待たれよ!」
ウリザエルは将軍たちと離れ一人濃霧の森へと歩んで行った
ひとりの兵が将軍に近付く
「それにしても・・・大丈夫ですかねぇ、ドルチェゲイス殿あの男は信用できるんですか?」
「ん?あー副将軍か、そうだな・・・正直ここだけの話、私は里にさえ行ければどうでもいいのだよ?」
「ほぉ・・・といいますと?」
「もし、仮にあやつが戻って来なくても、ここまで来たら森に火でも放てばよい」
「え?それだと条約が・・・」
「なに、あやつがしくじったという事にでもすればよいだろ?ハハハハッ」
「それもそうですな!ハハハハッ」
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