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1. 苦手

苦手 ④

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  ***


 三週目金曜日。放課後。

 晴日の無言の圧力を受け始めて、早一週間。
 十玖はようやく平常心を取り戻していた。

 最初の頃、彼の中のカオスは、クラスメートをビビらせた。
 晴日が教室を立ち退いた瞬間、脈絡もなく、自分の右頬に渾身の拳を見舞った十玖は、切れた口の中を舌で確かめ、それきり苑子の問い掛けにも無反応。
 また、急に赤くなったと思えば、今度は青ざめて、机に突っ伏し微動だにしなくなる。
 かと思えば、急に声を張り上げてみたり、シャープペンを立て続けに何本か昇天させてみたり、無言で黒板を見つめて、教師を震え上がらせたりと、リミッター解除状態の十玖は危険とされていた。
 これだけの感情の起伏は、十玖人生、初の珍事であった。

 そしてまた、晴日はやって来た。
 教室の前側の出入り口で、笑った。にやりと。
 次の瞬間、晴日は十玖に向かって走り出した。
 十玖の右斜め前方二メートル。晴日は床を蹴って机に飛び乗り、右足を高々と繰り出す。十玖は躱そうと、椅子ごとひっくり返り、つんざく悲鳴は、すぐに感嘆の声に変わった。

 軽々と後転し、すっと直立している。恐るべき身体能力。
 晴日の間髪入れない、拳と蹴りの乱打をヒラリヒラリと躱し、ガラ空きになった晴日の鳩尾に、躊躇ない拳がめり込んだ。そして我に返る。

「す……すみません。寸止め忘れてました」

 崩れていく晴日に向かって、茫然の体で言った。
 息のできない晴日が、その場にうずくまる。
 愕然としていた教室は、すぐに蜂の巣をつついた騒ぎになった。

「ちょっとお兄ちゃん!?」
「とーくっ!?」

 美空と苑子の叫びが同時に発せられ、美空は晴日に駆け寄って介抱するが、苑子は十玖の左頬に平手を見舞った。
 その場に居合わせた全員が、豆鉄砲を食らったような顔で、二人のやり取りを見守る。

「バカとーく! 素人さん相手にダメでしょっ!?」
「……うん」

 小さくうなだれた十玖の頭頂にもう一発見舞って、苑子は晴日に向き直る。

「斉木先輩。何考えてとーくに攻撃してきたか知りませんけど、病院送りになる前に止めてください。こっちが迷惑です。お願いします」

 ふわふわした綿菓子みたいな女の子の有無を言わせぬ迫力に、晴日は固唾を飲んで頷いた。

「も、申し訳ない」

 茫然自失の体で、謝罪の言葉が飛び出す。

「もう終わった感じ?」

 今更のこのこやって来た竜助は、座り込んでる晴日を見てにやりと笑う。

「晴ダメじゃん」
「うるせー」
「自分で言ってたんだろ。三嶋は絶対強いって。詰めが甘いからヤられるんだよ」

 つかつかと晴日に歩み寄り、腕を引っ張り上げる。

「ヤバいね~。死守できるのかね~」
「やかましい」

 いまいち状況が飲み込めない十玖は、晴日と竜助を唖然と眺めてる。
 飄々とした笑みを浮かべる竜助が、十玖の肩にポンと手を置いた。

「悪かったね。うちの暴れん坊将軍が――――ってかおまえ何やってんの!?」

 竜助が話している途中で、晴日はいきなり十玖の服を捲くり上げていた。
 呆然と晴日にされるままの十玖。
 女子の嬌声。
 マジマジと見入りペタペタと触る晴日の腕を、穴があったら入りたいと言わんばかりの美空が引っ張るが、そんな彼女をものともせず、

「すっげぇシックスパック。何やってる?」

 と言いながら今度は背後に回って、更に上まで捲り上げた。

「広背筋も僧帽筋もすっげぇ綺麗なつき方してんな。体脂肪なんぼ?」

 更にエスカレートしてあちこち触りまくる。
 十玖がだんだん青褪めていくのが見て取れて、美空まで青くなってきた。

「お兄ちゃん。いい加減にして」
「お前はゲイの痴漢か」

 二人に引き剥がされて渋々離れたが、まだ名残惜しそうな晴日に、十玖は身震いした。
 何か大切なものを失ったような気がする。

「誤解がないように言っておくが、俺は筋肉フェチなだけで男は専門外だから」
「さんざん触りまくって、説得力ねえだろうが」

 と竜助が晴日を小突き、

「お兄ちゃんのバカ~っ!」

 と美空は半べそを掻きながら、荷物を取って教室から走り去ってしまった。

「あの~」

 それまで遠巻きに見ていた太一だった。
 乱れまくった十玖に一瞥をくれ、晴日と竜助に会釈する。

「そろそろ部活に行きたいんで、十玖を解放してもらってもいいですか?」
「わりぃわりぃ。んで、なに部?」

 晴日に深い意味はなかったのだが、太一の次の言葉で様相が変わった。

「合唱ですけど」

 晴日の目が光ったような気がして、十玖は後退る。そして嫌な予感ほど、よく当たる。
 ニコニコと一見人当たりの良い笑みだが、裏に思惑を感じる。
 そして馴れ馴れしく十玖の肩に腕を回し、有無を言わせない眼差しを向けた。

「見学してもいいよな?」

 拒否したところで、晴日が十玖の言う事を聞くとも思えない。
 十玖は早々に観念した。

「……どうぞ」
「ありがとう」

 満面の笑み。
 竜助はやれやれと溜息をつき、太一と苑子は十玖が面白いことになってるのが、やたら楽しそうだ。
 そして十玖は事の展開についていけず、フラフラと歩き出した。



 赤面が引かぬまま、美空は地下鉄のホームで電車を待っていた。

 思い出したくもないのに、先ほどのことが脳裏から離れてくれない。
 穴を掘って埋まりたい――――とまで思ったのは初めてだ。
 晴日の所業が、心底恥ずかしいと思った。
 これまでも思いつきで行動して、恥ずかしいと思ったことはあったが、今日のはあんまりだ。

(選りにも選ってあのっ! 三嶋を相手に何してくれちゃってるの。バカ兄っ!)

 十玖に関心を示していたのは気付いていたが、何をやりたいんだか皆目見当もつかない。
 実際、眼タレに日参し、ついにケンカを売ったと思ったら、急にまとわりついて、十玖を困惑させていた。

 確かに、晴日は筋肉フェチで、自分も筋トレしてはいる。
 自分より強い相手の筋肉が、純粋に気になっただけなんだろうけど、まくり上げて触り捲るとかない。
  ちょっと…羨ましい、と頭を掠めてぶんぶん頭を振る。

(ないないないッ!!)

  でも、とあの光景を反芻してる。
  本当に理想的で、綺麗な身体をしていた。
  間違いなく、美空を含め女子たちの目の保養にはなった。

(…近くでガン見しちゃった)

 パンイチの男ども(父兄とA・Dメンバーだが)を見慣れているせいか、上半身くらいじゃこれっぽっちも恥かしいと思わないが、兄のやらかした事はやっぱり恥ずかしい。

 子供の頃から、ケンカした相手でも自分のペースに巻き込んで、すぐ友達になってしまう特技はあるが、何故いまその相手が十玖なのか。
 美空が十玖を気まずいと思ってることも、その経緯も知らないとは言え、何故わざわざ十玖に絡むのか。そして十玖も何故、兄に敵愾心を見せたのか。

(極力関わりたくないのに)

 この数日、晴日に翻弄されっぱなしだった十玖を思い出す。

(ほんとに強かったな)

 一方的であったが、兄の予言通り十玖は強かった。ケンカが強いのとは別次元で。
 ケンカなら晴日も強い。
 美空に近付く男子を尽く追い払ってきたのだから。

(橘さんも強かった)

 兄が強いと言った十玖に平手打ちを二度も食らわせていたのだから、最強かも知れない。
 そこに二人の歴史を感じた瞬間、胸がモヤモヤした。
 十玖に無視された時にも感じた不快感。

(なんだってのよ、あの男っ。ほんとムカつく)



 十玖たちと一緒に晴日と竜助が音楽室にやって来て、合唱部は色めきだった。
 お陰でなかなか始まらず、短気坊主の晴日が痺れを切らした。

「なんか歌って聞かせてよ。こっちはそのつもりで来たんだし」

 晴日はニコニコ笑って催促するが、生真面目そうな三年女子の部長は唸ってしまう。

「一年はまだ発声メインなんで、二、三年だけで良ければ歌えるけど」
「曲なに?」
「アメイジング・グレイス」
「それいってよ。んで、お前ら三人は歌える?」

 十玖、太一、苑子を代わる代わる見て、挑発的な顔をする。
 そんな晴日を竜助は傍観していた。何を考えてるのか、手に取るようにわかるからだ。

「俺らは歌えますが、部長いいですか?」

 太一が応える。

「オッケー。晴くんたちの希望だからね」

 三年の男子がピアノの前に腰掛ける。指揮は部長。
 伴奏が流れ始め、美しいハーモニーが奏でられていく。

 竜助は音楽室の端の席に腰掛け、晴日は部員一人一人の歌に耳を傾けながら、前を歩く。
 十玖の前でピタリと足を止めた。
 目を見開いて凝視する晴日に十玖が眉をひそめると、「見つけた」と声なく呟いた彼は、口の片端を上げ笑う。
 晴日にまたもロックオンされた。そう直感した。

 ――――美空に惚れてんの? お前にはやんねぇよ

 あの日、耳打ちされた言葉。
 あれから晴日には振り回されっぱなしだ。
 感情が波立つ。心が裸にされていくようで、居心地が悪い。

(……苦手だ)

 今のこの状況も晴日の牽制だろうか?

 曲が終わり、晴日と竜助が拍手する。この二人に拍手され、単純に喜ぶ部員たちを尻目に、晴日は十玖の両腕をがっしり掴んだ。

「スタンド・バイ・ミー、歌えるよな?」
「はい……?」
「歌えるよな? ランニングしながら歌っていただろ」

 逃げていく歌声。発声の出来たバリトン。合唱部。ランニングしていた十玖。
 すべてが合致し、いま十玖の歌を聴いて確信した。
 室内がざわめく。

「なんなんですか一体」

 晴日の言う通り、歌っていたのは自分かも知れない。でも素直に従ってしまうのが嫌だった。
 腕を掴む晴日の指に力がこもる。

「捜してたんだよ。たまたま聴いたお前の歌」
「何のために?」
「勧誘。十玖お前、A・Dに入んない?」

 真摯な眼差し。
 掴む晴日の指を解き、眇めた目で晴日を見た。

「冗談」
「じゃないから」
「ヤです」
「なんで!?」

 食い下がる晴日。押し黙る十玖。
 さっきの今で、身の危険を感じるからとか、散々翻弄されて彼のどこに好意を持てばいいんだとか、色々ぐちゃぐちゃと感情が渦巻く。
 第一、バンドに誘われてホイホイ受けるような仲じゃない。
 美空とのことがあるから正直グラっとはするけど、なんか自分を曲げたくない。

 合唱部員を堂々と勧誘する晴日に、誰も異議を唱えない。あまりに突飛すぎて、理解できていないと言うのが正直なところだ。
 膠着状態の二人に、竜助が助け舟を出す。

「いきなり殴りかかってきた奴に仲間になれって言われても、三嶋だって困惑するだろ。お前なんでも急ぎすぎ。三嶋に時間やれよ」

  むすっと不貞腐れた顔をして竜助を睨むと、晴日は渋々の体で口を開いた。

「……わかったよ。悪かったな十玖。でも諦めたわけじゃないから」

 本人が言う通り、おいそれと諦めないだろう。
 それはこの数日で容易に想像がつく。

 十玖が美空に告白するしないが心配なのではなく、それ以前に、十玖の中から美空という枠を排除させる方向に持って行こうとしているのは、何となく分かった。
 気の弱い人なら、日々の圧力で次第に気持ちが萎えていくだろう。

 晴日に近付けば、美空との距離が縮まるかも知れないという打算が、頭を掠めないではなかったが、あくまで美空は美空だ。肝心の美空に未だ睨まれている状況は変わらない。

「僕にそのつもりは有りませんから」
「うん。いいんじゃね。俺も諦め悪いから、持久戦で行くし。十玖が胆座ってるのも、頑固そうなのも最初で分かってるから」

 白い歯をにっ、と覗かせて笑う。

「俺、相当しつこいから、覚悟しとけよ」

 とん、と握った手の甲で十玖の胸を叩く。眉をひそめた十玖を「ふふん」と鼻で笑い、

「お邪魔さまぁ」

 手をひらひら振って部員に挨拶しながら晴日は出て行き、竜助はマイペースな幼馴染みを見送りながら、十玖の肩を叩いた。

「悪いけど、あんなんだから暫く付き合ってな。どうしても嫌なら遠慮なく断ってくれていいから」
「はい」
「そーとー気合入れて断らないとなんないから、まあ頑張って」
「……」

 いたずらっ子の笑みを浮かべる竜助も、かなりの曲者かも知れないと思う。
 あの晴日と長年付き合える男だ。
 晴日を追って竜助が出て行くと、太一と苑子が寄って来た。

「気に入られたねぇ」

 肩先で十玖を小突きながら太一が笑う。

「え……?」
「嫌そうだな」
「あ~……うん。苦手かな」
「今までにない強引さだもんな」
「十玖にはいい事なんじゃない?」

 苑子が割って入る。嫌そうな顔をして見下ろす十玖に、彼女はしれっと言う。

「斉木先輩が絡んでくるようになってから、十玖の表情が変わるようになってきて、あたしはいい変化だと思ってるんだけど」

 苑子は小首を傾げて、十玖を見上げる。

「苦手だ、嫌だと頭から否定しないで、先輩に付き合ってみたら、意外と面白い発見があるかもよ?」
「キャパ不足なんだけど」
「増設しなさい」

 ぴしっと言い切る苑子に、反論は無駄である。
 子供の頃からいつも最終的な決定権はこの姐御、苑子にある。

 太一はくすくす笑って、もう口を出すつもりはないようだ。
 苑子の言ってることは、間違ってはいない。それは分かるのだが、気が進まないのはまた別の話。
 十玖は、深い深い溜息をついた。

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