上 下
115 / 115
【番外編 1】君じゃなきゃダメだから、ね?

君じゃなきゃダメだから、ね? ⑥ 【R18】

しおりを挟む
朝っぱらから【R18】の更新で済みません。
しかもチョイ長め ( ̄▽ ̄;)

***************************************

 《おまけ R18》


「い…やぁ……んっ」

 逃げ出そうとして、腰をがっしり掴まれ引き戻されるのは、これで何度目だと朦朧とする頭で考える。
 愛姫の出産で二人目には消極的だったのに、千尋の存在に絆されて頷いてしまった先刻の自分が悔やまれた。

「アズちゃん。ヘバるのはまだ早いよ?」
「うっそぉ…んっ」

 シーツに俯せ高く持ち上げられた腰を打ち付けてくる、最奥を抉る激しい快楽に意識が飛びそうになるのに、怜がなかなかそうはさせてくれない。
 気を失わせてくれたら、ちょっとだけ見直しても良いのに、交歓が怜を鬼畜と変貌させるのは最早定番だ。
 二人の混ざり合った体液が淫靡な音を奏で、蜜壷から溢れてぽたぽたとシーツに染みていく。



 お風呂場が賑やかだなとは思っていたけれど、一体何をしてくれたのか、お風呂から上がった愛姫はヘロヘロに疲れ果て、食卓に着いて間もなく舟を漕いでいた。夕飯を食べきらないまま彼女は夢の世界に旅立ち、寝かしつけて来た怜の笑顔を見た瞬間、梓は戦慄した。

(……やる気だ)

 不自然にならない程度にゆっくりとご飯を食べる。
 普段お代わりしないのに、今日ばかりは「ロールキャベツ、お代わりしちゃおっと」なんてあからさまかと思ったけど、スープ皿に三個追加した。

(大丈夫。相手はほぼキャベツだしッ)

 全部食べたら合計六個だけど、イケると自分を鼓舞する。
 正面では珍しくお代わりしている梓を、初ガツオのカルパッチョがお気に入りの様子の怜がニコニコ見ながら箸を進めている。

(……ん?)

 梓は首を傾げて怜を見る。

(んんんっ?)

 何故か黙々とカルパッチョばかりを食する怜をじっと見る。
 怜がニコッと笑う。梓も釣られて笑う。

「怜くん。そら豆のキッシュもどうぞ? 好きだよね?」
「あ~そうだね」

 そう言って一欠片口にして、またカルパッチョに戻って行く。
 何がそこまで彼を執着させるのか?
 自分で作っておいて何なのだけど、首を捻りながらカルパッチョを口に入れて気が付いた。

(……ニンニクかーッ! これに執着してるんだねっ!?)

 以前テレビで見たニンニクの効能を思い出す。
 アルギニンとアイリンという成分は天然の精力増強剤で、精子の量も増やすとか云々、やる気満々の怜には少々控えて頂きたい食材だった。
 怜の前からカルパッチョの皿をすすすっと引く。

「そればかり食べてたら、偏っちゃうからダメ。他のも食べて」
「食べるよ。でもアズちゃんもニンニク、取った方が良いんじゃない? 冷え性は妊娠の大敵だし? アンチエイジングにも良いんだよ?」

 さり気なく怜から遠避けようとしたのがバレてた。
 エヘッと笑う。

(ニンニク嫌いじゃないよ? 何て言ったってウチの三種の神味だしさぁ……でもね。何でこのタイミングで、こんなモノ作っちゃったかなぁ自分と思う訳ですよ。はい)

「アズちゃん。はいあーんして」

 怜の箸が梓の口元に伸びて来て、目尻がピクピク痙攣した。数秒眺めて怜を窺えば、微笑んだ目の奥で『早くお食べ』と催促している。怖い。

(こうなったら、怜くんの分まで食べてやる!)

 怜の箸から食べたのを皮切りに、意地になって完食した。



 お腹が一杯だから、なんてものは理由にならない。
 だったら食後の運動しようっか、と素晴らしく良い笑顔で迫り来る魔手から逃れる術はない。
 片付けが、お風呂が、そんなものは後でいい、でこの会話は終わる。

 敢え無く捕獲され、お姫様抱っこで寝室に連れ込まれた。
 ベッドに腰掛けた怜の脚に向かい合わせで座り、彼の両腕がふんわりと腰に回されている。チュッ…チュッ…と音を立てて唇を啄んでくる怜が、梓の瞳を覗き込む。
 顔を俯けて目を逸らすと、彼女の服を脱がせ始めた怜はくすくす笑って楽しそうだ。

(お……お腹ポンポコリン気になるよぉ)

 あんなにムキになって食べるんじゃなかった。
 はち切れそうなお腹が気になって、ただでさえ集中できないのに、怜の手が嫌がらせかってくらいに腰回りを撫で回す。気になるから勝手に腰が引けて、また引き寄せられてを繰り返しているうちに、上半身の服はすっかり取り払われていた。

 怜の右手が左の胸を包むように掬い上げ、指の腹で頂を抓んで捩る。一瞬の反応を見せただけの梓に怜が微かに眉を顰めた所に、つい溜息を漏らしてしまった。ヤバいと思った時には後の祭り。
 グッと引き寄せられた耳元で、怜の声が低く囁いた。

「気乗りしないみたいだけど、溜息なんて直ぐに甘い吐息に変えてあげるよ。愛してるよ梓」
 怜の舌先がぬるりと首筋を舐め上げ、ぞわぞわとした震えが全身を走り抜ける。梓の唇から艶めいた声が漏れると、逃れられない情愛を交わす合図となった。



 お腹なんて横になったら気にならないでしょ? とまたも先手を打たれて、返す言葉もないままあっさり身包み剥がされた。
 体中に降らされたキスの雨で肌が火照り、熱い怜の口中で赤く熟れた果実がころころと転がされ嬲られている。その傍らで白い柔肌を優しく撫でまわす掌の熱に、肌がザワザワして知らず吐息が漏れてしまう。

 熱がどんどん溜まっていくのに、なかなか核心に触れてくれない。
 お腹の奥がきゅんきゅんし、堪え難くなりつつある花芯の疼きに腰を捩り脚をもじつかせても、怜の脚に摺り寄せて絡めても、彼は愛液が溢れているそこに触れてくれない。
 こぽりと溢れ、流れ落ちていく蜜に切ない吐息。
 硬く尖った果実を強く吸われ、じゅっと啜る音がする。ほんのり甘い香りのするそれをこくりと喉に流し、舌先がまた舐る。乳房がじゅんじゅんして、蜜口がきゅうっと切なく窄まる。怜の栗色の髪に滑り込ませた指に、僅かに力を篭めた。

「れい…くぅん……他のとこもぉ」
「他のとこも、どうしたの?」

 薄っすらと乳白色を滲ませた果実を咥えたまま話す振動に、ぷるっと身震いする。それすらも快感だ。怜だって解ってるのに、惚けて焦れったい。

「まだまだ足りないでしょ? もっと吸って欲しそうに、おっぱいがぷりぷりしてるよ?」
「意地悪ぅ……そこだけじゃイヤぁん」
「それにもう直ぐ止まっちゃうでしょ。おっぱい。妊娠したら僕も愛姫も断乳しないとって思ったら、なんか離れ難い」
「ばか」

 大真面目に言わないで欲しい。

「馬鹿って酷くない? おっぱい張り過ぎて、最初に泣きついて来たのはアズちゃんじゃない。僕大分ご馳走になりましたけど」
「その節はお世話になりましたけどぉ……奥がツライの」

 腰をずらして脚に当たっている熱杭をくっと押し上げると、怜の眉が苦し気に寄せられて、ちょっと意地悪な笑みを孕んだ瞳に見下ろされた。

「挑発してきて、どうなっても知らないよ?」
「挑発しなくても一緒だもん」
「言うねぇ。生意気な口を利くアズちゃんは大好物だよ。いっぱい啼かせてあげるね」
「え…ほどほどに」
「聞こえない」

 ツーンとそっぽを向いた怜に梓が『えっ』って顔をすると、クツクツ喉を鳴らして笑う彼はやっぱり意地悪だ。
 梓の唇に軽いキスを落とすと、艶然と微笑む。

「では。ご要望にお応えしましょうか」



 焦らされるだけ焦らされて、愛蜜を溢れさせている淫乱な花弁を更に弄ぶ、不埒な指と卑猥な舌先に翻弄され、梓の背中が弓なりに反り返り、腰がびくんびくん揺れている。
 飲んでも飲んでも湧き出る泉の如く溢れて来る蜜に、堪らない至福を感じていた。

 一度火が付けば、怜の望むままの淫猥な姿態を披露してくれる。そのあまりの可愛さに、ぐちゃぐちゃに愛してやりたくなるけど、壊してしまっては大変だ。と言っても、いつもその寸前まで止まらないのだけど。
 まだイッてる隘路に指をゆっくり沈めていくと、梓の小さな悲鳴のような声が漏れ出た。淫壁を指の腹で擦ると同時に、赤く膨らんだ花芽を抓んでは捩じってやれば、ひぃひぃと可愛く啼く。

 五年前の同窓会で誰の言葉だったか忘れた下世話な会話で、『子供産んだら弛くなってやる気が起きない』なんてレスを嘆く声を聞き流していたが、今の怜から言わせて貰えば『愛情の足りないお前が悪いんだろ』だ。
 怜のどんな無茶にも応えてくれる梓の膣内は、前にもまして指を食い千切らんばかりに絡みついてくるから、彼女を手放すなんて有り得ないくらい病み付きになっている。もう完璧に中毒だ。
 三日、梓を抱けなかっただけで、死にそうなくらい辛かった。

 助けを求めるように伸ばされた梓の手指を口中に含み、甘噛みする。何処を刺激されても彼女は快楽を拾い、潤んだ眼差しを向けて怜を誘う。
 痛いほど張り詰めた雄芯が放熱の時を待ち侘び、彼女の中で蕩けるような瞬間を狂おしく思いながら、怜はその時を見計らっている。
 膣内が激しく痙攣し、梓がまた達した姿に知らず口角が上がった。
 涙を流し涎を垂らして喘ぐ梓にゾクゾクする。

「梓、挿入るよ?」
「……ぁ…ゃん…待って……まだ……ッ!」

 ぎゅうぎゅう締まって跳ね返される膣内に、滾る熱杭を捻じ込んだ。
 半分も挿入らないうちに全てが持って行かれそうになって、息を詰める。

「ナマ……ヤバイ。すぐ出そう」
「ぁ…ふ…っんん……」

 ゆっくり抽送していた腰に梓の脚が絡んで、ズブズブと奥まで押し進む。尾骶骨から背筋を駆けのぼる甘い痺れに身震いし、寸での所でイキそうになるのを堪えた。いや。今も可なり限界。

「すぐそうやって煽るっ! もおっ気持ち良いしッ大好き過ぎて辛いんだけどッッッ」
「ふふっ。れいくぅん、だぁいすき」
「もおアズちゃん。無理だから。その可愛いさで、僕を殺す気!? ああっもお限界! いっぱい出すから全部呑み込んで」
「ぅ…ん。たくさん、ちょーだい」

 トロトロの顔でふにゃっと微笑まれたら、全面降伏しかない。
 もう今日も彼女を寝不足にしてしまうこと決定だ。

(きっと涙目で恨み言の様に言われるんだろうけど、僕だけが悪いんじゃないからね!?)

 止まらなくなるのは、愛おし過ぎる彼女の罪だ。
 その責任は生涯かけて償って貰う。

「梓。いっぱい愛し合おうね?」

 唇を啄んだ怜にうっとりと微笑み返してくる梓。
 怜は甘い敗北感に苦笑いを浮かべ、梓への情愛を注ぎ込んだ。


***************************************
PCがフリーズして数行が昇天した先日から、書いては消して書いては消してと、寝てませんッ!!
ここまで根詰めて、どうした自分!? と思わなくもない ( ̄ー ̄)
馬鹿だ。
しおりを挟む
感想 54

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(54件)

るりお
2022.02.25 るりお

10回は読み返してます。
大好きです。

解除
やーちゃん
2018.12.24 やーちゃん

何回繰り返して読んでも本当に笑えるし、面白いです。もっと続けてほしいです。

優奎 日伽 (うけい にちか)
2018.12.24 優奎 日伽 (うけい にちか)

やーちゃん様

初めまして。繰り返しお読み頂いているとのこと、嬉しくなるお言葉有難うございます。

怜くんと梓のカップルは私も大好きなので、番外編でちょこちょこお目に掛けることが出来たらと思ってます。

以前、アルファポリスさんから『出版の申請できます』のお知らせを頂いていたのですが、うっかり忘れてそのままズルズルとしてました(;^_^A
昼間の仕事が何だかんだと忙しくて、校正の時間が取れなかったと言うのも有りましたが、来年はちょっと頑張ってみます( ̄▽ ̄)

これからも愉しんで頂けるお話を提供させて頂ければと思ってますので、今後ともよろしくお願い致します(=゚ω゚)ノ

解除
やーちゃん
2018.12.24 やーちゃん

はじめまして。ドキドキしながら楽しく読ませていただいています。
この話は出版されないのですか?

優奎 日伽 (うけい にちか)
2018.12.24 優奎 日伽 (うけい にちか)

こちらのお返事は上記で失礼します。

解除

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

彼氏に別れを告げたらヤンデレ化した

Fio
恋愛
彼女が彼氏に別れを切り出すことでヤンデレ・メンヘラ化する短編ストーリー。様々な組み合わせで書いていく予定です。良ければ感想、お気に入り登録お願いします。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

マッサージ

えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。 背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。 僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。