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5. 逃げる逃げる逃げるッ!!!! 逃げれば追いたくなるのが常ってもんでしょ
逃げる逃げる逃げるッ!!!! 逃げれば追いたくなるのが常ってもんでしょ ⑥ 【R18】
しおりを挟む美佳は本気で怒っていた。
あの幼馴染みが鬼畜なのは十分承知していたけど、本気で妊娠させようとまでするなんて行き過ぎだ。
そこまでする真意が分からない。
口も利きたくない程嫌っていたくせに、入れ替わりを境にやたら構ってくる。ちょっかい掛けてくるだけだったら未だしも、体の関係を強要してくるなんて。
六年続いた疎遠状態が、美佳のせいだと責任転嫁して来られても、思い当たる節が見当たらない。それを理由に関係を迫られたって困る。
一時期、優と距離を取った事はあったが、それが原因とも思えない。
その頃ちょうど性教育だの、初潮だのとあって、優に限らず男子が傍にいる事をやけに意識していたかも知れない。
授業で習った行為が、凄く受け入れがたいものだったのは覚えている。
だから優への態度が変だったかも知れないとは思うけど、そこまで怒る理由になるのかどうか。
入れ替わりで以前ほどではなくなったが、男性に対してどこか嫌悪感があった。思春期にありがちな潔癖症とでも言うか、だから自分の身体として触らなきゃならないとなった時のストレスは半端なものじゃなかった。
それと同時に性行為に対しても嫌悪を抱いていた。
女癖の悪い優が無視してくれるのは、これ幸いぐらいに考えて、多少の悪態や意地悪は許容範囲だったのに。
“優” で “美佳” に楔を打って処女を奪った。
男の身体で感じた束の間の快感は、動物的本能のまま無意識に “美佳” を抱きしめて腰を振らせた。すぐに優に取って代わられたが。
激痛が快感に変わっていった時、背筋に震えが走った。
身体が喜ぶとはこう言うことなのかと優に教えられ、欲するままに与えられ、それにまた喜んでいる自分がいた。思い出すと体が震え、子宮が疼き火照って来る。優を欲しいと思ってしまう自分が正直気持ち悪い。
昔から知っているような一体感を感じる身体に対して、頭のどこかで優を絶対的に拒否する声と、それに反する思慕の念がある。それもまた自分を気持ち悪く思わせる。
近頃、思考が支離滅裂でほとほと困ってしまう。
この一週間、優からの悪態、嫌がらせを完全無視し、やれば出来る子と自分を褒めながら、メールも電話も全部無視していた。着信拒否や削除も考えたけれど、そこまでやったら却って煩わしい事になりそうだから我慢している。
さすがの優もちょっと大人しい。
心配の種だった生理も来て、これで安心出来ると言うもの。この調子で優との距離が出来れば更に言う事なし。
そのはずなのに、誰かがどこかで泣いている。
泣き声が胸を詰まらせて、一緒に泣きたくなってくる。
何故、こんなに切なくなるのか……。
「「……えっ…?」」
美佳は目を瞬いた。
(えっ…とお?)
先刻までさつき、菜摘の三人でお茶していたと思う。
果たしてこれは一体?
周囲を見渡せば、使われていない教室のようだ。
目の前にはどこかで見た事があるような無いような、衣服の開けた美人のお姉さんがいて、なんか肩を掴まれている。それでもって腰掛けている自分の上に乗られて、彼女は上下に揺れていて、体の中心部が追い詰められて熱く蠢き、腰がムズムズするような快感があって…。
首にしがみ付いた彼女の動きが一段と激しくなって、腰を振っている。
「…ぁっ……ゆ…うぅっ」
彼女の声に耳を疑った。
(……いま、優って言った!?)
驚愕しつつ、下半身の勢いが止まらない。彼女の腰に回した腕に力が入り、腰の動きは意図とした動きとは違っていて、腰から背中に這い上って行く快感に支配された。
(だからッ!! ちょっと待って待って待ってーッ!!)
ストップが利かない。
本能が、理性を凌駕して、心臓が早鐘打って、眉間に皴が寄る。
「…ッ……くっ…は…ぁ」
精が吐き出された解放感に、腰が甘く痺れている。
彼女の甘やかで蕩けた吐息が耳元を擽り、ぶるると身震いした。
(優…あんたって……心臓丈夫過ぎじゃないの!?)
息切れし動悸がすこぶる早い。
何度もこれにチャレンジする優の気が知れない。
(じゃなくって美佳……ヤッちゃったじゃない!)
女の子なのに、男側の中イキの快感を知る事になろうとは。
しかもどこの誰だか知らない相手と。
いや。知っていればいいってものじゃないんだけども。
(あんの…バカ優ッ!!)
どうせ入れ替わるなら、事後にして貰いたかった。
彼女の膣内でまだ絞り取られ、肉杭が上下する度に、きゅうっと縮み上がっていく奇妙な快感には覚えがあった。
思い出したくもなかった夢精の苦い記憶。
(ああっもおっ!! だから何でまた優になっちゃってんのよ!?)
しかもこんな濡れ場で、勘弁してほしい。
火照った顔のお姉さんが身を捩り、軽くキスをして上から降りた。ずるりと抜けたモノに目を落とす。妙に艶めかしくテカり、白濁した欲が溜まっている。
(……コレをあたしにどうしろと?)
ただでさえ触りたくないモノなのに、どこぞの女子の中に今まで入っていた感バリバリに濡れて光り、中には “優” の欲の証。
かと言ってこのままに出来ないではないか。
身支度を整えた彼女はもう一度キスをしてきて、「優またね」と手を振って颯爽と教室を出て行った。
美佳は顔を思い切りしかめて身を後ろに引きながら、だらりとぶら下り掛けている使用済みのゴムを指で抓んで外し、処理をどうしたものかと悩みながら悲嘆に暮れた。
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