王女殿下の死神

三笠 陣

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本編 王女殿下の死神

24 魔女との対峙

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「正直、俺はあの魔女がどうやって議事堂を爆破するのか、いまいち確信が持てなかった」

「うむ」

 エルフリードを横抱きにしたリュシアンは、夜の王都を跳んでいた。

「議事堂に結界は張ってないけど、魔力探知装置はある。幻影魔術の光学迷彩で姿を消して、正面から乗り込むのはまず不可能」

「うむ」

 エルフリードは、リュシアンの胸に額を押し付けるようにしている。下を見ないようにしているのだ。それに心なしか、首に回された両腕に力が籠もっているようにも思える。
 このロンダリアの王女は、高いところがあまり得意ではない。
 リュシアンもそれが判っているから、会話で彼女の高所恐怖症を誤魔化そうとしているのだ。

「でも、第一運河に面している露台テラスには探知装置がないから、そこからなら光学迷彩を使って侵入は可能。あとは、転移魔法陣そのものを議事堂内に持ち込むって方法も考えた」

「転移魔法陣? お前の手袋に描かれているようなものか?」

「うん、どこかで爆薬を爆発させ、その威力を議事堂内部に送り込むって方法。魔力を流していない魔法陣はただの幾何学模様と変わりないから、探知装置を潜り抜けられる。この二つの可能性については、クラリスから議事堂の守衛に伝えてもらった」

「うむ、続けよ」

「ただ、これはちょっと確実性に欠ける。どっちも、発見されたらそれで終わり。搬入物に紛れて魔法陣の描かれた何かを議事堂に運び入れるにしても、発見を恐れて小さい魔法陣にすればそれだけ転移出来る物の量……この場合は爆風だけど……が減る。結局、どこかで爆薬を爆破させても、議事堂に伝わる爆風は少なくなる。逆に、大きな魔法陣ならば例え探知装置が検出出来なくても、搬入段階で発見されてしまう」

「議事堂内部に仕込むことが難しいということは、外か?」

「だから、その可能性も考えていた。アリシア・ハーヴェイという魔術師の性格から、どんな方法を取る可能性があるのかを考えていたけど、多分、一番厄介な方法を取りそうな気がする」

「一番厄介な方法?」

「エルがさっき経験したような方法」

「おい、まさか?」

 ハッとエルフリードはリュシアンの顔を見上げる。その表情は相変わらず、感情の希薄なままだ。いささかぶっきらぼうにも見える少年の顔の中で、瞳だけが虹色に輝いている。

「ああ、人間を生け贄する方法。具体的には、人体で魔法陣を描く。幾何学模様のそれぞれの頂点に人間を配置し、そこを線で結ぶと転移魔法陣になるって感じのもの。そして、それらの人間の命を使って、魔法陣を発動させる」

「人間は当然、操るわけだな」

「まあ、自ら共和主義の理想に殉じたいという奴らが多く集まらない限りは」

 アリシアの同志たちは、軒並み逮捕されている。リュシアンの言う可能性は限りなく低いだろう。

「つまり、この王都のどこかに、あの魔女に操られた人間たちがまだいるわけか」

「そういうこと。それで、定時になったらそれぞれの配置につかされて、魔法陣の完成。当然、魔法陣の中心は議事堂」

「何十万という王都の人間の中から、精神操作を受けている人間を探すのは不可能に近かろう。お前の魔眼を以てしても」

「だから、術者そのものを殺すしかない。そうすれば、精神操作も自然と解ける」

「だが、一つだけ問題があろう? お前ならば、それも判っているだろうが」

「俺の考えている方法が、確実にアリシア・ハーヴェイの計画と合致しているかが判らない。それだけが不安要素だね」

「あの魔女を殺しても、議事堂が爆破される可能性はあるのか?」

「仲間がいるかいないかで変わるけど」

「この際、仲間がいる可能性は除外してよかろう。それで?」

「多分、議事堂爆破はアリシア・ハーヴェイを殺せば阻止出来る。でも、魔術師は往生際の悪い生き物だからね。死の間際に周囲の不特定多数の人間に呪詛をばらまく可能性もあるし、爆薬を持っているのなら自分の死と同時にそれが爆発するよう、予め爆裂術式を仕込んでおくとか。まあ、こっちが殺すのを躊躇うような仕掛けはしているはずだよ」

「だがお前は……」

「そう、俺は魔術師にとっての“死神”。始末したあとの処理は任せてくれていい。問題は、あの魔女を逃がさないこと。議事堂爆破を阻止出来ても、逃がしてしまったら意味がない」

「お前は先ほど、あの女を黄剣で斬り付けていたな? それも、逃がさないための布石か?」

「ああ。〈モラルタ〉で傷を負わせたのは、あの魔女の意識を俺に向けさせるためだから」

 リュシアンの霊装たる双剣〈ベガルタ〉、〈モラルタ〉。
 黄剣〈モラルタ〉は、不治の傷を負わせる呪いの剣。この剣で斬られれば、どのような治癒魔法も意味をなさず、自然治癒もしない。傷を治すには、〈モラルタ〉を破壊して呪いを解くか、〈モラルタ〉の刀身の錆を傷口に塗るしかない。
 リュシアンはこの剣で、浅いながらもアリシア・ハーヴェイの右腕を斬り付けている。つまり、逃走するにしても不治の呪いを解かなければ、そのまま失血死する可能性もあるのである。
 魔術師であれば、その呪いに気付く。だからアリシアの意識を、リュシアンに向けることが出来るだろう。

「ならば、お前は逃がさないための仕掛けに集中してくれ」

 腕の中で、エルフリードは己の額をリュシアンの胸にこすりつけた。

「奴の足止めは、私がやろう」

「ああ、頼んだ」

 リュシアンもきゅっと、エルフリードを抱く力を強めた。

  ◇◇◇

 リュシアンとエルフリードが辿り着いたのは、港湾部に臨む一軒の倉庫であった。
 赤煉瓦造りの倉庫は船からの搬出入を容易にするため、岸壁ぎりぎりに立てられていた。同様の造りになっている倉庫は、港湾部を圧するように立ち並んでいる。
 海洋貿易国家として栄えるロンダリアを象徴するような光景ではあったが、二人にはそのような感慨を抱くようないとまもない。
 倉庫の巨大な金属製の引き戸は、完全に閉まっている。

「拙いな……」

 リュシアンがぼそりと呟く。彼はエルフリードを横抱きにしたまま、近くのクレーンの上に立って倉庫の様子を窺っていた。

「どうした?」

「この倉庫、アリシアがヴェナリア情報調査局から手に入れたダイナマイトを保管しているところ」

 エルフリードに掛けられたアリシアの呪詛。
 魔力を“視る”ことの出来るリュシアンの魔眼。
 その繋がりを頼りに、リュシアンは何度かアリシアを尾行していた。この倉庫は彼女がヴェナリアからダイナマイトを得た際に、それを運び込んだ場所だったのだ。

「お前の火焔魔法封じ、というわけか」

 リュシアンの呟きの意味を、エルフリードは正確に理解する。
 ダイナマイトの量にもよるだろうが、議事堂一つを破壊出来るだけの爆薬である。引火して爆発すれば、周囲一帯が完全に吹き飛ぶだろう。その規模の爆発になれば、かなり強固な結界でなければ防ぎきることは出来ない。並みの魔術師の結界では、破壊されてしまうだろう。
 議事堂を爆破されればロンダリアは政治的な損失を負うが、港湾施設が爆破されれば経済的な損失を負う。どちらにせよ、連合王国に打撃を与えたいあの魔女にとって損はない。

「エル、アリシア・ハーヴェイの相手を頼める?」

 その言葉に、エルフリードはとん、と軽くリュシアンの胸を叩く。

「先ほども言ったであろう? 奴の足止めは任せろ、と」

 王女たる少女は不敵に笑ってみせた。

「俺はこの倉庫を出来るだけ強固な結界で封鎖する。多分、結界の維持に魔力を持っていかれるから、アリシア・ハーヴェイを直接相手に出来ない。とにかく、あいつが逃げられないような傷を負わせられれば、後は俺が始末する」

「任せよ。少なくとも、剣の腕ではお前よりも上だ」

「相手は魔術師だから、気を付けて。本当は、その呪詛も解いてあげたいんだけど……」

 リュシアンは申し訳なさそうに、目を伏せる。

「お前の破魔の剣ベガルタで私の体を斬り付ければ、お前の守護の魔法も消えてしまうのだろう?」

 すべてを理解している声で、エルフリードは言った。
 自身の全身を取り巻くアリシアの呪詛。そして、リュシアンが全身に描き込んだ守護の紋様。
 それらすべてを、赤剣〈ベガルタ〉は解いてしまうのだ。この剣は、斬ったものにかけられている魔術をすべて破壊してしまう能力を持っている。
 今この場で、もう一度エルフリードの全身に魔術的紋様を描き込んでいる時間はない。

「なに、私の背中は、お前が守ってくれるのだろう?」

 以前言い合った言葉を、エルフリードは信頼の念と共に口にした。

「それに、私にはこれがある」

 エルフリードは襟首から瑪瑙のお守りを取り出した。リュシアンが彼女に送った、縞の層一枚一枚に守護の術式を刻んだもの。

「君は魔術師じゃないんだから、あまり無茶をしないで」

「先ほど無茶をしていたお前だけには言われたくないな」

 からかうように、エルフリードはかすかな笑みを浮かべる。リュシアンが困ったように小さく眉を寄せた。

「……とにかく、無茶はやめてくれ」

「判った判った、だからそう情けない声を出すな」

 エルフリードは幼子をあやすような調子で、リュシアンの口に人差し指を当てる。少年はそうした扱いを受けたことに、わずかばかり不本意そうな表情を見せた。

「……それと、エルの鋭剣サーベルには対魔の術式が刻んであるけど、俺の〈ベガルタ〉ほど万能じゃない。気を付けて」

 エルフリードの鋭剣サーベルには対魔の魔術的紋様が刻まれている。とはいえ、〈ベガルタ〉の破魔の効果とは違う。斬った対象すべての魔術式を破壊する〈ベガルタ〉に対して、彼女の鋭剣サーベルはあくまでも「魔術で形成されたものを斬ることが出来る」程度のものでしかない。
 魔力で編まれた炎や結界などを斬ることは出来るが、それでも術式の強度や魔力量が鋭剣の術式に込められた魔力量に勝っていれば効果は望めない。

「うむ、心しておく」

 リュシアンの腕の中で、エルフリードは頷いた。

「じゃあ、行くよ。掴まってて」

 エルフリードがリュシアンの首に回した腕に力を込める。漆黒の装いの魔術師が、クレーンの上から跳んだ。
 体に感じる浮遊感。
 リュシアンが右手を握り込むと、指の間に四つの小さな水晶球が現れた。指の間に挟んだそれを、着地の寸前に上空に放り投げる。
 着地と同時にエルフリードを地面に降ろす。
 倉庫の上空では、リュシアンが先ほど放った四つの水晶球が四角形を描くように宙に浮いていた。

「結界か?」

「ああ」

 短い言葉と共に、リュシアンは鉄製の引き戸に回転蹴りを喰らわせた。身体強化エンチャントの術式を足にかけて一閃。重々しい扉が外れ、倉庫の内側に向かって倒れる。
 リュシアンが、そしてそれに一歩遅れてエルフリードが、建物の内部へ足を踏み入れた。
 外部とは違う、ひんやりとした空気が頬を撫でる。
 薄暗い建物の中から感じる、ひりひりと肌を刺すような不穏な感覚。
 空気自体が軋み声を上げそうな、不気味な雰囲気。
 以前、リュシアンが訪れたイースト・エンドの“幽霊屋敷”の時と同じものだ。

「……囁き声が聞こえないか?」

 エルフリードが暗い倉庫の中を見回し、怪訝そうに呟く。

「惑わされないで」

 リュシアンはじっと倉庫の闇を見据えていた。
 彼の脳裏にも、囁き声は響いている。どころか、その声は徐々に大きくなっている。
 くすくすと嗤う、若い女性の声にも聞こえる哄笑。それが全方位から二人を襲っていた。

「ぐっ……!」エルフリードが片手で頭を抑えてたたらを踏んだ。「何だ、これは……!?」

 彼女の目には、暗闇の中に浮かぶ無数の目と唇が映っていた。闇の中にくっきりと浮かぶ唇は、しきりに囁くような哄笑を上げている。
 こちらを嘲るような、精神そのものにやすりをかけられているような、そんな声。

「同じ仕掛けって、芸がないよね」

 だん、とリュシアンが床に踏み抜くように勢いよく足を打ち付けた。怯んだように、哄笑が一瞬止む。

「うるさいんだよ、お前」

 瞳を虹色に輝かせたリュシアンが、低い声で威圧した。

『……へぇ』

 感心したようなその声は、エルフリードの耳元から聞こえた。

「っ!?」

 エルフリードは咄嗟に鋭剣を抜き放ち、背後を振り返る。だが、そこには誰もいない。

『お姫様の醜態を見るのは、中々難しそうだね』

 今度の声も、やはり耳元から。

「くっ!」

「惑わされちゃ駄目」

 再び振り返ったエルフリードをたしなめるように、リュシアンは冷めた声で言う。

『お姫様を発狂させて、それで君をお姫様にかかりっきりにさせる筈だったんだけど、中々上手くいかないものだね』

 今度はリュシアンの耳元から響く声。アリシア・ハーヴェイの声そのものだった。
 仕掛けられていたのは、精神汚染と認識阻害の術式だった。相手は自らの姿を隠したまま、声だけをこちらに届けている。恐らくは、自分たちを少しでも攪乱するために。

『それに、封絶ふうぜつ結界まで。空間を遮断する形式の結界を張ったってことは、ここに爆薬があることを嗅ぎつけられたってことかな?』

 飄々としながらも、警戒心を滲ませた声。彼女自身も、もはや自身の優位性が揺らいでいることに気付いているのだろう。〈モラルタ〉によって付けられた傷は、今も回復していないはずだ。

『まったく、君たちの諜報機関も厄介だよね。私もいよいよ焼きが回ってきたかな?』

 だが、その声に諦観はない。少なくとも、彼女がこの場を切り抜けるための障害はリュシアンとエルフリードしかいないのだ。特に彼女の右腕の傷を考えれば、リュシアンの存在を放置することは出来ないだろう。

「……エル、大丈夫?」

 そんな彼女の声を無視するように、リュシアンは相棒たる少女に声をかける。

「うむ、問題はない」

 軽く頭を振ったエルフリードは、リュシアンの隣に並ぶ。
 わずかな月明かりが差し込む出入り口より奥は、ほとんど視界が利かないほど暗い。
 リュシアンの手の平に、ぽぅと鬼火が宿った。その手を横に振るうと、鬼火は分裂して倉庫に散り散りに広がっていく。

「……やれやれ、ここにはダイナマイトがあるんだけどね」

 どこか呆れたような声と共に、アリシアの姿が鬼火によって暗闇の中に浮かび上がった。
 王女を守護する死神と、王都を破壊しようとする魔女。
 恐らくは最後となるだろう対峙の時は、こうして始まった。
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