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第4章 終わりの終わり(加藤麻美)
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最初は小さな拠り所だった。
声に出し誰かに言った訳でもない。
何の色も持たない自分の人生にほんの少し彩りを求めただけだ。亨を欲する事などしなかった。出来る筈など無い事は充分に理解していた。
ただ心の拠り所として、誰に告げる事無く抱えていただけだ。
それが今、小さな綻びが大きな絶望に姿を変えている。
夜間面会の許可を取ったのか自身でも分からなかった。気が付いた時には航基の病室のドアに手を掛けていた。
周りの病室に迷惑を掛ける事は出来ない。どんな心情を抱えようと常識的な行動を心掛ける自分がいる。極力音を立てないようにと静かに手にしたドアを引き開ける。
「麻美さん?」
昨日と変わらない。いや、数日前も数週間前も。いや、数カ月前も何ら変わらない航基の掠れた声に呼ばれる。
「起こしちゃった?」
何ら変わらない航基の声に応えるようベッド横の椅子に腰掛ける。
「寝てないよ」
「そう、良かったわ」
「麻美さん、今日も来てくれたんだね。ありがとう。待っていたよ」
薄闇の中航基の顔を覗き込む。
そこには大きく見開く事は出来ないが、精一杯の力で細く開かれた二つの目があった。
「麻美さん、ありがとう。俺を殺しに来てくれたんだね」
「何を言っているのよ」
制止するように口を挟む。
それは機械音だけが充満する静かな病室では大き過ぎる声だった。
「何を言っているのよ」
病室に似合う小声に戻し繰り返す。
本当に何を馬鹿な事を言っているのだろう。本心に違いないが何故か航基に誘導されそうになる自分もいる。
「麻美さん、家族でしょ? 俺の」
椅子に座ったままの体がびくんと跳ね上がる。
確かに家族ではある。甥と叔母。肉親に違いはないが、家族なんて言葉が航基の口から出た事にむず痒さも覚える。
「……そうよ、家族よ」
口を突いた言葉はただ航基を安心させるためのものだ。航基と同じ言葉を口にしてみたが血が通っている訳ではない。
教育実習生だった航基の父が、母である木綿子を捨て。その木綿子が航基を捨てた。そして同様に自分も航基の家族である事を降りたではないか。
ただそれは航基自身が家族だと認めていなかったからであって、航基が家族として、叔母として頼ってくれていれば、家族を降りるなんて事はしなかった。
航基が口にした家族なんて言葉には腹立たしさしか生まれない。
それは自分が口にした言葉に対しても同じだ。
「ねえ、麻美さん。ありがとう。殺しに来てくれて。ありがとう」
黙るしかなかった。
静かな機械音に負けない程の掠れた声を黙って聞くしかなかった。
「麻美さん。もう殺してくれていいよ。早く、俺を殺して。早く、俺を殺して、亨を楽にしてあげて。そして麻美さんも、楽になって」
膝に置いたバッグの柄を強く握りしめる。
どうして亨に愛されていながら死を切望する事が出来るのだろう。夫にも亨にも誰からも愛されない自分に比べればどれ程幸せな事なのか。
航基の声の裏に抱え込んだ絶望を思い出す。
ほんの少しの彩りを求めて亨を拠り所にしただけだ。
「麻美さん、早く」
さっきまで細く開いていた目はすでに閉じていた。
好き勝手な事を言い放ちいとも簡単に眠りにつけるなんて。
その時。窓から入った月の光がバッグの中で何かを青白く光らせた。
——ザクザク。
亨が刻んでいたキャベツを青白い光が呼び起こす。
膝に抱えたバッグから捻じ込まれたエプロンを引き出す。
航基を覆う毛布の上にエプロンが拡がる。
——ザクザク。
再び亨が刻むキャベツの音が耳を掠めた時。薄闇に包丁の青白い光だけが浮かび上がった。
もう静かな機械音は聞こえていない。
ただザクザクとキャベツを刻む音だけを耳にしながら薄闇に浮かぶ光を凝視しする。
手は勝手に包丁の柄を捕らえている。
薄闇の中。突っ伏したベッドから顔を上げる。
目の前にはどす黒い染みが大きく広がっている。だが月の光が差し込んだとしてもその染みの色までは判別出来ない。
ただ顔を上げたばかりで、そんな染みの色まで気に留める必要もなかった。
「麻美さん」
顔を上げたばかりのぼやけた目で振り返る。
「亨君?」
「まさか、まさか麻美さん」
驚いてはいるが突っ立ったままで亨は微動しない。
そんな亨へと見上げた目を航基のベッドへと戻す。さっきまでしっかりと掛けられていた筈のシーツと毛布が腹の上まで捲り上がっている。
航基の細い体と腕が露わになっている。
「きゃっ」
凝視した航基の体に思わず悲鳴を上げる。
航基の胸に突き立てられた包丁。そしてその包丁の柄をしっかりと握る自分の右手。
あまりの驚きにその場で気を失い、椅子から落ちそうになる。
今、目の前で血塗れになっているだろう航基の胸に包丁突き刺したのは間違いなく自分だ。
——ザクザク。
キャベツを刻む音が耳を掠める。
「私……」
すぐ側に立つ亨をもう一度見上げる。
あまりにも暗すぎてその表情までは読み取れない。
「麻美さん」
ぽつりと力なく吐いた亨の頬には二筋の光が見える。
包丁の青白い光ではない光。
「麻美さん。俺が逃げるから。俺がこのまま逃げるから。麻美さんは何も話さないで。何も言わないで下さい。麻美さんは何も知らない。……俺がこのまま逃げるから」
航基の胸に突き立てられた包丁を抜いている。ベッドに広がったエプロンで包丁を包んでいる。愛しそうに航基の顔に自分の顔を近付けている。
そんな亨の一部始終を見ながらもただ呆けるしか出来ない。
「俺がこのまま逃げます」
病室のドアを開けた亨の背中にすら掛ける言葉を見つけられない。呆然と椅子に掛けたまま病室を出て行く亨を見送る。
いつの間にかキャベツを刻む音は止んでいた。
——俺がこのまま逃げます。
代わって亨の声だけが何度も耳を掠めていた。
取り残された病室で完全に亨の姿が消えたドアを眺める。
そしてどうしようもなく震えだした自分の体を強く抱き締めた。
フロントガラスから逸らし助手席に座る祐輔へと顔を向けた。
祐輔の顔には明らかな怒りが滲んでいる。
言い訳をする材料など何一つ残されていない。自ら全てを話してしまった事。そこに後悔がある訳ではなかった。
ただそれ以上繋ぐ言葉も見つけられず黙ったままの祐輔から再び顔を背ける。上目遣いで目をやったミラーにはまださっきのタクシーが映っていた。
「あのタクシーまだ付いて来ているわね」
告白した罪から逃れる訳ではい。だがさっきは気にも留めなかったタクシーが気になり出していた。
「俺、あのタクシーの運転手知っています。さっき乗車拒否された運転手です」
「えっ? 乗車拒否って、その時何か恨みでも買ったの?」
「違います。さっき名前見たんで。あの運転手が誰か、多分、俺、知っています」
「名前?」
そう聞き返しても祐輔がそれ以上口を開く事はなかった。
吹雪の後の雪道ではあったが五十分程で平湯大滝へと着いた。
車を停めようと、大滝公園の駐車場へ進入した時。そこにはさっき追い越されたパトカーの姿があった。
七台のパトカーが乱雑に停められた駐車場を、スペースを探すためゆっくり進める。
すると停車を待たずに祐輔が飛び出していった。
スペースにはちゃんと納まっていないがエンジンを切り祐輔の背中を追う。
いつの間に駐車したのか。タクシーの運転手らしき男も祐輔の背中を追っている。
例え名所であっても吹雪ではこの大滝公園を訪れていた者はいなかったのだろう。
滝までの遊歩道には新しい足跡しかない。まだ凍り付いていないその足跡を踏みしめながら祐輔の背中を追う。
後ろを追っている事は気付いているだろうが祐輔が振り返る事はない。それはあのタクシー運転手も同じだった。一度も振り向く事なく二人が遊歩道を急ぐ。
そんな二人の姿より更に五十メートル程先。遊歩道の行き止まりには沢山の人だかりが出来ていた。パトカーを降りた刑事と警察官達。
「これ以上、進入しないで下さい!」
ようやく祐輔の背中に追いついた時。腕を伸ばした警察官に強く制止された。
「亨! 亨!」
同じ様に制止されながらも祐輔は何度も亨の名前を叫んでいる。
そんな祐輔の視線の先に目を凝らす。
制服の警察官達が腕を拡げ、制止するその頭上。白く美しい柱となった凍った滝があった。
そんな凍った滝から視線を下方にずらす。警察官が拡げる腕の隙間。その先にはまだ積もって間がないと分かる真っ白な雪が見える。
「亨、君?」
真っ白な雪の上、見覚えのある青色が目に飛び込む。
指令の声に並んだ警察官達が一斉に移動し始める。
「亨! 亨!」
隣で叫ぶ祐輔の声に見覚えのある青色が、亨のダウンジャケットの色だと確信させられる。
積もったばかりの雪の上。体を拡げ俯せに倒れ込んでいる亨。
亨の下には見覚えのあるエプロンが赤く染まっていた。
「あーーーー!」
隣で亨の名前を呼び続ける祐輔のように声を張り上げる事も出来ない。
ただ長い嗚咽と共に足は膝から崩れ落ちてしまっていた。
第4章 終わりの終わり(終)
声に出し誰かに言った訳でもない。
何の色も持たない自分の人生にほんの少し彩りを求めただけだ。亨を欲する事などしなかった。出来る筈など無い事は充分に理解していた。
ただ心の拠り所として、誰に告げる事無く抱えていただけだ。
それが今、小さな綻びが大きな絶望に姿を変えている。
夜間面会の許可を取ったのか自身でも分からなかった。気が付いた時には航基の病室のドアに手を掛けていた。
周りの病室に迷惑を掛ける事は出来ない。どんな心情を抱えようと常識的な行動を心掛ける自分がいる。極力音を立てないようにと静かに手にしたドアを引き開ける。
「麻美さん?」
昨日と変わらない。いや、数日前も数週間前も。いや、数カ月前も何ら変わらない航基の掠れた声に呼ばれる。
「起こしちゃった?」
何ら変わらない航基の声に応えるようベッド横の椅子に腰掛ける。
「寝てないよ」
「そう、良かったわ」
「麻美さん、今日も来てくれたんだね。ありがとう。待っていたよ」
薄闇の中航基の顔を覗き込む。
そこには大きく見開く事は出来ないが、精一杯の力で細く開かれた二つの目があった。
「麻美さん、ありがとう。俺を殺しに来てくれたんだね」
「何を言っているのよ」
制止するように口を挟む。
それは機械音だけが充満する静かな病室では大き過ぎる声だった。
「何を言っているのよ」
病室に似合う小声に戻し繰り返す。
本当に何を馬鹿な事を言っているのだろう。本心に違いないが何故か航基に誘導されそうになる自分もいる。
「麻美さん、家族でしょ? 俺の」
椅子に座ったままの体がびくんと跳ね上がる。
確かに家族ではある。甥と叔母。肉親に違いはないが、家族なんて言葉が航基の口から出た事にむず痒さも覚える。
「……そうよ、家族よ」
口を突いた言葉はただ航基を安心させるためのものだ。航基と同じ言葉を口にしてみたが血が通っている訳ではない。
教育実習生だった航基の父が、母である木綿子を捨て。その木綿子が航基を捨てた。そして同様に自分も航基の家族である事を降りたではないか。
ただそれは航基自身が家族だと認めていなかったからであって、航基が家族として、叔母として頼ってくれていれば、家族を降りるなんて事はしなかった。
航基が口にした家族なんて言葉には腹立たしさしか生まれない。
それは自分が口にした言葉に対しても同じだ。
「ねえ、麻美さん。ありがとう。殺しに来てくれて。ありがとう」
黙るしかなかった。
静かな機械音に負けない程の掠れた声を黙って聞くしかなかった。
「麻美さん。もう殺してくれていいよ。早く、俺を殺して。早く、俺を殺して、亨を楽にしてあげて。そして麻美さんも、楽になって」
膝に置いたバッグの柄を強く握りしめる。
どうして亨に愛されていながら死を切望する事が出来るのだろう。夫にも亨にも誰からも愛されない自分に比べればどれ程幸せな事なのか。
航基の声の裏に抱え込んだ絶望を思い出す。
ほんの少しの彩りを求めて亨を拠り所にしただけだ。
「麻美さん、早く」
さっきまで細く開いていた目はすでに閉じていた。
好き勝手な事を言い放ちいとも簡単に眠りにつけるなんて。
その時。窓から入った月の光がバッグの中で何かを青白く光らせた。
——ザクザク。
亨が刻んでいたキャベツを青白い光が呼び起こす。
膝に抱えたバッグから捻じ込まれたエプロンを引き出す。
航基を覆う毛布の上にエプロンが拡がる。
——ザクザク。
再び亨が刻むキャベツの音が耳を掠めた時。薄闇に包丁の青白い光だけが浮かび上がった。
もう静かな機械音は聞こえていない。
ただザクザクとキャベツを刻む音だけを耳にしながら薄闇に浮かぶ光を凝視しする。
手は勝手に包丁の柄を捕らえている。
薄闇の中。突っ伏したベッドから顔を上げる。
目の前にはどす黒い染みが大きく広がっている。だが月の光が差し込んだとしてもその染みの色までは判別出来ない。
ただ顔を上げたばかりで、そんな染みの色まで気に留める必要もなかった。
「麻美さん」
顔を上げたばかりのぼやけた目で振り返る。
「亨君?」
「まさか、まさか麻美さん」
驚いてはいるが突っ立ったままで亨は微動しない。
そんな亨へと見上げた目を航基のベッドへと戻す。さっきまでしっかりと掛けられていた筈のシーツと毛布が腹の上まで捲り上がっている。
航基の細い体と腕が露わになっている。
「きゃっ」
凝視した航基の体に思わず悲鳴を上げる。
航基の胸に突き立てられた包丁。そしてその包丁の柄をしっかりと握る自分の右手。
あまりの驚きにその場で気を失い、椅子から落ちそうになる。
今、目の前で血塗れになっているだろう航基の胸に包丁突き刺したのは間違いなく自分だ。
——ザクザク。
キャベツを刻む音が耳を掠める。
「私……」
すぐ側に立つ亨をもう一度見上げる。
あまりにも暗すぎてその表情までは読み取れない。
「麻美さん」
ぽつりと力なく吐いた亨の頬には二筋の光が見える。
包丁の青白い光ではない光。
「麻美さん。俺が逃げるから。俺がこのまま逃げるから。麻美さんは何も話さないで。何も言わないで下さい。麻美さんは何も知らない。……俺がこのまま逃げるから」
航基の胸に突き立てられた包丁を抜いている。ベッドに広がったエプロンで包丁を包んでいる。愛しそうに航基の顔に自分の顔を近付けている。
そんな亨の一部始終を見ながらもただ呆けるしか出来ない。
「俺がこのまま逃げます」
病室のドアを開けた亨の背中にすら掛ける言葉を見つけられない。呆然と椅子に掛けたまま病室を出て行く亨を見送る。
いつの間にかキャベツを刻む音は止んでいた。
——俺がこのまま逃げます。
代わって亨の声だけが何度も耳を掠めていた。
取り残された病室で完全に亨の姿が消えたドアを眺める。
そしてどうしようもなく震えだした自分の体を強く抱き締めた。
フロントガラスから逸らし助手席に座る祐輔へと顔を向けた。
祐輔の顔には明らかな怒りが滲んでいる。
言い訳をする材料など何一つ残されていない。自ら全てを話してしまった事。そこに後悔がある訳ではなかった。
ただそれ以上繋ぐ言葉も見つけられず黙ったままの祐輔から再び顔を背ける。上目遣いで目をやったミラーにはまださっきのタクシーが映っていた。
「あのタクシーまだ付いて来ているわね」
告白した罪から逃れる訳ではい。だがさっきは気にも留めなかったタクシーが気になり出していた。
「俺、あのタクシーの運転手知っています。さっき乗車拒否された運転手です」
「えっ? 乗車拒否って、その時何か恨みでも買ったの?」
「違います。さっき名前見たんで。あの運転手が誰か、多分、俺、知っています」
「名前?」
そう聞き返しても祐輔がそれ以上口を開く事はなかった。
吹雪の後の雪道ではあったが五十分程で平湯大滝へと着いた。
車を停めようと、大滝公園の駐車場へ進入した時。そこにはさっき追い越されたパトカーの姿があった。
七台のパトカーが乱雑に停められた駐車場を、スペースを探すためゆっくり進める。
すると停車を待たずに祐輔が飛び出していった。
スペースにはちゃんと納まっていないがエンジンを切り祐輔の背中を追う。
いつの間に駐車したのか。タクシーの運転手らしき男も祐輔の背中を追っている。
例え名所であっても吹雪ではこの大滝公園を訪れていた者はいなかったのだろう。
滝までの遊歩道には新しい足跡しかない。まだ凍り付いていないその足跡を踏みしめながら祐輔の背中を追う。
後ろを追っている事は気付いているだろうが祐輔が振り返る事はない。それはあのタクシー運転手も同じだった。一度も振り向く事なく二人が遊歩道を急ぐ。
そんな二人の姿より更に五十メートル程先。遊歩道の行き止まりには沢山の人だかりが出来ていた。パトカーを降りた刑事と警察官達。
「これ以上、進入しないで下さい!」
ようやく祐輔の背中に追いついた時。腕を伸ばした警察官に強く制止された。
「亨! 亨!」
同じ様に制止されながらも祐輔は何度も亨の名前を叫んでいる。
そんな祐輔の視線の先に目を凝らす。
制服の警察官達が腕を拡げ、制止するその頭上。白く美しい柱となった凍った滝があった。
そんな凍った滝から視線を下方にずらす。警察官が拡げる腕の隙間。その先にはまだ積もって間がないと分かる真っ白な雪が見える。
「亨、君?」
真っ白な雪の上、見覚えのある青色が目に飛び込む。
指令の声に並んだ警察官達が一斉に移動し始める。
「亨! 亨!」
隣で叫ぶ祐輔の声に見覚えのある青色が、亨のダウンジャケットの色だと確信させられる。
積もったばかりの雪の上。体を拡げ俯せに倒れ込んでいる亨。
亨の下には見覚えのあるエプロンが赤く染まっていた。
「あーーーー!」
隣で亨の名前を呼び続ける祐輔のように声を張り上げる事も出来ない。
ただ長い嗚咽と共に足は膝から崩れ落ちてしまっていた。
第4章 終わりの終わり(終)
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