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8. 梓、一難去ってまた一男(難)…!?

梓、一難去ってまた一男(難)…!? ⑧ 【R18】

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昨日は更新できなくて済みませんでした <m(__)m>
久々の零時更新です。

私、暑さにちょっとやられちゃいました。
暑い日が続いておりますが、皆さまご自愛くださいませ (;´Д`A ```



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 インタビュー記事の梓の写真を見せられた瞬間、城田があの時の男だと確信した。

 梓が家出をし、何か手掛かりになるものはないかと探した時に、大きな布に包まれたポートレートをクローゼットで見付けていた。何故飾らないのか、その時は深く考えてもいなかったが、城田の撮った写真を飾って、余計な注意を引き付けたくはなかったのだろうと今なら思う。

 梓を信用していない訳じゃない。二股出来るような性格でもないし、まず嘘が下手くそすぎて、誰も引っ掛からないと本人も自覚している。
 その梓がまんまと家出計画を隠し通した時は、信じられなくて暫く放心した。そのくらいの驚きだった。そうさせてしまったのは他でもない怜だったが。
 だから確信した。嘘は下手でもいざとなったら隠し事は出来る。

 一年もの間、梓は城田の身元を一切明かさなかった。
 彼女がほんの少しでも、他の男に好意を寄せていたと言うだけで赦し難いのに、そこまでして梓が守りたい相手だと思ったら、嫉妬でおかしくなりそうだ。
 とは言え、彼女の中ではもうとっくに過去のことになっていた筈だった。城田が余計なことをしてくれなければ。

 梓を探しているとSNSで堂々と公言し、インタビューにまで答えるとは、少々やり過ぎだろう。お陰で梓がわざわざ会いに行く羽目になった。しかも由美や清香を巻き込んで。
 一人で行かれるよりは余程マシだとは思うが、二人が城田のことを知っていたことも納得できないし、腹立たしい。

 隠されるから変に勘繰ってしまう。
 まだ心の何処かに、城田がいるのではないか、と。
 梓は子供の頃から怜のことが好きだったと言ってくれた。
 しかし同時に、一生報われることはないと思っていた彼女が、他に恋愛対象を求めるのはごく当たり前のことだったろう。それも異性愛者に。
 怜には見せたことがなかった女の顔を、城田には惜し気もなく見せていた。
 その表情は自分のものだと、頭を過った刹那、自覚した梓への執愛。
 兄のままでは何れ、他所の男に梓を奪われてしまう恐怖を感じた時、女性には反応した事がなかった半身が、梓を強請った。

 梓を凌辱し、城田から奪い返した負い目がある。
 だから心が休まらない。
 梓を手に入れ、子供も生まれると言うのに、今度は反対に奪い返されるのではないかと、安心できない。
 彼女から城田の気配をすべて消してしまわないと、安らかに眠ることなんて出来そうもない。



 家に着くなり、梓を隅々まで洗った。
 城田と同じ空間にいたと言うだけでも、彼女が酷く穢されてしまったようで赦せない。
 梓を構成する細胞の一つ一つからでも城田の気配がしないように、丹念に洗った。
 怜に触れられることに慣れ、快感を取り零すことなく拾えるようになった梓の全身が、熱く情欲を訴えてくる。

(まだだ……まだダメだ)

 このくらいではまだまだ足りない。
 感情に任せて梓を抱いてしまっては、後悔しか待ってないのは解っている。
 酷く愛して、お腹の子を梓から奪ってしまっては、二度と彼女は怜に笑い掛けてくれないだろう。それだけでなく、城田に安らぎを求められたら、考えるだけで地獄だ。

 いつもなら即座に反応する淫茎も、奪われる恐怖の余り、不能になったかと疑うほど静かだ。
 城田の存在は、それだけのダメージを怜に与えてくれた。
 梓の脚を左右に大きく開かせ、花淫に触れる。
 シャワーで流しているのに、次々と溢れて来る愛液でぬるぬると指が良く滑った。

「や……れい、くん」
「嫌じゃないでしょ。ちゃんとキレイにしないと。こんなにグジュグジュにして」

 膣内は指をするりと呑み込み、卑猥な音を響かせて溢れ返った蜜が怜の手を汚した。
 梓の短い吐息混じりの喘ぎ声にほくそ笑み、溢れる淫液を掻き出す。彼女の弱い所を容赦なく擦り、掻き出し、淫らな蜜が怜を求めている仄暗い快感。

「終わらないよ、梓」

 爛れた感情に自嘲しながら梓の耳元で囁くと、彼女は肩を揺らした。
 身を捩り、涙を零しながら甘く喘いでる。何とも煽情的な光景。

「れぃ…んっ……も、だめぇ……ぁあ、ん…はぁ……っ」
「厭らしいな梓は」

 抽送を早め、卑猥な水音を梓の耳に届けると、彼女はぶるると身震いする。上目遣いで鏡の中の怜を見詰める、やり場のない情欲に潤ませた瞳。
 可愛すぎてもっと苛めたくなる。
 もっと欲しがればいい。

「ふぇぇぇ…れいく……した……ぁ…」

 うん。そうだねと心中で頷き、責任転嫁してくる梓すら愛おしいのだから、彼女には諦めて付き合って貰うしか選択の余地はない。
 梓の膣内なかがきゅっと締まり、身体がガクガク震え出した。

(まだ、イカせてあげないよ)

 彼女が達する直前で肉壁が喰らい付いた指を引き抜き、シャワーも遠ざける。達せないまま熱が篭った身体がさぞかし苦しいのだろう。彼女の双眸から涙が溢れるのを見ながら、後ろの秘孔を解し始めると、梓は慌てて身を捩り制止して来た。
 アナルも清めたかったが、断固拒否され、無理強いしたら嫌われるようなので、サクッと諦めた。
 それに、と梓の耳朶にキスをしながら思う。

(翔とのことを思い起こさせる行為は、色々と不味いか。お互い)

 ゲイだったことを後悔している訳ではない。梓だって承知のことだし。
 それでもデリケートな問題だ。少々軽率だったかも知れない。
 新しくボディーソープを手の中で泡立て、撫で擦るように洗い始めると、また身体が快感を拾い始め、目元を赤く染める。梓は身を捩って怜を見上げてきた。
 彼女は躊躇いつつ彼の腹筋に指を這わせ、ゆっくりと下へ滑らせる。怜の半身に触れ、梓は悲し気に眉を寄せた。

「あたしばっかり…怜くん狡い」

 拗ねた口調の梓の手の中で弄ばれると、意思に反して血液が集中して行く。そう時間は掛からずに腹に着きそうな勢いで反りかえった。
 梓に触られただけで堪らないくらい気持ちが良い。
 揺り起こされた雄が脈動し、怜の目元が赤く染まったのに気を良くした梓の口元が、僅かに綻ぶ。

「あずぅ」
「お願い、怜くん。意地悪しないで?」

 怜以上に目元を潤ませて懇願し、彼の半身を可愛い指で扱かれる。耐え難い快感に怜の唇から微かな吐息が漏れた。

「いつもの怜くんが良い」

 じっと目を覗き込んで梓がお強請りしてくる。その可愛さと言ったら、カウンターパンチを真面に食らって脳震盪を起こし、頭がクラクラしている状態に近い。
 グダグダに彼女を愛しているのに、こんな風に煽られて、平常心を保てるわけがないじゃないか。しかも指が絶えず動いていては、絶対に無理だ。
 梓の指先が鈴口をなぞる。先刻から我慢できなくなった雄が、涎を滴らせていたのは知っていた。それを柔らかな指の腹で塗り伸ばされ、悦びに震えるもそれだけでは足りないと猛り狂いそうなのも。

「あ~ず。ホントに君はぁ……っん…これだから、心配で、堪らなく、なるッ」

 腰から這い上っていく痺れに身を震わす。
 怜は複雑な表情で彼女の唇を啄んだ。
 許されるなら梓を閉じ込めて、誰の目にも触れさせたくない。

 梓は口角を上げて微笑み「ダメ?」と小首を傾げる確信犯だった。怜に抗う術はなく、彼は息を呑んで「ダメじゃない」と完敗宣言と共に苦笑した。

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