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しおりを挟む「今日はいつもより美味いもん食わしてやるからなー!」
浜辺でポチを撫でくり回しながら、料理の準備を始める
まずは小さめの即席バーベキューコンロ
後は鍋用に2つ。石を組み上げ、どちらにも薪を入れ点火
よし、俺流クッキングといこうではないか
石鍋に皮を剥いたトマトを入れ潰し、下拵えをしぶつ切りにした魚、蟹、エビを入れ少量の魔素水と塩を加えて火にかける。後は火が通って水分が抜けるの待ち
バーベキューコンロには、魚と貝を並べていく
サザエの様な巻貝と、蛤のような大きな二枚貝
少し残ったエビも並べ、大きな魚も置く
全体に軽く塩を振り、巻貝には少量の魔素水を流し込んだ
そして最後に、《鑑定》曰く、煮物におすすめの白身魚をぶつ切りにする。石鍋に魔素水、砂糖と同量の醤油を注ぎ火にかける、グツグツと煮立った所でぶつ切りにした魚を投入、木で作った落とし蓋をして待機!
磯の香りが辺りに広がり、香ばしい煙が上がり始める、バーベキューコンロの魚やエビを裏返し、開きはじめた二枚貝と、グツグツと泡を出す巻貝へと少量の醤油を垂らした
立ち上がる香ばしい香りにうっとりとしてると、目の前のポチがダラリと涎を垂らす
大きな皿に魔素水を入れポチの前へと置き、鍋の様子を確認
うんうん、悪くない!トマトの方はいい感じに水分が飛んでいる!仕上げに胡椒を振って完成
煮魚のほうも、煮汁が減りつつある。これもそろそろかな?
大きな皿にそれぞれを移し入れ、ポチの前へと並べた。
鍋を火から下ろして、手を合わせる
「いただきます!!!」
「わん!!!」
先ずはトマト煮を一口
うーーーーん!!!甘酸っぱい!さわやか!!蟹とエビの旨味が染み出してる…なんて贅沢な食べ物だ……これは是非パスタにかけたい!パスタが欲しい!!!
次に二枚貝with醤油!!
いや!分かってた!見た目からしてヤバイから分かってたけど!!身プリップリだなおまえ!!!おいしい!
美味しい…!!けど、うん、あれだわ、ジャリジャリするわ。あれか、砂抜きか、砂抜きしてないわ。今度に期待!
次はサザエ!
竹串を使ってグリン、と取り出した中身。
砂抜きしてないからね。ワタの中央部分の渦巻き模様を避けて食べた
ふっつーーにサザエだわ!!コリコリしてて、ムニムニしてて、程よい苦味で…これは何個でも食べれそう。そんな気がしてしまう。
サザエの美味さに頷きながら、ポチがとったエビを手にした
「…え、うま…」
思わず漏れ出た声
プリップリの身と、香ばしく焼き上がった薄い殻。いや、殻っていうか皮。スナック菓子かと思うくらい薄くてパリッパリだ
本当に、びっくりするくらい簡単に頭まで食べれた。しかも頭に詰まってる味噌がまた甘くて、濃厚でトロトロで……え!なにこのエビ!っていうかエビだよな?!ポチすげえ…
俺にも採れそうだったらとりつくそう。そうしよう
最後に煮魚
こちらも今は一口だけ
うんうん。懐かしい味、身がホロホロで美味しい!噛み締めるたび口の中に煮汁が染み出す。
でもやっぱり、煮物は一度冷ました方が味が染み込むので、一度放置だ
「わふわん!!!」
口周りを汚したポチが、見たこともない程の勢いで尻尾を振っている
見た目はガッツリ獣のポチだが、生肉などより調理したものの方が好きだ。意外や意外
空になった皿へと焼き上がった大きな魚を入れ、前に置く。トマトも好きみたいだし追加しよう。
皿を置くや否や、速攻トマト煮へと食らい付くポチ。
どうやらかなりお気に召した様だ
その食べっぷりを見ていると、トマト煮を平らげたポチが、皿に乗った魚と俺を交互に見る
魚はいらなかったか?と首を傾げると、大きな前足を上げたポチが、その足で貝を指差した。
貝が欲しいのか?と貝を皿に入れようとすると、ショボンと垂れる耳と尻尾
…どうやら違う様だ。
…まさか、
インベントリから醤油を取り出すと、ピンとあがる耳に揺れる尻尾
「そうか!そんなにこれが美味かったか!
これは醤油っていうんだ!」
綻ぶ顔を抑えれないまま、大きな魚へと醤油を垂らしてやった。
「わん!!」
まるでお礼を言われた様な気分だ
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