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第3缶
2ー1再び。
しおりを挟む「しま??」
と不思議そうに見るミサキちゃん
「いえ、何もないですよ。ところで宿題はありましたか?」
「う~ん」
ごぞごそっ
ミサキちゃんは堂々とハッキリ
「ない!」
と応えた。
「ない!じゃないかな?忘れて来ちゃったかな?」
と先生が再度確認すると
「うーん、そうですごめんなさい!忘れて来ました。」
「そうだね。良い子だね?ちゃんと気付いて謝れたね。」
この先生と呼ばれる人は単に怒るのではなくミサキちゃん自身に気付かせる事で宿題の大事さを伝えたかったのだろう。
おそらく先生というのは上官みたいなものだろう。
ん?なんだか照れてるように見えるが気のせい?だろう。
ふふふっ私は猫だから人に聴こえる訳ないのに・・・。
「ミサキちゃん今回は大目に見ますので、隣のツバサ君がアユミちゃんにどのようにしているのか一緒に見てみましょう!それと猫ちゃんが来てしまったのは仕方ないので、その間は教壇横の椅子で私といましょう。」
「「はーい」」
ミサキちゃんたちは納得したのか元気よく先生に返事をして、言われた通りに宿題をしている。
!?
フッと、身体が浮いたと思えば、
「さて、猫ちゃんはこっちですよっ」
と抱き抱えられ私は椅子に移動させられた。
・・・
・・・暇だ。
いや、楽しそうに色々な人が宿題を見ているのは退屈ではないが、さほどする事はなく暇だ。
こんなに暇なのはいつぶりだろうか?
魔王だった頃?知将にかまっていた頃?とブツブツ漏れていた。
!!
っな、なんだ!?尻尾を左右に揺らし呆けていると
さ、殺気?!にも似た冷たく鋭い視線は・・・。
「しっ猫ちゃん落ち着いて下さい。」
!?
どうやら視線の送り主は私を抱き抱えてる先生だ。
しかし、どういう事だ?!
私の体毛がピリピリッと立ち上がり警戒する。
「警戒しないでください。殺気は失礼しましたが、ここには子供たちが居るのをお忘れなく」
確かに殺気はなくなったものの警戒心なんて解けるわけもなく、内心動揺している。
この姿になって少しは経ったからなのかは分からないが、私は心のどこかでアルフォンスやミサキちゃんと出会って安心していたかも知れない。
クソっ苦虫を噛んだような表情をしつつ、慌てて先生の膝から降りて臨戦態勢をとる。
「大丈夫、私は害が無いですよ。猫ちゃん?いや、魔王と呼ぶべきでしょうか?」
!?
ど、どういう事だ!?
焦るな、頭を回転させろ、なぜこの男は魔王と気付いた?
そもそも・・・なぜ、猫と会話が出来るのだ??
理由はとにかく現象で起きている異常事態に全ての神経を研ぎ澄まし、対応しなければ・・・
場合によっては温存していた魔術も展開しなければならない。
どこか安心しきっていた自身と現状に嫌気がさす。
「ふふふっ」
と先生は微笑んだ
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