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17. それがA・Dだろ 【R18】
それがA・Dだろ ⑤ 【R18】
しおりを挟む十玖は美空を保健室に寝かせると、四時間目の途中から授業に戻った。
太一が振り返り、「斉木どうしたの?」とこっそり聞いて来る。十玖も声を殺して「貧血」と短く返し、ノートを取り始めた。
四時間目が終了するや十玖は一目散に保健室に走り、有理が声を掛けるのも無視してベッドに急いだ。
顔を覗き込んで、寝息を立てる美空の前髪を掻き上げる。と、彼女が目を覚ました。
「気付いた?」
心配げに見る十玖。美空はぷいっとそっぽを向き、「ケダモノ」と呟いて上掛けを頭まですっぽり被ってしまう。
「ごめんて美空」
「知らない!」
相当お怒りのようだ。
学校で、しかも授業をすっぽかして、気絶するまで攻められ続けたのだから、無理もない。
「ごめんなさい。僕が悪かったです」
有理に聞こえないようにヒソヒソと謝罪するが、美空は振り返ってくれない。彼女の背中に額を預けた。
「ホント限界だったんだよお。美空、忙しそうで僕のこと忘れているみたいに構ってくれないし、僕は僕で忙しいし…気持ち良すぎて止まらなくなっちゃって。悪かったと思ってるんだよ?」
美空の肩を引いて、こちらを向かせる。変わらず彼女は顔を覆い隠したままで、十玖は目を赤くして続ける。
「美空が大好きで負担かけたけど、怒らないでよ」
「……」
「許すって言って」
上掛けの中に手を滑らせ、内腿を撫で上げる。美空はビクッと震えて足を閉じたが、十玖の指はいとも容易く秘所に辿り着き、ショーツの中に侵入してきた。まだ余韻が残っている秘所はぬるりと指が滑り、十玖の指を飲み込んだ。意図せず声が漏れてしまい、美空は慌てて口を塞いだ。
「有理に聞こえちゃうよ?」
涙目で意地悪な物言いをする。美空は目を覗かせて十玖を睨んだ。
目を合わせてくれただけで嬉しくなり、満面の笑みで指先に触れた粒を少し強めに抓んだ。がくがくと腰が震えるのに声を上げまいとする美空。
「許してくれる?」
「…る……い…ッ」
「なに?」
「…なの…ズル…い」
「なんで? 美空も僕のしゃぶって気を引いたことあったよね」
旅行の時、十玖が不貞腐れて口を利いてやらなかったら、振り向いて欲しいあまりに十玖のモノを咥えて、必死のその可愛さに結局すぐに仲直りした。
「美空は良くて僕はダメなの?」
それを言われると、反論できない。
美空はぷるぷる小刻みに震え、涙を浮かべながら軽くイってしまった。
「有理がすぐそこにいるのに、イッちゃたね」
十玖が喉を鳴らして笑う。それでも腰がざわめく動きは止まらなくて、バレてしまうのではないかと言う不安と恥ずかしさに、強情を張る気力が萎え、美空は「許すから」と声にならない声で呟いた。
「ホントに?」
聞き返した十玖に何度も頷くと、「良かった」と指を引き抜いた。
蜜が絡んだ指を舐める仕草に、ぞくりとする。体の奥に火を灯されたまま、止めなきゃいけない状況を作った十玖に腹が立って来て、美空は起き上がると、持っていた枕で十玖を叩きつけた。
ぼすんっぼすんっと響く音に、有理が覗き込んできた。真っ赤な顔で涙目になっている美空を見、枕を取り上げる。
「何やってんの。元気になったんなら教室に戻りなさい」
言われて十玖が立ち上がる。美空はぐしぐしと目を擦り、身支度を整えて有理に会釈した。
唇を尖らせた美空が十玖を追い越し、引き戸を開ける。それに続こうとした彼を「ちょっと十玖」と有理が引き止め、振り返った。
「悪戯は程々にしときなさい」
「……はーい」
どこまでバレているのかは定かじゃないが、十玖は気のない返事をして保健室を後にした。
その日の放課後、ずっと機嫌が悪かった美空からお誘いが掛かり、してやったりと十玖はほくそ笑んだ。
火を付けられたまま放置され、ずっと燻っていた体を預けると、美空はいつになく激しく十玖を求めた。彼にしてみれば、それに応える事は吝でない。むしろ大歓迎だ。
今日もライヴがあるのだが、それよりもまず美空が大事。
晴日が帰って来て、また扉を開けられるかもと言う心配もあるにはあるが、察してくれることを期待する。
「たまには…美空を焦らすのもいいね」
「…やっ…い……じわる…ぁんっ」
反らして喘ぐ首筋に舌を這わせると、じわじわと攻め続ける彼のモノをきゅっと締め付けてくる。
「僕ばっかり欲しがったら、不公平だって言ってるでしょ」
午前中にやるだけやった十玖は、少しばかり余裕があるようで、美空をイかせない様に焦らして遊んでいた。
ぐちょぐちょに溢れかえっている蜜。
イキ過ぎるのも苦しいが、イケないのも苦しい。
美空は十玖を引っ張り倒し、ついには馬乗りになって腰を動かし始めた。互いの指を絡め、髪を振り乱し、ピストンを繰り返す。下から十玖が突き上げると、美空が動けなくなって胸に倒れ込んだ。
「どうしたの? まだイってないでしょ?」
「……ッ」
涙を浮かべて十玖を睨む。彼が動く気がないのを確認し、身を起こして腰を回し始めた。熱く硬いものがぐりぐりと奥の気持ちいい所に当たり、ぷるぷる震える。十玖は自分のモノを咥え込んで、ズルズルに涎を垂らす隠微な美空に満悦顔だ。
「早く自分でイってみて。それが出来たら、僕がいっぱいイかせてあげる」
「ふぇっ…いじわるぅ」
「ほら。早く」
ニヤニヤする十玖を眺め下し、再びピストンを始めた。今度は邪魔しないで、彼女のするままに任せた。ただこのままでは、彼女がイク前に十玖に限界が来そうだ。
十玖が “ヤバい” と意識を逸らそうとした時、彼女の膣内が激しく痙攣し締め付け、大きく仰け反って倒れ込んできた。
「…イケたね」
美空の髪を撫で、彼女の顔を覗き込むと、体を入れ替えてゆっくり腰を動かす。いま激しく突いたら、すぐにでもイってしまいそうだ。
なのに彼女の膣内は、意識が飛びそうなくらい淫らに絡んでくる。
「美空の膣内、凄くやらしく動いてる」
「や…そゆこと言わないでぇ」
「我慢できないくらい…だよッ」
口にしたらもう止まらない。
彼女の喘ぎを耳元で聞き、堪らなくなった。腰に快感が走り、十玖の小さな喘ぎが漏れた。イッたばかりのモノをぎゅっぎゅっと締め付ける膣壁は、更なる快感を与え続け、ぞくぞくする。
「気持ち良すぎでしょ」
「十玖のも…気持ち…いいよ」
「ホントに?」
「…ん。好き」
「僕も好き。馬鹿になっちゃうくらい、美空の膣内にいたい」
とは言え、脱落して膣内に置き忘れてしまう前に外さねばなるまい。十玖は不承不承、美空から離れた。
名残惜しそうな美空を見、口づけ、トロトロの秘所に触れた。
約束した通り何度も美空をイかせ、軽い寝息を立てる彼女の額にキスをする。目覚まし時計に目をやって、十玖は立ち上がった。
カチャッ。
唐突に扉が開かれ、振り返った方も開けた方もしばらく見合ったまま固まった。
(…またか)
もはやお約束だ。
先に口を開いたのは晴日だ。
「…事後か?」
「……事後です」
「じゃあセーフだな」
「セーフですか?」
晴日に全裸を見られるのはツアーに出たら常でも、イタシタ後は少々気まずい。
ボクサーパンツに足を通しながら「何か用でしたか?」と平静を装って訊ねた。
「用って程の事じゃないんだけどな」
ベッドで眠りこけている妹を見る。
「保健室に行ったって聞いたから……心配なさそうだな」
「問題ないです」
イキ過ぎて気絶しただけだ――――とは言えない。
十玖はにっこりと笑う。晴日は片眉を持ち上げて彼を見ると「俺もえっちしてえ」とぼやいた。
「旅行以来してねえもんな」
「出来る状況じゃなかったですもんね」
「おまえはさっぱりした顔してるな」
「お陰様で」
「ライヴでへばるなよ?」
「了解です」
十玖を鼻であしらい、「萌、掻っ攫って来るかなあ」と本気とも冗談ともつかぬ呟きを残して、晴日は部屋を後にした。
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