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番外編 竜のお使い様同盟
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「まあ!!ヨハンナさん!」
はるばるドラン国から護衛を頼んでいたヨハンナが訪ねてきた。
喜んで応接室に招き入れた。
「エヴェリーナ様・・・これほどのご貴族様とは思わず気軽に訪ねてきて申し訳ありません」
ドランでは気軽に接していた令嬢が侯爵夫人として出迎えてくれて、冷や汗をかいている。
「本当にうれしいわ!ね、一緒に王都をまわりましょうよ!宿は決まってるの?うちに泊まっていって?」
怒涛の勢いに戸惑ったが、本当に歓迎をしてくれているようでうれしかった。
「あの実は・・・ロイド様が王都に遊びに来ないかと誘ってくださいまして」
顔を赤くするヨハンナは護衛として凛々しくあった時と違い、可愛く恥じらった乙女そのものだった。
「まあまあまあ!!余計なことを言いました、二人で楽しんでくださいね。ふふ。」
あの時、竜のお使い様に宝石をいただいた4人にこんな縁ができるなんて、本当にうれしい。
「い、いえ!宿はきちんと取ります!あの、王都を案内してくださるだけで・・・」
「あら、それならやはりうちに泊まってくださいね。夜にはステファンも帰ってくるし、ドラン国での思い出話しましょうよ!私たち、竜のお使い様同盟ですわ!」
「エヴェリーナ様・・・」
ヨハンナはドラン国で国を守る兵士になろうと武術を必死に身につけていた。
しかしいざ、試験を受け合格しても周りからのやっかみがひどかった。やっかみだけではなく、いじめや女性としての尊厳を奪うような暴力も受けそうになり兵団に失望した。
もちろん、襲ってきたりいじめをしてきたやつらは思い切り返り討ちにしてやったが。
上司に訴えても、無駄であり、ヨハンナは退団覚悟で王宮に兵団の規律、風紀をただすよう直訴の手紙を出した。
それは国威高揚を掲げ、騎士団、兵団の統率を厳しくしようとしている王宮の思惑と一致し、兵団に調査が入った。その結果、犯罪まがいのことをしていた輩と見て見ぬふりをしていた上司など投獄された。
しかし風通しが良くなるかというとそうではなく、いじめがなくなった代わりに無視されるようになった。
同僚を追い出すことになったヨハンナに思うことがある人間も多かったのだ。自分たちのしたことは反省もせずに。
別にどうでもいいと思ったが、いざ戦いになれば命をお互いに預けなければならない。信用できない奴らと組むわけにはいかない。
というわけで、最後に
「こんな信用できない馬鹿どもに背中は預けられない。女性を貶める事しかできない弱っちい兵団に国を守れるとは思わないが、せいぜい逃げずに盾くらいにはなれよ!」
と、言い放ち兵団を辞めた。
悔しかったが、兵団を立て直すのに時間と精神を使うつもりはなかった。
自分一人が犠牲になりながら、なぜそんなことをしなければならないのだ。
その捨て台詞に憤った何人かが襲い掛かってきたが、木剣でぼこぼこにしてやり、女を馬鹿にするくせに女に負けるレベルの弱小兵団だと、王宮にきちんと報告という形でチクってやった。
その後、またごたごたがあったようだがもう知らない。
ヨハンナはそれから女性を守るための護衛として、商業ギルドに登録し国内の治安や女性の身を守り、自分なりに国に貢献することにした。
それが、エヴェリーナやロイドとの出会いにつながった。
エヴェリーナとは友達として付き合いたいとは思っていたが、相手は貴族であり、自分は単なる護衛にしか過ぎない。身に過ぎる望みだなと思っていたところ、エヴェリーナからも親しく何度も手紙をもらい遊びに来るよう書かれていた。
ロイドから手紙をもらったのは意外だった。彼からも王都に遊びに来るようお誘いがあり、案内すると書かれていた。彼も王太子殿下の側近である以上貴族であるのはわかっていたが、一生に一度になるかもしれない国外への旅行の思い出にロイドとエヴェリーナに会いに行こうと決意してラッシュ国にきたのだが・・・
貴族だとは聞いていたが、侯爵夫人であったとは。こんな大邸宅に住んでいるエヴェリーナと平民の自分が友達付き合いをできるはずはない。挨拶ができただけでも良かったのだ。
しかし、エヴェリーナは執事を呼ぶと客室を用意するように指示し、メイドにヨハンナの荷物を運ぶように言った。
「エヴェリーナ様!いけません、私のようなものが侯爵家に泊まるなんて身分不相応ですから!」
「ヨハンナさん。馬鹿な事言わないでください、怒りますよ。私はあなたを人として好ましく思い、お友達になりたいと思ってるんです。こうして来てくださってこんなにうれしいのに。ドラン国でしていたように仲良くしてほしいのです。ね?」
エヴェリーナはヨハンナの両手を自分の手で包んだ。
ドラン国で会った時は時々緊張したような、思いつめたような顔をしていたが今は何の憂いもない幸せそうにしていた。
「ほら、この石が私とステファン様を守ってくださったの。こういうことをお話しできるのはあなたしかいないのだから。悲しいこと言わないでね?」
「はい・・・ありがとうございます。こちらこそうれしいです」
そういうわけで、ヨハンナはラッシュ国にいる7日間はエヴェリーナの世話になることが決まった。
はるばるドラン国から護衛を頼んでいたヨハンナが訪ねてきた。
喜んで応接室に招き入れた。
「エヴェリーナ様・・・これほどのご貴族様とは思わず気軽に訪ねてきて申し訳ありません」
ドランでは気軽に接していた令嬢が侯爵夫人として出迎えてくれて、冷や汗をかいている。
「本当にうれしいわ!ね、一緒に王都をまわりましょうよ!宿は決まってるの?うちに泊まっていって?」
怒涛の勢いに戸惑ったが、本当に歓迎をしてくれているようでうれしかった。
「あの実は・・・ロイド様が王都に遊びに来ないかと誘ってくださいまして」
顔を赤くするヨハンナは護衛として凛々しくあった時と違い、可愛く恥じらった乙女そのものだった。
「まあまあまあ!!余計なことを言いました、二人で楽しんでくださいね。ふふ。」
あの時、竜のお使い様に宝石をいただいた4人にこんな縁ができるなんて、本当にうれしい。
「い、いえ!宿はきちんと取ります!あの、王都を案内してくださるだけで・・・」
「あら、それならやはりうちに泊まってくださいね。夜にはステファンも帰ってくるし、ドラン国での思い出話しましょうよ!私たち、竜のお使い様同盟ですわ!」
「エヴェリーナ様・・・」
ヨハンナはドラン国で国を守る兵士になろうと武術を必死に身につけていた。
しかしいざ、試験を受け合格しても周りからのやっかみがひどかった。やっかみだけではなく、いじめや女性としての尊厳を奪うような暴力も受けそうになり兵団に失望した。
もちろん、襲ってきたりいじめをしてきたやつらは思い切り返り討ちにしてやったが。
上司に訴えても、無駄であり、ヨハンナは退団覚悟で王宮に兵団の規律、風紀をただすよう直訴の手紙を出した。
それは国威高揚を掲げ、騎士団、兵団の統率を厳しくしようとしている王宮の思惑と一致し、兵団に調査が入った。その結果、犯罪まがいのことをしていた輩と見て見ぬふりをしていた上司など投獄された。
しかし風通しが良くなるかというとそうではなく、いじめがなくなった代わりに無視されるようになった。
同僚を追い出すことになったヨハンナに思うことがある人間も多かったのだ。自分たちのしたことは反省もせずに。
別にどうでもいいと思ったが、いざ戦いになれば命をお互いに預けなければならない。信用できない奴らと組むわけにはいかない。
というわけで、最後に
「こんな信用できない馬鹿どもに背中は預けられない。女性を貶める事しかできない弱っちい兵団に国を守れるとは思わないが、せいぜい逃げずに盾くらいにはなれよ!」
と、言い放ち兵団を辞めた。
悔しかったが、兵団を立て直すのに時間と精神を使うつもりはなかった。
自分一人が犠牲になりながら、なぜそんなことをしなければならないのだ。
その捨て台詞に憤った何人かが襲い掛かってきたが、木剣でぼこぼこにしてやり、女を馬鹿にするくせに女に負けるレベルの弱小兵団だと、王宮にきちんと報告という形でチクってやった。
その後、またごたごたがあったようだがもう知らない。
ヨハンナはそれから女性を守るための護衛として、商業ギルドに登録し国内の治安や女性の身を守り、自分なりに国に貢献することにした。
それが、エヴェリーナやロイドとの出会いにつながった。
エヴェリーナとは友達として付き合いたいとは思っていたが、相手は貴族であり、自分は単なる護衛にしか過ぎない。身に過ぎる望みだなと思っていたところ、エヴェリーナからも親しく何度も手紙をもらい遊びに来るよう書かれていた。
ロイドから手紙をもらったのは意外だった。彼からも王都に遊びに来るようお誘いがあり、案内すると書かれていた。彼も王太子殿下の側近である以上貴族であるのはわかっていたが、一生に一度になるかもしれない国外への旅行の思い出にロイドとエヴェリーナに会いに行こうと決意してラッシュ国にきたのだが・・・
貴族だとは聞いていたが、侯爵夫人であったとは。こんな大邸宅に住んでいるエヴェリーナと平民の自分が友達付き合いをできるはずはない。挨拶ができただけでも良かったのだ。
しかし、エヴェリーナは執事を呼ぶと客室を用意するように指示し、メイドにヨハンナの荷物を運ぶように言った。
「エヴェリーナ様!いけません、私のようなものが侯爵家に泊まるなんて身分不相応ですから!」
「ヨハンナさん。馬鹿な事言わないでください、怒りますよ。私はあなたを人として好ましく思い、お友達になりたいと思ってるんです。こうして来てくださってこんなにうれしいのに。ドラン国でしていたように仲良くしてほしいのです。ね?」
エヴェリーナはヨハンナの両手を自分の手で包んだ。
ドラン国で会った時は時々緊張したような、思いつめたような顔をしていたが今は何の憂いもない幸せそうにしていた。
「ほら、この石が私とステファン様を守ってくださったの。こういうことをお話しできるのはあなたしかいないのだから。悲しいこと言わないでね?」
「はい・・・ありがとうございます。こちらこそうれしいです」
そういうわけで、ヨハンナはラッシュ国にいる7日間はエヴェリーナの世話になることが決まった。
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