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はじまり

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「ココハドコ、ワタシハダレ」


そうそうこのセリフ、一度言ってみたかったんだよなあ…なんて。

ところで本当に此処はどこ?

目の前に広がる青空、ひどく痛む頭、身体を起こしてみようとしたが、身体が思うように動かない…

金縛りか??
指先を動かそうとすると少しだけ動いた。
でも思うように力が入らないので、少しばかり首を動かして見渡してみる。
左手には鬱蒼と茂る森
右手には青い湖
何とかブルーなんて名前を付けて、観光名所になりそうなくらいに透き通った綺麗な湖だ

もう一度聞こう

「此処はどこ」

ワタシハダレ…だかは分かる、記憶喪失ではない…多分
この場所に来た経緯は一切覚えてはいないが、今まで生きてきた20年間の記憶は、間違いなくある。
自分が横たわっている地面へと目を向けてみると、そこには緑の草と、見た事のない形をした少し奇妙で小さい花がまばらに生えていた。
もう一度辺りを見渡すが、目の届く範囲には森と湖のみ


ああ、夢か。



空が青い、空気が美味しい…マイナスイオン的な何かを肌で感じる
夢にしてはやけにリアルな感覚だ。森から聞こえる鳥の囀りも、時折吹く穏やかな風も、空から差し込む太陽の光の暖かさも、全てがリアル

肌を撫でる風が気持ちいい。大自然の中眠る夢も悪くない。身体も思うように動かないことだし、もう一度眠ってしまおう。
マイナスイオン感じる自然の空気を目一杯吸い込んでもう一度目を閉じた。次に目を開けた時はきっと自分の家で、憂鬱で気怠い1日がまた始まるのだ…



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